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俺の戦記  作者: かな河
71/132

71話 仕上げ(7)

 私は残った黒田と中野に対して言う。

 「今回の作戦の成功おめでとう。戦後の処理に関してはすでに私に考えがあるからそれで行く。兵には残党狩りが終わった時点でこのことを報告するから問題ない。この場でとりあえず作戦の反省会をやろう。私と中野は死体の片づけをやるから黒田は椅子と机を探してこい。」

 こういうと俺は動き出す。中野と二人で部屋に転がっている死体を廊下に運び出す。そこから先はあとで大掃除をするときにやればよい。その間に黒田が机といすを運んでくる。気を利かせ紙と鉛筆持ってきてくれたようだ。私は椅子に座ると紙にここら周辺の地図を書き込む。そして私が言う。

 「どこでどう動いたのか書き込め。」

 「分かりました。」

 中野と黒田が言って書き込み始める。計画通りの動きを黒田も中野も動いたようだ。つまり私の反対から中野が攻め、そして敵の気を私たちが引いている間に黒田が誰もいない城壁を上りあがり敵の後ろにまわり中野の救援に向かう。これが今回のトラ トラ作戦。もし私たちが敵の前衛をあっけなく破りそのまま城壁に入ったらトラ トラ トラ作戦。この場合は黒田の仕事がなくなる予定だ。つまりそのまま王宮の中に流れ込み今の状態に持ち込む。次に私か中野どちらかが負けたらトラ作戦。黒田は負けているほうに救援に行き撤退作戦を行う。これがトラ作戦。中野と黒田が書き終わる。それを見て私は二人に向かっていう。

 「今回の作戦で起きた想定外の状態を言っていけ。」

 こうして作戦の反省会を始める。




 僕は藤田が奥に下がると周りを見る。すると前にいた使用人っぽい人が言った。

 「私の名前は吉田 耕司だ。ここで軍事を中心にやっている。」

 「吉田耕司というとあの偽名は。」

 と僕が言いかけると向こうが笑いながら返す。

 「私の名前を勝手に使ったんだよ。あの御方は相当自由だからね。これからよろしく頼む。」

 「そうですか。こちらこそよろしくお願いします。」

 「ほかの人の名前も伝えておこう。私の右にいるのが内政担当の塚田 隆之介(つかだ りゅうのすけ)|。左いるのが外交担当の野村 智也(のむら ともや)。」

 吉田が言い終えると横にいた二人が頭を順に下げる。吉田がまた話始める。

 「一応、担当は決まっているけれどお互いのそれ以外の知識も相当豊富に持ち合わせているし、現状はまだ軍事以外は議論しか行えない段階だから専門分野以外のところにも互いに考えを出し合ってみんなで考えている感じかな。」

 僕が聞く。

 「すると法律についても何かすでに考えがあるのですか。」

 吉田が答える。

 「法律は担当がいなかったからそこまで深く考えていない。大清帝国時代のものをそのまま使うつもりだったよ。担当者は責任者であり皇帝から全権を預けられた人間のことだ。それがいない段階で勝手に議論を進めるのはいけないことだからね。」

 「そういったものですか。では今から考えを出し合いませんか。もちろんほかの分野でどのような政策を行うつもりかを聞いてからではなければなりませんが。かまいませんか。」

 そう僕が言う吉田は少し驚いたような顔をしてこう言った。

 「これからか。昨日あれだけ藤田様と話をなさった後だし、一晩寝ただけでは疲れが取れていないだろう。少し休まなくてもいいのか。」

 「かまいませんよ。今日はどうも興奮してしばらく休めそうにありませんし。」

 僕が言うとほかの三人は呆れたような、感心したような顔をする。僕はきずかないふりをしながら他のものに話を促す。

久しぶりに遠藤を出ましたね。前回の終わりがあまりにも区切りが悪い状態でした。前回の話の内容がよくわからない方は潜入~潜入(4)を読み返してみてください。話数は忘れてしまいました。

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