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俺の戦記  作者: かな河
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6話 国日城

この話にでてくる一尺は0.3メートルです。

 俺は遠藤と石井と別れた後領土内にいる大工をかき集めた。設計図の方はかなり前から用意していたものがある。本当はこの設計図は、もっと早く使うはずだったのだが遠藤とその頃はまだ生きていた父親によって止められた。必要性の薄いことに予算を使うなとのこと。あのときにはすでに父親は隠居していたし遠藤だって家臣だろ。俺の権力よわくないか。しかし必要性はあったわけだし俺のほうが先見の明はあったわけだ。嘘です。ただただ自分の手で城をいじってみたかっただけです。必要性なんてこれっぽちも感じていませんでした。とりあえずこの話はおいておくとして国日城について少し解説しよう。国日城は我が領土内唯一の城で山の上にある。山の標高は千尺ほどでもともとはなだらかだったらしいが城を建てる際に地面を削り急になっている。また他の山と繋がっていないため周りを見渡しやすくなっている。そして城そのものは200年前の戦乱が終わった後も50年ほどは管理されていたらしいが今や荒れ果てた廃墟があるだけである。さすがに盗賊などに住み着かれると厄介なので定期的に巡回しているがとても城として機能しないどころか人がそこに3日もいれば建物が崩壊しそうな感じである。なので本丸を取り壊すところから始める。そしてあまっている人では三段あるうちの一番上の石垣の修復をする。二段目以降は木や草が生い茂りとても修復している暇はないと判断したのでどうにか罠を仕掛けるしかない。調べていくと一番上の石垣の近くには空堀があった。しかし土や石といったものが大量にありそのまま使うには浅すぎた。そこまで調べたとき日が暮れ始め大工の棟梁たちが今日の作業をここまでで切り上げると言い出し山を下山し始めたので俺も下山する。作業時間は少なかったが今日は石井を家臣にしてそれから大工を集めたと考えるとしかたがない。

 二日目 大工たちには昨日の続きをさせ俺は街に出て人を雇いまくる。乳児の死亡率は高いため子供を多く生む習慣がある。しかしその子どもたちが死なずに大きくなった場合二番目以降は家業を継ぐことができず定職につけず日雇いの労働者になることが多い。なので簡単に労働者を見つけることができる。しかし今回はできるだけ多くの人を雇いたいので領土内の3つの街すべてを1日かけて回る。ちなみに彼らの給料の出どこは大野家が200年間ため続けてきた財産からだ。200年の苦労が俺の代ですべてなくなりそうだぜ。

 三日目 集めた日雇労働者たちには初日に見つけた空堀を深くまで掘らせた。大工たちは昨日のうちに取り壊しの方は終わらせていて全員で石垣の修理をしていたらしので食料庫の建築を依頼する。

 四日目 日雇労働者たちの4分の1は今までどうり空堀を深くしてもらい半分の人たちには建築物資の運搬をしてもらい残りの人には空堀からでてきた石と土を分ける作業をしてもらった。この日から遠藤からの手紙が来るようになり2日ほど遅れての情報だが、敵の現状と同盟の締結の進み具合を知ることができるようになった。石井の練兵も進みが良いようで石井曰く山賊程度なら同数なら余裕で勝てそうだとのこと。

 こんな感じで日付が進んでいき話は少し飛んで二ヶ月後 遠藤の報告によると統制派の軍は途中からだいぶ進軍速度がにぶり敵の到着予定はさらに二ヶ月をみて良いそうだ。同盟の締結の方は大元となる部分は出来上がってきたそうだ。城の方は一つ目の石垣や本丸、食料庫、空堀は完成した。昔使われていた井戸は当然壊れていたので現在その修復と日雇労働者を使い食料と武器の運搬、さらに罠の設置をおこなっている。石井の方はもともといた兵の練兵はかなりのものになったらしく新兵の要求までしてきた。一体どんな手を使っているのやら。新兵は日雇労働者から募集し25人ほど石井のところに送った。

 それからまた日付は進み築城をはじめて三ヶ月目 遠藤からは後一ヶ月位で敵が来そうだとの情報と同盟は現在細部のことについて取り決めているという。しかし案外利害関係で話が進まず敵が来る前に同盟を締結できるかはかなり怪しいとのこと。その情報を俺は受けて石井に兵に偵察と偵察に来た敵兵を殺すように命じさせた。城の罠の方は順調に付設が進んでいる。

 またまた日付が進み四ヶ月と十日と何日か後についに敵の前衛部隊100人がついに俺の領地に姿を表した。住民は遠藤の手引と石井の説得のおかげで2週間前には完全に近くの安全な別の貴族の領土に避難させられた。俺たちは敵の前衛部隊をかくれてつけ敵が昼の休憩を取っているところ攻撃した。具体的には75人の兵のうち10人選び俺とともに馬に乗り突撃する。その際にまず俺が馬上から弓を射て見張りの兵に当てる。そのまま弓を捨て刀に持ち替え敵陣に突っ込み刀を敵兵を多く殺すことよりもきずつけることを目的にした方法で振り回す。1分後敵が混乱しているうちに本命の歩兵65人が手負いの兵めがけて突撃する。俺含めた騎馬隊いったん戦場を離れ指揮官の後ろに回り込み再度突撃する。さすがに気づかれたが逃げることは叶わず騎馬隊と歩兵の勝負となる。気づかれた瞬間に俺が袖の中にあった小石を目に投げつけ潰されていたため指揮官は指揮をとることもできず周りの護衛の兵ももろとも一瞬で死に決着はついた。その後敵軍は潰走した。敵は武器をすべて捨てて逃げまた80近い死者を出したのに対してこちらは軽症者を複数出しただけだった。敵が残していった武器を拾い集め城に戻り俺たちは一夜明かした。次の日、敵の主力軍が到着した。その数ざっと1万。俺はすぐさま籠城することにした。

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