gr 00 3-4-1
『聖戦士ダンバイン』……。展覧会やっていたんですね。
其れも40周年、而も今日迄。此れもそんなに昔の話だったのか……。
これまた知らなかったです。
所謂異世界篇に突入はしてはいますが、此の先真っ当な異世界ファンタジーバトルを期待されましても………。かと言って、タイトルから想像して、オーラバトラー同士のロボバトルのようなものを期待されましても………。ねえ? というのが作者の素直に想う処です。と、申しますか、抑々、此処が皆さん御存知の「剣と魔法のファンタジー世界」かと謂うと……。ねぇ? という感じになってしまいます。
「だったら何なんだ? こいつは?」というのは尤もな処です。
でも此れ、あくまでも『ジャイアンツ・ロボ ―エピソード 00―』であって、『ジャイアンツ・ロボ』ではないんです。本編ではないんです。そして、事前に申し送りしてます通り、前日譚とかスピンオフとか派生作品の類の位置付けなんですよ。これって。それにしては少々長くはなりますけど。
……前置きが長くなりました。
其れでも宜しければ御一読頂けるとの有り難いです。
其れでは宜しくお願いします。
「たまたまこのオレ様に出会ったのが運の尽きだ! 憐れなクソじじいよ! 我が超鮮烈かつ超強烈な魔法の被検体第一号となることをあの世で誉とするが良い! なあに心配は要らぬ! 一瞬で消炭としてくれようぞ! それが優しい優しいお優しいことこの上ない世〇末覇王たるケ○オウ者の御慈悲である! 苦しまずに死なせてやろうと言うのだ! 所謂安楽死というやつを賜ってくれようぞ! なあに感謝はいらぬぞよ! それから身ぐるみ剥がしてくれようではないか! たとえ微々たるものであってもこの我の恩為になれることを喜びとするがいい! そして、あの世で感涙に咽び泣くがいい!」
……全くもって「弱い犬ほどよく吠える」とは言ったものである。
明らかに九九さえまともに言えない、「アルファベットを二十も知っている(調子の良い日は。日によって多少の誤差は生じる。だって人間だもの)」のを自慢にしている低知能の主にそぐわぬ単語や謂い回しにまみれているセリフを吐いているのだが、これらは勿論ゲームやラノベやマンガで身につけたものである。独り言でもかっこいいのである。
「さて、ド派手に雷撃でも落として呉れようぞ!」
そう言い放ち、「天上天下唯我独尊」とばかりに、勿体振って、グ○ートマ○ンガー如く右の人差し指を天に突き上げたのだが……、
「って、あれ?」
俄に雷雲が立ち込め、雷鳴が轟くという、お約束のあの格好がいい背景の演出がない。続いてこないのである。それどころか、相変わらず空は晴れ渡り、スズメなんぞがチュンチュンだとか囀っている有り様である。
「な、何だ? 何が起こっているんだ?」
何も起こってなどいない。全くもって何も起こっていないのが、有り得ない、極大かつ極太の大問題であった。
タクヤは我が目を疑った。兎に角信じられない。「魔力を使い過ぎて、MPが尽きた」などいう異世界あるあるなどではないのである。
必殺パワー、サ○ダーブ○ークを第一村人たるクソじじいに炸裂している筈なのだ。その筈なのにそれなのに、いや、それどころかである。その手前にすらいってはいないし、そこへゆく気配すらない。目の間のヨボヨボは今だ健在。いい気になって――たまたま通りがかっただけのご老人にそんなつもりなどないし、タクヤの自分勝手な殺意はおろか、彼の存在にすら気付いてもいない――ぴんぴんしてやがるのだ。
「くそくそくそくそ! 運営のヤツらは一体何やってやがるんだ! 喫煙所にヤニでも摂取にいきやがってんのか! クッソの役にも立たねえゴミクズめが!」
タクヤは気が付いてはいない。実は、必殺パワーたるサ○ダーブ○ークが炸裂したところで、タクヤの求める処の、プライオリティの最上位は、実は満たされる事などかったことを。コイツのドSの性癖由来の嗜虐性や超選民思想といったものは満たされるであろうが。若しもタクヤが意図したようなハイパワーの雷撃呪文が放たれ、此れが目標を捉えてしまったのならば、其の後には――奇しくもコイツ自らが口走っているのだが――炭しか残るまい。詰まり、此の時点で彼が欲している水や食料の類は何も残りはしないのである。コイツの望んでいたブツの追い剥ぎなんぞは出来はしなかったし、品の良い(?)言葉で言えばドロップアイテムなんぞという、食物連鎖のより上位の者に簒奪される他はないような物品は、余程カタくでもないと何も残りはしなかったのである。そんなカタい食料が果たしてあるものだろうか? 何処の産のお煎餅だったらのならば、そんな恒星間宇宙船の外殻の様な硬度を得るのか? いくら此処が異世界とはいえ。いや、世間一般で認知されている異世界とは必ずしも言い難いのではあるが。
前置きの補足をしておきますと、エピソード00がヤンキーものだったり異世界ものだっりするのに対して――「客寄せに無駄にメジャーを騙りやがって! この詐欺師が!」というのも御尤もで、否定の仕様がありません――本編では地政学とか宗教とかいったところがメインになってきますし、其れだけに留まらず非常に雑多で多岐に渡る要素が複雑に入り混じることになるとは想います。あとは勿論タイトル通りにロボ――。スーパーロボット系からリアルロボット系まで何でもありです。この辺は活動報告で少し明らかにした通りです。但し、エピソード00の骨格――ストーリーが頭の中では殆ど出来上がっているのに対して、本編の方は2、3割しか出来てはいないので不確定要素が多いのもまた確かですが。でも、まぁ、発想自体は当然此方の方が早くからあった訳ですし………。
………今宵も後書きが長くなりました。
最後迄お付き合い頂き有難う御座いました。
それではまた明日午後10時にでもお目にかかりましょう。
宜しくお願いします。




