gr 00 3-25
お久しぶりです。
深い時間にこんばんわです。
この話自体は何だかまとまりに欠けるのですが、この先には、ふりとして必要だったので。
構想としては、まだまだ続くんです。この物語。スピンオフで、本編ですらないんですけど。
それではご一読を。
タクヤは今や、スーパースターであり、スーパーアイドルでもあった。無論、それは他人の創作の力によって、である。ジ〇イアンではないからリサイタルを開いたりはしないのだけれども。歌とダンスを披露しないだけの品性はあるとあるというべきか。御本人様的には歌もダンスもはち切れんばかりに才能はあるのだけれども、敢えて控えてやっているというところなのだが。何故ならば、勇者なのだから。なのだから、あくまで彼が披露するのは偉大なる伝説の勇者の冒険譚――語るそばから本人が「嘘偽りのない真実である」と信じて疑わなくなる自慢話オンリーなのである。本人的にはダンスや歌に頼りたくはなかったのである。まあ、であったとしても、コイツから発散される生理的に到底受け付けない微粒子と呼ぶべきものであろうか、オーラとでも呼称すべきものであろうか、そういう女性から、とりわけうら若き女性に対しては、兵士が熱帯雨林の中で、毒蛇にまかれるのを避けるためを軍服に染み込ませる煙草の汁の如き効果は、話すことだけではっきりと発揮していたのは流石であったのだが。それはもしも某口の悪い元女性プロゲーマーに言わせれば、平均よりもだいぶ低い身長のみならず、何からなにまで「人権がない」と一刀両断で拒否られるレベルには。おまけにもし、コイツが転生した世界にオ○クなる種族が存在したのならば、間違いなくこの勘違いも甚だしいコイツは“オ○ク顔”と呼ばれたのは確実であろうが。但し、陰で。でないとこの超沸点の低い自称・勇者はすぐにキレるから。パクリまくりの御本人様が“騙る”“伝説”が素朴な異世界民に真に受けられるにつれ、コイツはいよいよ嫌なヤツそのものの本性を表し始めていたのだ。
そんなこととは露とも思わぬとあるイキリ倒しで愚かなクズバカカス野郎は、
「スゲえ! この本マジでイカしやがる!」
と、自宅で感動しまくっていた。それは何なら今すぐにでもパクリたいくらいだったが、何分分野が違うのが残念でならなかった。
それはコイツからしたら、表紙の絵からしてカッコ良いったらありゃしなかった、唯一この小学三年ドロップアウトにも何が書いてあるか理解出来る本だった。単行本よろしく数字が書いてあったら一冊だけではないだろうと思ってはいたが、実際それは何巻もあった。そこに記された物語というのは、強いて分類するならばピカレスクロマンということになるのだろうか。
「カッケー。この主人公まじカッケーよ」
コイツの視点的でなくとも格好良いに範疇に分類するならば、ピカレスクロマンに含まれるかもしれないその物語は、忽ちのうちタクヤを魅了し、そしてそれは彼にとってのバイブルとなり、後のコイツの人生に大きな影響を与えることとなる。
如何だったでしょうか?
ご一読下さりありがとうございました。
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今後の励みになりますし、何より作者は喜びます。
物語はまだまだ続きます。
何なら本編の構想すら勿論有りますから。
では、また次話にでも。




