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俺の戦記  作者: かな河
67/132

67話 仕上げ(3)

 私は朝の遅い時間に全軍を集め、出陣式を行う。もちろん出陣式といってもそれぞれの部隊が町の一角をぐるりと回り、最後に砦の一角に全軍が集まり私が少し全員に話をするといったものだが本来ならこのような敵に情報が洩れるようなことをやるのは軍事的に無意味なことであるのでやりたくない。がしかし私の支配に下ったばかりの者たちに軍の全容を見せつけなければならない。そうすることで私の勢いをわからせることで、反乱を起こしたらどうなるかわかるよなという脅しやこれだけの力があるのだから負けることはないという安心感などを与えることができる。こういった政治的な意味合いから出陣式を行わなければならないのだ。そのほかにも敵の諜報員が見ていれば向こうに威圧感を与えることができる。さて出陣式の様子だが最初に黒田の軍がぐるりと町を回る。そのあとにほかの軍が続く。そして最後に私の軍が続く。今回の出陣式にあたりわが軍の装備は全員分新しくしている。もちろんかなりの金がかかったが土地からとった税を財源に何とか揃えた。予想どうり荒廃した町では祭りなどがあったわけでもないのでしばらくぶりの大騒ぎに多くの野次馬がいた。最後に私たちが通ったころにはかなりのお祭り騒ぎになっていた。そして最後に私たちが砦の広場に着くとほかの軍の間を堂々と通り一番前に行くそして私と中野は黒田が先に待つ二階に向かう。そして二階から将校たちを見下ろす。中野がしゃべり始める。

 「私は岩田家副将、中野 涼介だ。まず最初に我が家の当主である岩田 響様からのお言葉である。」

 なかなかに堂々とした声で言い切る。もちろん昨日何度か練習させた成果であるのだがしかしそれでもよく緊張せずにこうも言い切ったものだ。私はそんなことを考えながら話し始める。

 「この度はよくこの戦に来てくれた。戦いぶりしだいでは褒賞を多くやろう。ただし裏切りや命令無視といった行動には容赦なく首をはねるつもりであるよく覚えておけ。我々に負けはない。鬨をあげろ。」

一拍置いて私が言う。

 「えいえい」

 兵たちがが応える。

 「おう」

 それが終わると私は一歩下がり、かわって中野が前に出る。

 「作戦の概要は東軍と西軍に分かれ、東西から同時に王宮に強襲をかける。詳しい話は各軍の将に話してある。将は昨日伝達した通りに動かれよ。」

 それだけ言うと私たちは軍の前から下がった。黒田が少し心配そうに話しかけてくる。

 「これだけで本当によかったのでしょうか。もう少し兵や他の軍のものに話しかけたほうが良かったのではないでしょうか。」

 中野も声には出さないものの同じ心配をしていたのかこちらを見てくる。

 「これでよい。長いよりも良い。そんなことよりも各々の持ち場に早くつけ。」

 黒田も中野も解せないというような顔をしながら各自の持ち場に行った。あまり長くしゃべらなかった理由は簡単だ。将校なら政治的な判断に情報が必要なため私の話を聞くが兵は長く話しても途中で飽きて聞きやしない。だから短い時間に力強く大事なことを話す必要がある。話は変わるが今回の部隊内訳は黒田の隊は岩田家生え抜きの軍50人と黒田直属の10人からなり、中野と私の隊は同じ構成で戦闘力の高い傭兵崩れの元盗賊などを100人、自警団や志願兵といったものが150人そして生え抜きのものが25人だ。今回はほかにも余った人間がいるがそれはすべて砦の防御に回した。

 あれ、おかしいな。今回はもう戦を始める予定だったのに。前回と同じようなこと書いてるぞ。構成のところ飛ばせばよかったかな。ということで次回こそ戦いに入りたいと思います

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