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俺の戦記  作者: かな河
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80話 二城同時攻略

遅くなりました。約一か月ぶりになってしまいました。

 俺は梅田に城とその周辺の見取り図を見せてもらう。この城は二つの城というよりも完全に一つの城である。片っぽだけでは三流の城であるが二つ合わせると超がつく一流の城である。たぶんこれは大清帝国時代に城の大きさを制限する法律ができ、それをすり抜けるために二つの城に分けてその制限をすり抜けたのだろう。それはそうとこの城の欠点は二つの城に分かれていることだろう。城を二つに分けるということは持っている資材を二つに分けなければならないし、それをもう一つの城に戦の途中に移動させられないからだ。さらに城主が二人いるということは裏切り工作もやりやすい。とりあえず今回は城の内部にもう一つの城が裏切りを行っていると勘違いさせるような情報を流し士気を下げるのがいいな。しかしそれは大野家の軍だけで行えばいい。梅田家との合同作戦は正攻法に限ろう。その日俺はどんどん見取り図の中に印をつける。そして日が暮れると自分の兵士を実際に派遣し偵察を行わせる。梅田の見取り図がどのくらい正しいかを確認することは梅田の作戦能力を図るうえで役に立つ。当たり前のことだがいい地図がないと作戦を成功させることはできない。だからこそ腕のいい指揮官はよい地図を作るため、得るために全力を作る。

 次の日帰ってきた兵からの情報を地図の信ぴょう性を確かめる。これは微妙だ。別に大きく外れていることはない。しかし細かい数字を見ていくとところどころ粗が目立つ。もちろんうちの兵が必ずしも正しいという訳ではないがそれでも何となくずれているのはわかる。たぶん念入りに確認をしていないに違いない。仕方がない。梅田の実力はこんなものだと割り切って作戦を共同で立てていくとするしかない。

 次の日、俺は梅田のもとに向かった。梅田には軍議を開きたいと前日に連絡してあったので梅田の本陣に着くとすでに軍議の準備はできていた。俺は梅田の前に座る。梅田が言った。

 「どうも今日はよろしくお願いします。」

 「こちらこそよろしく頼むよ。とにかく昨日伝えたように作戦の方針としては片方の城を奪っていくでいいかな。」

 「かまいません。しかし連携が強くどのように落とせばいいのかまるで思いつきません。」

 「俺がそれは考えてある。」

 「どうするつもりですか。」

 「地図を見てくれ。このように二つの城は山の峰の上にある。落とすためにはこの正面の道を歩いていく以外ないと敵は思ってるはずである。そこをついて逆にこの裏の崖の部分から攻める。」

 「なるほど。その方法は考えていませんでした。では今すぐにその軍を組織して派遣しましょう。」

 「いや、道を探すためにもう一日待ってくれ。念を入れて下見をしたい。」

 「そうですか。わかりました。」

 これで今日の会議は終わった。もちろんこの会議で発案した通りの策を実行してもうまくいくわけがない。当たり前だ。あの城の設計はこういう奇襲を想定したものであることは少し見ればわかる。どうやらあの女領主はよほど軍略ができないようだ。ちなみに今回の作戦は何度も同じ城を攻め続けることで攻めている城の兵士や城主が精神的に孤立させるのが狙いだ。二つの城があるのに自分達だけ攻められ続ければどうしたっていやになる。また裏の崖の部分というのはもう一つの城と連携を取ることができない向きであるからなのこと精神的に孤立させることができるはずだ。

 「すいません。大野様、少し話をさせてもらいませんか。」

 そう呼び止められたので後ろを振り返るとそこには一人の老人がいた。

 「何でしょうか」

 俺はそういうと向こうは言った。

 「私は梅田家に仕えている軍略家の梅田 春樹(うめだ はるき)です。」

 「何か私に言いたいことがあるのですか。」

 「少し今回の作戦について話したいことがあります。」

 「何でしょうか。」

 「今回の作戦実際に城を落とすのが目標ではないでしょう。おおかた、裏切りを誘うための陽動作戦といったところでしょうか。私は梅田家の血筋の人間の端くれ。陽動作戦のために梅田家が大きな犠牲を出すのは容認できません。」

 なるほど梅田家の今までの戦果はたぶんこの老人のおかげであろう。こいつを欺いて作戦を実行するのは骨が折れる。こいつには策を話しておいたほうがいいだろう。もちろん梅田家の兵を犠牲にするプランはできない。

 「その通りです。しかし一つ勘違いなされている。梅田家の兵を犠牲にするつもりはありません。確かに裏切りを誘発するための作戦であるということは伝えていませんがそれはあくまでも作戦の気密性を守るためであって尊家の兵を無駄に消耗する気は在りません。」

 「それならよいです。しかし気を付けていただきたいことがあります。当家の主人はそう長く戦いを見ていることができません。もしできたのなら我が家単独でこの二城を落とすことができたでしょう。」

 「そうですか。一つ質問をよろしいでしょうか。今回の作戦の会議の情報をどこで手に入れたのですか。」

 「当主から聞きました。今回の城攻めで私は功を立てることができず焦った主人は私のことを軍議の場に呼ばなかったんです。しかし部隊の指揮は私しか取れないので作戦のほうは伝えてもらえました。」

 老人はそれだけ言うと兵舎のほうに帰っていく。俺はそれを見送り、今回の城攻めの難しさを痛感した。

冒頭に引き続き投稿が遅れたことにつきましてお詫び申し上げます。今月はかなり忙しく投稿が難しい日がつづきます。完結させるまでは投稿し続けるのででこれからもなにとぞよろしくお願いします。

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