7話 籠城
統制派の軍は城に続く山道を使わずに登り始める。小さい山であるし地元の住民でも急ぐときは山道を使わないくらいなので別に驚くことでもない。だからこそ山の中腹には大量の落とし穴がある。中にはやりが落ちたら刺さるようにおいてあり穴に落ちた兵は簡単には戦場に戻れないようになっている。そんな穴が大量に空いた場所は第二の石垣と空堀がある。ここの空堀は時間を見つけては日雇労働者たちに掘らせていたものでほんの少しの時間稼ぎにはなる。徐々に落とし穴を突破した敵兵たちが浅い堀の周りに集まってくる。そして石垣を突破してくる。その兵たちを俺は手勢を率いて城の周りをぐるぐると回りながら殺してまわる。しかし多勢に無勢かなりの数が登ってきてしまった。俺は本丸がある第一の堀の中に逃げ込む。その際にある程度の兵を中に入れてしまったが囲って討ち取った。それから山の中腹に向かい五人張りの弓を使い火矢を打ち込む。弓は基本的には使わないがさすがにまっすぐ飛ばせるように訓練させられた。山火事を起こすように一定以上飛ばせば良い今回のような場合はなんとかなる。ちなみに山の中にはあちこちに油の入った小さな瓶が置いてある。なので最初に木に火が燃え移った後すぐさま油にも燃え移りあっという間におおきな火になる。まだ半分くらいの兵は落とし穴に警戒しながら進んでいるため2つ目の石垣までたどりついていなかった。そして山火事に巻き込まれて死んでいく。ちなみに2つ目の石垣から先は燃え移らないように更地にしてある。現在城の中には大工やその他城の設備や生活を保つため50人ほどが残っている。兵たちは休ませその50人に対しすべての仕事をやめ石垣の上からこちらに攻めてこようとする敵兵に対して投石をするように命じる。まあしかし多くの敵兵は後ろの山火事をみてパニックになったり戦意損失したので攻めてくるのはごく少数ではあったが。一時間くらいすると敵は戦意を盛り返し山火事になる前にここまでこれたものだけの攻撃であるが、といっても4000人近くいるけれど一斉に攻撃を仕掛けてきた。兵たちも呼んで投石をおこなう。今投げている石は落とし穴や空堀を作ったときにでてきたものでだいたい四ヶ月かけてためたものであるから簡単にはなくならない日が暮れる頃には敵は攻撃をやめた。というか疲れ果て動けなくなった。なぜなら敵はすぐに戻るつもりだったのか食料を持たずに来たため食べることができずにいるからだ。ちなみに山火事はおとろえることを知らずに燃え盛っている。
次の日朝の3時くらいに我々は夜襲をかけた。敵は空腹と眠気と昼間の投石で負った傷ともたたかいながら俺たちに抵抗しようとした。しかいそれでも昨日の疲労がものすぐ大きかったのかあっという間に死体の山となった。そうといってもさすがに敵も軍隊なので俺の軍にも被害がでて二人が死に三人が戦える状態ではなくなった。さらに他の兵もどこかしらに傷を負っている。山火事の勢いは未だに衰えておらずこのぶんならしばらくは敵も攻めてくることはできなさそうだ。なのでうごける兵に死体から武器を奪わせ死体は山火事の火の中に投げ込ませた。その作業が終わった頃には、ほとんど一日が終わりそうだったが日没までの1時間くらいは投げて下に落ちている石を拾い集めた。
1町だいたい100メートルくらいです。