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俺の戦記  作者: かな河
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48話 国内にて

 俺が久しぶりに領国に帰るとまず行ったことは兵士に給料を払うことだった。ここしばらくの間、給料を支払うのを忘れていたのだ。なにせ兵の死亡率が高く、そのため死亡者に届けなければいけない見舞金の量がとんでもない。さらに兵としての活動に耐えられないようなものにも見舞金を出さねばならない、武器の購入の費用の振り込みなどの理由で現場で実際に金を動かしている者たちの仕事が平時と比べ物にならないくらいに増えついに兵士の給料に遅滞が出始めてしまったらしい。だから領国に戻ってくるなり俺が直接、兵士に給料を支払うことになったのだ。遠藤のほうがこういた作業は得意ではあるのだが新しくうちの軍に参加することになった元傭兵の給料をいくらにするかといった問題や新しい煙幕の製造など仕事があるといってやらなかったため暇な俺に仕事が回ってきたのである。金を渡すだけでは少し物足りない気がしたのでついでに兵士たちに陣中での悩みなどを聞きながら行うことにした。予想のついていたことではあるのだが飯がまずいというのがどの兵からも聞かれた悩みであった。確かにまずいのである。俺も同じものを食っているのだがどんなに腹が減っていたとしても飯の時間が憂鬱なものであった。どうまずいかと聞かれると困る。最初の二、三日は何事もなく食べることができるのである。しかしそこから日数がたつにつれ徐々に食べれなくなってくるのだ。原因はわかっている。そもそもがうまくないというのもあるが長い平和の世の間で三日以上城に戻らずに行うような厳しい調練をおこなわなくなったことで調理師や携帯食をおいしく調理ができる兵がいなくなったのだ。このことで毎日調理せず同じものをひたすら食べているせいで飽きてきてとても食べたいとは思えないような心理状況に陥ってしまうのだ。しかし新たに調理師を雇うとしても難しい。戦場では自分の身を自分で守らないといけないのである程度の武力を持ち、さらに兵にの動きについてくることができる、そしてほとんど道具や材料のない中で料理ができるというのが最低条件である。しかし俺はいくら頭を捻っても思いつきそうに最適な人材を思いつきそうにないので後で遠藤に相談するとしよう。さて今日の夕食は何だろうか。久しぶりに携帯食ではなくまともなものを食べることができそうだ。蔵にある上等な酒を持ち出そう。つまみは何にしようか。遠藤を今夜は呼んで一緒に飲んで食ってしよう。先生の思い出と一緒に。




 私は計画を進めるために現在同盟を結ぶために動き始めた。同盟の相手はこの街の外側の荒れ地になっている場所の名義上の所有者となっているこのあたりの領主である。その領主と同盟を結び町の外側を自由に行動できるようにしようというわけだ。この計画のためにいろいろと相手のことを調べてみたところ、同盟の可能性は限りなく薄いことが分かった。現在の領主の性格の問題である。もともとこの一族は大清帝国時代に代々司法の最高責任書を務めさせられていたらしい。そして大清帝国の潰れたいんでもそのことを誇りにもちつづけているのか今も大清帝国の法を持ち出しすべてを決めているらしい。つまり私のようなこの混乱に乗じで成り上がってきて今までの法を無視し続けているようなものとは何があっても手を結ばないだろう。そんな風に頭が固いところがあるためか勢力をどんどん落としている。だからばれないようにしながら勝手に土地を通過する伊ということも考えた。しかしそこに補給線を通過させることも考えると念を入れるため同盟を結びたいのである。方法はある次期当主だ。現在の当主は頭が固すぎるものであるが次期当主はそうではない。凡庸ではあるものの今の当主ほどは頭が固いわけではないらしい。だからこそこちらのほうは同盟の可能性が見えるわけだ。

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