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gr 00 3-2

 間もなく“オーラロート゚”が開かれることにもなるかもしれませんが、今のところこの物語の主人公たる自称・ゾクのヘッド、全然バイクが似合いませんね。お察しの通り、愛車と共にあちらの世界へという訳にはいかないです。バイクに原動機付自転車が含まれたところで、です。実は補助輪がなければ、二輪ではなくて四輪でなければ、操縦出来るお方ではなかったりします。あの自称・総長様。「それでどうやってロボの類の操縦をするんだ?」というのはごもっともです。コイツ、“ぼん”の操縦は……。無論、あんな猿回しに感心する余地などは微塵もあろう筈がないのだが。いや、下品で醜悪なアレの喩えに、研鑽され洗練された高度な“芸”たる猿回し比較対象ち持ち出すのは、太郎氏にも次郎氏にも失礼極まりますね。

 ところで、『聖戦士ダンバイン』も現在配信中なんですね。

 知らなかったです。


 前置きが長くなりました。


 何が何だか解らなとは思いますが。今のところは。それは、まあ、追々と明らかになってゆくことでしょう。


 それでは本編をどうぞ。  



 因みに、タクヤは“おじさん”ほど漢字は読めないし、書けもしない。世代の問題というよりも純粋に知能の問題である。教育というものを小学3年生にして拒絶したことも理由の一つ上げられないこともないが、それは些細な問題である。其処のところは問題になどならない。何しろ、コイツなのだから。何と言っても地頭であり、知能であり、学習能力というものがあまりにもお粗末で低レベルに過ぎるのである。

 自慢の一張羅――レンタルではあるが――を見せつけイキっていたタクヤであったが、改札を抜け登りの電車に乗り込むと、素早く周囲を見回して、できる誰も知った顔をいないことを確認、迅速にリュックからコートを取り出し特攻服の上から着込んだ。それはまるで特攻服をすっかり隠すかの様であった。本物のヤバい奴に絡まれない様に。それなのに「オレは平和主義者だから」と主張する。「ムダな争いは避けてやっているのだ」と。「好き好んで無駄な血を流す必要も、出来るだけ人に怪我などさせたくはない」、だ、そうである。一体どの口で、こんな戯言をほざいているのかは知らないが。それなら、「最寄り駅までイキりたおしていたのは何なんだ?」という話なのだが。まあ、それ以前に「何で暴走族がバイクじゃなくて電車に乗っているんだ?」という話でもあるが。

 コイツに免許などというものはない。原付きの試験を何度落ちたことやら。全く学科が出来ないのである。まあ、元から暴走族を謳っているのだから、元々免許なんてものは必要ないのだろうが。バイクに乗ったことがあるかどうかは知らんけど。

 タクヤはうら若き乙女の前で「ジャーン」とばかりにコートをめくりあげてアソコを見せつけたい変態のような恰好で物陰から某大手電機量販店を見張っていた。

だが、今回の目的はそういうのではない。

「よし。出てきやがったな。身の程知らずのクソガキめが!」

 タクヤはバレないようにターゲットを追う――

ストーキングを開始した。一張羅を晒すのはまだ早い。こんな都会では何処にインネンをつけてくるガチ勢がいるかわかったものではない。

 やがておあつらい向きに人通りの少ない細い路地迄やってくるとリュックとコートを脱ぎ棄て、ターゲット――面識などまるでない、如何にも弱そうなチビ――の前に立ちはだかった。

「おい。小僧。その手に持っているモンは一体何なんだ? おい」

 弱いどころか喧嘩など碌にしたことさえなさそうな推定小学校低学年は左手にあの某電気量販店の袋を下げている。

 タクヤは強い奴には弱いが弱い奴には強いのだ。この世は弱肉強食なのだ。ソフトを買う金がなければ、貧弱そうなガキからぶん取ればいい。特攻服を着こんだ武闘派暴走族のヘッドにこんなチビが勝てるはずがないのだ。

「そいつをとっととオレによこせ! 死にたくなかったらとっととよこすんだよ!」

 凄んで見せるのも大得意だ。小学校三年の時に何かの間違いで大衆の面前で最弱の民たるデクに負けた後でさえ、暫らくは「パブロフの犬」効果でカーストの頂点に君臨し続けたイキり倒しなのだ。それでもって、いよいよもって、温厚で従順だった彼の同世代同級生にブチギレられて今日に至っているのではあるが。

 あの誰も彼もが恐れ慄く伝説のケ○オウ――世○末覇王がいる。ビビり倒すのが当然であり、必然なのである。それなのにこのモヤシときたら、

「嫌だ」

 とかヌカしやがった。

「何だと! テメエ何ヌカしてやがるやる! テメエ自分の立場がわかってんのか! あああああん?」

 伝説の暴走族のヘッドでもあること自称する男は大いにプライドを傷つけられて、「プツン」と切れた。

「ならば、とっとと死にさらせ! この身の程知らずのクソガキが!」

 右の拳を思いっきり振りかぶってタクヤは襲いかかった。改めて言おう。そして何度でも言う。コイツは弱い奴には強いのだ。ところが……、


 お楽しみ頂けましたでしょうか?

 今宵もお付き合い頂きありがとうございます。

 御意見・ご感想等頂けますと有り難いですし、作者は喜びます。

 それではまた明日の午後10時にでも。

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