gr 00 1-1-1
宜しくお願いします。
だが、自称・カリスマファッションリーダーたるタクヤには他にもオシャレポイントがある。彼の首のつけ根、その左側には、星型の痣があるのである。…いや、本当は痣などではないのだが。無論、本物の入れ墨などでもないだが。ワルに憧れ、「究極のワルになる男」ー「海○王におれはなる!」の人みたく微塵も疑ってなどいないータクヤにとって、これ見よがしの全身入れ墨はやがて克服しなければならない通過儀礼であることは間違いないのではあるが、今のところ、建前は「金がないから」、本音は「注射が超嫌いだから」ー注射より痛そうな針を刺すなんていうのは、痛そうで痛そうだからシールタトゥーを重宝しているのである。痛そうで痛いからと言って、「カッケええワル」への切望は抑え難く、故に、コイツはタトゥーにしか見えないシールを貼っているのである。「見えないところにもオシャレをしてこそファッションリーダー」と、どこかの誰かがテレビか何かでそんなことを言っていたし。正直言って、この星の痣の隠れオシャレ、しかも究極に洗練されたワンポイントオシャレの隠し切れないセンスには当のタクヤも密かにビビっている。
第三は写真に写っているものに対してではない。写真をマスコミに提示した際にタクヤが口にした説明に対する根本的な突っ込みどころである。というのも、“例のあの伝説の史上最凶最悪の武闘派暴走族”の割には、“例のあの伝説の史上最凶最悪の武闘派暴走族”のことを知る者が殆どいないのである。いや、殆どいないどころではない。それどころか、誰一人として、伝説を語り継ぐ者がいないのである。ハッキリ言って皆無なのである。“例のあの伝説の史上最凶最悪の武闘派暴走族の第十三代目総長”たるタクヤ、その人を除いては。このことを問われると、タクヤはフッとばかりにおよそ彼らしくない余裕を見せた。いくらタクヤがアレとはいえ、さすがにここまで豪快に大風呂敷にざっくりと空いた大穴ともなれば気付いてもいたのだろうし、言い訳もガッツリ考えてきていたのだろう。タクヤが得意気に語るところによると、
それではまた明日この時間に。
最後“。”ではなく“、”で終わっていますが、書き間違うてはいません。やったことのないことをやってみただけです。それで特に読みにくくなったということもないと思います。読みにくかったら、申し訳ありません。