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俺の戦記  作者: かな河
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51話 暗殺者(3)

 私は育成する間もなく暗殺に向けて動き出す。だからこそ今回はしっかりとした下調べをおこなおうと思う。今まで自分の力と運を信じて動きすぎていた気がする。今度ばかりはいつもと違い、今まで想定もしていなかったようなことをやるわけであり慢心するわけにはいかない。そういうことで一週間ばかり徹底的に見張った。本来ならもっと長時間見張りたいのだがそんなことをしていては我々の食糧がそこを尽きてしまうのである。そうするうちにわかったことがある。ほとんど領主が野外でつくる隙がないということである。本来であれば屋外で襲い、逃走までの経路を簡単に確保できるようにしておきたかったのである。しかし見張りとは別に屋内で襲う可能性を考慮して建物を探らせてみた。すると領主が普段、利用している建物自体の警備に隙が多くあるというものだ。しかし疑問であるのはそういった警備の穴のほとんどがここ最近になって作られたものが多く、戦乱になり逆に隙を作ったということになる。このことが誘われている感じてしまうのだ。しかしそんなことを言っている間に時はどんどん過ぎてしまう。もう一週間ほど見張りを続けそれでも領主を屋外で襲える可能性がないと判断したら屋内での暗殺を強行しようと判断した。そして一週間がたったが結局、発見できずあきらめて屋内での襲撃をおこなうことにした。屋内での襲撃には小回りの利く刀を利用する。決行の日に向けて準備を着々と進める。




 俺は遠藤がいなくなり気がついたことがある。それは

 「遠藤がやってる仕事の量、多すぎるだろ。これが一日で増える仕事の量なのか。とても一人ではさばききれん。俺には無理だーーーー」

 遠藤の部下の文官が驚いてこちらを見る。ちなみにその文官の仕事量はさらに多い。しかし彼は文句一つ言わずに仕事を進めていく。遠藤によると彼にできる仕事はもともと遠藤が担当していたものでも俺が壊れないように彼の仕事に移したらしい。しかしそれでも領地内で起きる問題の最終判断から武器製造会社との会議、農民の代表との会議、などなど仕事が多すぎる。それでも何日かは頑張り続けた。しかしそれでも仕事はたまる一方だ。どこかでいい人材を見つけ出さないとこれはまずいかもしれない。それから数日たったある日、松本家から連絡がきた。時間ができ次第、会談を設けてほしいというものだ。遠藤が帰ってくるまで時間なんてできるか、といってやりたい気持ちを抑えて、無理やり時間を作る。方法は簡単だ。兵の調練をおこなっている石井を呼び出す。そして石井にこういう。

 「一時的に石井に内政に関する全権を預ける。俺に最終判断を仰がなければならないと思うもの以外はすべてお前が判断を下していい。」

 遠藤には最終手段としてとっておくように言われたものだ。遠藤の考えというべきか俺たちの考えというべきか基本的に権力は集中させておくべきでみだりに人に与えるべきものではないということになっている。もしうかつに人に渡せば濫用し政治を腐らせてしまうからだ。ちなみに遠藤家と大野家は長い平和の時代のどここかで何度か、戦略結婚的なことをおこないほとんど身内同然化している。だから信用できるが少し前までただの農民であった石井とはそこまで深いつながりがなく信用度に問題がある。そこで遠藤はこの策を最終手段としたのだ。しかし松本家と会談をおこなえなければ外交問題に発展しかねない。本当に外交問題に発展すれば最悪、七ヶ国同盟の解散につながりかねない。だからこの奥の手を使おう。遠藤がいなくなってからまだ二週間もたっていないけど。

 それから何日かして俺は松本家との会談のため松本家の居城に来た。出迎えに来た松本と城の奥の会談用の部屋に入った。すると松本が話し始める。

 「この間の補給線荒らしの件ですがありがとうございます。早いうちに討伐していただいたおかげで被害を大きくすることなく済みました。」

 「とんでもない。あとで土地の分割の時に助力していただければ問題ないですよ。」

 そういえばこの間、殺した師匠が補給線荒らしをやっていたらしいな。

 「ところでそのことのために忙しい中呼びつけたのですか」

 俺がこう聞くと松本はこう返した。

 「違いますよ。この間の戦の時に戦後処理の際に傭兵の部隊をすべて吸収したじゃないですか。あれの生き残りを見つけたのでお渡ししようと思っているのですが、一つ問題がありまして。」

 俺が口をはさむ。

 「残りの部隊なんて聞いていませんよ。それに問題とは何ですか。」

 松本が返す。

 「部隊なんてもんではないです。10人ちょいの集団を山の中で農民が見つけて生け捕りにして送ってきたんです。残用狩りはいい金になりますからね。問題については大したことはないんですが直接会っていただければわかります。」

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