表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺の戦記  作者: かな河
56/132

56話 潜入(3)

 僕は次の起きるといつものごとく刀の練習を行う。そしてまた昨日と同じように市場へと向かう。しかし門を出ようとするとその前に使用人らしきものが僕のことを引き留める。そしてこういった。

 「主人が佐藤さまを奥に招き入れるようにと指示を受けました。よろしいですか。」

 「分かりました。」

 しかたない。質問系ではあったが拒否権はないというような口調であった。こんな口調ではなかったら昨日の疲れを取るために今日一日は研究という名目であの主人とは会わない予定だった。しかし泊まらさせてもらっている身としては主人の気を損ねるのは得策ではないし、もしかしたら元皇帝に会うための手掛かりになるかもしれない。そう考えるとあきらめて主人に会うことにした。使用人についていくと昨日一日中、こもっていたあの部屋にまた通される。そこには主人である吉田とそのほかに三人の男がいる。この屋敷にしては珍しく武術をやっているものはいない。今度は何を聞かれるのかと少し緊張しながら僕は自分に示された席に座る。すると吉田が話し始める。

 「佐藤殿この者たちのことは気にしなくていい。やることは昨日と同じだ。しかし昨日と違っていくつかの質問に答えてくれるだけでいい。」

 「分かりました。」

 「この国の以前の体制についてどう思う。」

 「戦乱以前の国の体制は各地に領主が乱立し王家は飾り物となっていました。そのせいで政権の中心となるものがなく国としての体制として不十分でした。」

 吉田は問う。

 「それを解決するにはどうすればいいと思う。」

 僕はこう返す。

 「王家に実際は使用が不可能でもいいので政治の中心として権力を与えておくべきでした。」

 吉田が聞く。

 「この国をもう一度治めなおすためには何がいい。」

 僕はこう返す。

 「この国に必要なのは他を圧倒する武力です。武力にてこの国にあまたある武力の持ち主を潰し、その力にて経済といったものも支配下におさめる必要があります。そしてその力をほかに一切分散させず一つのところにためておくことが重要になってくると思います。」

 「最後に問おう。お前の一番大事な信条は何だ。」

 僕はこの時、ほんのわずかな思考の一部を除き、昨日の疲れのせいでここまでの言葉を自分の任務のことを考えずに話していた。そしてそのことに気づかずにいた。そしてこの問いの答えも深く考えずに答えたのだろう。その一言が周りに大きな影響を与えさらに自分にも大きなを与えるとは知らずに。

 「どこにも使えていない身ではありますが、一度使えた主人に最後まで使えとおせ、忠臣となれです。」




 俺はしばらく考えもともと師匠についていた兵士を呼び出す。そしてこういう。

 「師匠に、いや師匠といってもお前らには通じないか。」

 兵士が言う。

 「大丈夫です。わかります。」

 「そうか。では師匠に声が似ているやつを城の中、城下町どこでもいいから探してきてくれないか。10日以内だ。その中であったもので一番似たものでかまわない。連れてきてくれ。できるだけ城の中のものに知らせないでほしい。」

 「はい。わかりました。」

 兵士はうなずいたものの少し不思議そうな顔をして去っていった。

 俺は兵が去ったのを見ると最初の大戦からの古参の兵を呼び一言いう。

 「大麻草を持ってきてくれないか。」

 「はい。少しおこがましいようですが意見させてもらいますがあまり幻想の世界に逃げるのはよくないですよ。」

 「分かってる。俺は使わない安心しろ。」

 「そうですか。では。」

 兵士はそういうと部屋の外に出て行った。古参のあの兵士は一緒に死にかけているだけあり俺に対して遠慮がない。しかし俺も大麻草に逃げると思われるとはまずいな。仕方ない。事務作業でもするか。そう決めると俺は事務作業をしている石井のもとに向かった。

新年あけましておめでとうございます。今年も俺の戦記をよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ