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俺の戦記  作者: かな河
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47話 野戦の終わり

 俺はようやく勝負がついた戦場の後かたずけを始めた。といってもとった首を見せつけて降伏を促すだけのものではあるが。しかし城の近くで戦った相手の処理であるからもう一戦、戦うようなものだ。その後、話を聞くと初めのほうに戦った城の近くにいる兵たちは半分ほどは傭兵などで残りの半分は統制派の国が派遣してきた軍だと分かった。敵の総数はなんと二千。こちらは200にも満たない数なのだからよくぞ生きてここまで逃げてくることができたものだ。本当ならここですべて捕虜にしてしまいたいところではあるのだがさすがにこの数を相手にそれをおこなうことはできない。ここは指揮官が死んだことを伝えた後に敵に軽く当たり散らそう。もちろん降伏してくる兵がいるのなら受け入れるがしかしすべての兵が降伏してくるとは考えずらい。特に傭兵たちは逃げて新たな金をくれる主人を見つけるのが得だと考えて降伏せずに逃げ出すだろう。そうすれば統制派の軍1000人と戦えばいいだけだ。半分に減る。さらに全滅させるのではなくどこかに逃がせばいいだけだからなおさら楽な話だ。とまあ自分に言い聞かせてみるも無理があるのはわかっている。しかし逃げては武人として名折れである。とりあえず敵の様子を見に行くと煙幕が薄くなってきているのがわかった。しかしひどい混乱ぶりであることからここはひとつ、三十人ほどの残っている兵で突撃を仕掛けてみることにした。2000人の中を駆け抜ける。その際に敵将の首討ち取ったりと大声で叫ばせる。そして絶対に足を止めないようにしながら敵を切り崩しながらなしり続ける。敵は今までよりもひどい混乱ぶりを見せた。一度全体を駆け回りそれから混乱がひどい場所をもう一度駆ける。どこか一つでも潰走し始めればそれにつられて走り始める。だからこそより混乱を一か所でもいいので大きくする。しばらくすると俺は生きているものを率いて戦場から離脱する。あまり長くとどまると囲まれてしまい死ぬ可能性も出てくる。少し離れたところに行くと攻城戦ように遠藤に頼みとりよせておいた弓を動ける兵に構えさせる。それから大声で戦場に向かい敵将を討ったことと降伏勧告をいう。しかしあくまでも戦場の混乱が大きいせいか聞こえている様子はない。刀がぶつかりあう音が聞こえるから同士討ちでも行っているのだろうか。まだ闇夜である。あと一時間は日は出てこないだろう。構えさせている弓を放つ。相手はよく見えないが固まっているのでだいたいの向きと勢いさえ足りればあたるだろう。矢が足りなくなると急いで兵にもともと駐屯していた場所から運んでくるように言う。そしてまた打つ。すると火を持った集団が何組か逃げ出してくるのを見つける。運よく自分たちの仲間がそろった傭兵たちが逃げ出し始めたのだろう。打ち込む矢がなくなると俺は兵に立ったままの休息を許可した。座ると多分寝てしまう。しかしあと二十分ほどで夜は明ける。敵方の煙幕はそろそろ切れてしまっているので突撃をするのは少し危険だろう。俺はまだ元気そうな兵を見つけ領土にいる遠藤に松本家に後処理部隊を派遣するように頼むようにという内容の伝言を伝えるように頼む。本当なら松本家に直接頼みたいのだが残念ながら松本家の領土まではとても走れそうにないのでそこからは遠藤に進めてもらうことにした。それからしばらくして日が昇り始めた。しばらくすると同士討ちは終わり混乱が少しずつ収まり始めてきた。それを見て俺は敵将を討ちとったことと降伏勧告を伝える。しばらくすると降伏の意を示す者たちが現れ始めた。しかし同じくらいの数のものが逃げだした。戦は終わり俺は自分の兵の数と捕虜の兵の数を数えた。捕虜の数は700人以上であり、俺の兵の数は28人までに減っていた。今回は一度も兵の補充を受けていないので死んだ者の数は20人ほどであろう。しかし兵の補充はしなくても20人ほどならめどはつく。なぜなら先生が残していった傭兵がそのまま俺の直属の兵になったからだ。そして戦が終わってから3日ほどたち松本家の後処理部隊がきて俺たちは仕事が終わった。

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