gr 00 2-3-1
暫しお付き合いを。
第2章完結です。
こうして、清々しい迄にビジュアル系バンドの厚化粧のようなメッキは剥げきった訳であるが、ただ一人この現実を受け入れていないバカがいた。謂うまでもない、そんな奴は唯の一人しか此の世にはいない。ご存知タクヤである。コイツ以外の誰でもない。て、いうか他に誰がいようか? 当の本人だけが「あれはまぐれだ」「あんなものは偶然だ」「金縛りにあったのだ」「呪われたていた」「あの日は六六六度の熱があった」「外部から電波攻撃をされていた」等と言い張っていた。それならば、パ○ウェーブの如く「アルミホイルでも被っていろ」言いたいところだが、彼の周りにいる同世代というのは控え目で優しい子供ばかり――何かにつけて凄んでは睨みつけイキり倒し、すぐに暴力を振るう自称・ケンカ最強が、パブロフの犬的に躾けてしまった一面もあることは想像に難くないのだが――であったから、例の事件から暫らくは、或いはそれまでの体験が呪縛となり、或いは哀れな子を見る眼差しに伴う優しさから、彼のこれ迄とちっとも変わらぬ言動を受け止めていたのだが……。やがて、さすがにこのクルクルパーの少しの反省もない傲慢とバカさ加減には誰もが皆、うんざりしたし、もういい加減ウンザリさせられたし、遂には我慢の限界を迎えないわけがなかった。
結果としてタクヤは周囲の同世代全員から漏れなくブチ切れられ、漏れなくタイマンで呆気なくブチのめされた。本当にコイツときたら、学習能力が欠片もないというか何というか……。この辺りは大人になっても全く変わらなかったのは地頭の悪さというものもあるのであろうが。思えば、「ケンカ最強」の頃が知能でもピークだったのであろう。アレにとって幸運だったのは、周りの皆が皆お人好しだったが為に、囲まれたり、陰湿なイジメを受けることはなかった。誰もがあれほどまでにヒドい目にあったというのに……。
タクヤに関して言えば、いくらコイツがアレとはいえ、普通ならばいい加減自分が人からどう思われているのか気付くもんだろうが……。
そして、タクヤは引きこもりとなった。
だが、この(自称)ケンカ最強の世〇末覇者たるケ〇オウ様は近所の同世代誰もかもに悉く、しかも極々あっさりとタイマンで敗れたことが原因であることは頑なに認めない。自分の学力が万年ぶっちぎりの最下位であったこともまた然り。その後にタクヤ自身が語るコイツが学校に通わなくなった理由とは「一律に教育受けさせられることに疑問を感じるようになり、宿題を提出しなかったことで担任とトラブルを生じ、教師の言うことに従う同級生たちがロボットに見え、このまま学校に通い続ければ『自分もロボットになってしまう』と思った」からだそうであり、これを期に、「不登校は不幸じゃない」「オレが自由な世界を創る」「オレは自由だ!」「オレは雲だ。雲のジ〇ウザ(またもラ〇ウから方向転換した模様である。これで『北○の拳』内に限定しても何度目で何人目なのかは定かではない)だ!」「人生は冒険や!」がモットーになった(媒体によっては「天啓を受けた」とされるものもある)のだという。
それから時は流れ流れて――――
御一読下さり有り難う御座いました。
御意見・御感想等頂けますと作者は喜びます。
それではまた明日午後10時にでも。
次回より第3章突入です。
……『北斗の拳』……。なんか今、原画の大展覧会とかやっているんですね。……知らなかった……。




