4話 同盟
俺は帰ってきてから何日かが過ぎた。その間に俺がやったっことは溜まっていた事務作業を進めただけだ。
「遠藤こんなことしていて大丈夫か?」
「大野、一ヶ月以上仕事が止まっているんだ。これ以上止めると領地が回らなくなって攻められなくても滅びることになるぞ」
たしかにそのとおりである。しかしわかっていても不安になる。軍がないと後も不安になるものか。
「大野は事務作業が嫌いだからそんなこと言ってるだけだろ」
「なぜ心の声がわかった。というか俺の本当の考えを当てるな。」
「本当は大野だって近くの貴族を倒しながら近づいてこないといけない統制派の軍はここまで来るのに最低でもあと2ヶ月は必要だってわかっているだろ。ささっと手を動かせ。これ以上怠けようとしたら殺すぞ。」
遠藤くん君一応俺の部下だったよね。主従関係逆転したか?最後の方の言葉はとりあえず聞かなかったことにしよう。だから少しくらいさぼっても・・・
「ほんとに主従関係逆転させるぞ」
遠藤恐ろしや。いくら幼馴染といえどここまで心の中を見透かせるものか。それは、そうと遠藤の言葉の2ヶ月は、統制派の連中はやって来れないということについて説明しよう。この近くに大規模な領土を持っているものがほとんどいない。だから領土の防衛を俺と同じ貴族に委託している。よってここら一帯皇道派の貴族が支配している。もちろん各々は大した兵力もないので外部に委託しているわけだから大した時間稼ぎにはならないと考える人もいるだろう。しかしそれは違う。なぜなら領土の防衛といっても委託している仕事の大部分は山賊退治である。他の貴族からの領土防衛は任せていない。理由としては、平和だったのでいらなかったというものと城と城にこもれるくらいの兵力は有しているからだ。もちろんどこの貴族もこの間の戦いでだいぶ兵力を失っただろうけどそれでも領土内の男手をかき集めればそれなりに時間を稼げる。そしてそれが大量にあるのでうちのところまで攻めてくるのにこれからまだ2ヶ月かかるという読みだ。まてよそれならちいさ
「大野なにか事務作業以外のこと考えているだろ。他のことは何も考えずに作業に集中しろ!」
「わかった。余計なことは考えずにやるよ」
終わった。3日かけてようやく終わった。遠藤ほんとに何も考えさせてくれなかった。それはそうと3日前に思いついたアイデイアの話をすると小さい領土の持ち主同士で同盟を結び籠城した後に援軍としてきてもらえばいいのだ。よし遠藤に話そう。
「遠藤このあたりの小さい領土の持ち主の同盟ってどう思う?」
「アリだとは思うけど間に合わない可能性が高いぞ」
「俺の籠城術と遠藤の交渉術を持ってしてでも城の陥落までに間に合わないと思うか?」
「たしかにそれならギリギリ間に合うかもしれない」
「決定だ。遠藤は今すぐ交渉に迎え。俺は城の改築を進める」
「少し待ってくれ。大野に紹介したい人がいる」
「めずらしな。遠藤が俺に人を紹介するなんて」
「石井 亘という人だ。今から会いに行こう」
「わかった。」
こうして俺は遠藤と石井亘に会いにいくことになった。
大野や大野が言う小さい領土とはだいたい江戸時代の小名くらいの領土をイメージしてかいています。