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俺の戦記  作者: かな河
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62話 あと一つ(3)

 俺は偵察に行った兵からの報告を聞く。どうやら水源は多く見つかったものの逆に多すぎてどれが城の内部につながっているものかわからないという結果になった。兵法書にはちゃんとした手順を踏めば必ずわかると書いてあったがしかしその手順に従わせても見つからないということは兵法書が間違っていたのだろう。やっぱり実践することは大事である。しかし兵に言わせれば三か月くらい時間をくれれば特定できるとのこと。あんまり攻める側が使える作戦ではないようだ。しかしこれは長期間、籠城された時には使えるかもしれない。あとは逆に自分が籠城するときに使われることに備えて自分の城の周りの水脈を調べるのにも約立つ。かえって自分の城の周りで試してみよう。次に投石機については二日目の今日にしていまだ完成せず。初めてで手間取っているのもあるが大量の木材をそろえるのはかなり難しいことでそこが一番の欠点かもしれない。特に軸となるかなり太い丸太がそろわない。これだけは初めから持ってくるべきものだったようだ。

 陣を敷いて三日目。敵軍からの攻撃を受ける。どうやら俺たちが下のほうでダラダラと準備しているのにしびれを切らし攻めてきたものと見受けられる。しかし偵察の兵が素早く反応。迅速な報告のおかげでこちらは準備をおこなうことができていた。そして何台か完成していた投石機を導入し、攻撃を試みる。効果はてきめんだった。でかい石がとんでくるという恐怖のおかげで敵は指揮が当らなくなったり、腰を抜かす兵が出た。もちろん殺傷能力も抜群であったが、欠点として残念ながら速射が全くできずさらに岩を飛ばすようなものだから当然、力が足りず射程距離が短い。しかし平地での戦いでは十分に有効であると今回の戦いで証明されただろう。(陣は敵の城のある山のふもとに敷いている。)ただし同時に山の中での戦いはこれでは無理ということを証明した。というのもでかい石とそれよりも大きい投石機を持ってどうやって山を登るかという問題が発生したためである。これは完全に俺のミスではあるが。絶対に考えればわかったことだ。しかし今日の戦果はもう一つある。実は俺が考え出した偵察方法と兵法書に書かれている偵察方法でどちらが早く、情報を持ち帰れるか競わせていたのだ。結果、圧倒的に兵法書の方法が早く今後こちらの方法を採用すればいいと分からせてくれる結果であった。それから今夜は夜襲をかける。本来は夜襲というものは熟練の軍が行うもので、俺の軍のように軍人になりたてのようなものがいる軍は成功させるのが難しいということになっている。特に山の中で行軍するのはだ。しかしここは俺は自分の腕を信じて一つ行ってみたい。そのために水源に偵察に行った兵から山の道やつくりを入念に聞き地図を作りだしておいた。さらに時間を見てはこの何日かの間に何度も自分自身でも山の中に入った。対策も取ってある。しかし山は人工物が少なく行軍するのはやはり少しの不安がある。

 その夜、俺は軍を引き連れて山の中に入った。山火事の危険やばれないようにするために松明なしで行っていいる。しかし満月の夜である今夜はまだ月明かりがありまだましである。夜目の利く兵を使い目印を探しながら、さらに歩幅が常に一定になるように気を付けながら進む。歩幅が一定になるようにしているのは、昼間に地図を作ったときに同じ歩幅で歩き、距離をその歩幅で何歩と出してあるからだ。

 「大野様、目印を発見いたしました。」

 「分かった。このまま行軍するぞ。」

 目印とは気に巻かれた布である。この布は夜でも目立つように派手な色を塗ってある。予想はしていたが夜ではやはり目立たない。しかしそれでも探せば何とか見つけることはできているので成功ではある。ただ偵察に偵察を重ねたうえでこうやって中に入っていくということは、やはり夜間の行軍の難しさを証明している。それからまた何時間も歩き続ける。昼間ならこの四分の一もかからない時間でこの山の行軍をおこなうことができるだろう。しかし山の中の夜間の行軍なのでそうはいかない。しかしついに前方にいる兵が報告に来る。

 「ついに最後の色の目印まで来ました。」

 「そうか、わかった。日の出まで休憩だ。他の兵にも伝えて回れ。できるだけ音は立てるなとも言え。」

 そういうと日の出まで待つことにした。なぜなら日の出が一番見張りの兵の気が緩むときであるからだ。これは兵法書にも乗っていたことだし俺が演習中に何度も試したことであるから間違いない。

 日が昇り始めたのと同時に攻撃を仕掛ける。敵にほとんどきずかれることなく敵の門に到着、破壊を始める。するとさすがに大きな物音がして敵に気がつかれる。こちらからは最初は小石を使い城壁の上の敵を攻撃する。しかしそれでは威力が足らず攻撃にならない。仕方ないので弓兵を投入する。今度はちゃんとした攻撃になり敵の注意をこちらに向けることができる。しかしこの間に5分足らずの間に兵が10人ほど負傷している。そこから20分ほどするとついに城門を破り中に突撃する。さすがになかでは準備万端といった形で迎え撃ってくる。すぐに俺は指示を出す。

 「槍兵前に。そのほかの兵は槍兵の後ろにまわり接近戦の準備。」

 向こうが突撃してくる。うちの軍に鈍重な盾兵はいない。機動力が落ちるからだ。さらに戦を長引かせないためにも盾兵はいらない。一気に混戦となる。混戦の裏では向こうの盾兵が準備を始める。がしかしこちらも気にせず乱戦を続ける。後ろにいる飛び具の部隊のものが準備を終え始める。血気盛んなものが飛び出ていきそうなのを見て

 「待て。動きを乱すな。」

という。全員の準備が終わったのを見て攻撃を命じる。まとめて大量の兵を動員したことで戦局は大きくこちらに流れを変えた。しかし勝負着いた頃には後ろにいた盾兵の準備が終わりこれ以上城の中に進むことはできなくなっていた。俺はそれを見て兵を下げる。次のことは明日考えればいい。

長くなってしまいました。最初の投稿から一年くらいがたちますね。俺の戦記を一年も読んでくださりありがとうございます。今後も引き続き楽しんでいただければ幸いです。

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