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俺の戦記  作者: かな河
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39話 城攻め 野戦

 俺は遠藤に言われた城の近くの地点まで行き降伏についての話し合いを行う。驚いたことに遠藤がほとんど話をまとめていて俺がやるべきことといえば最終的な判断を城主が下せずにいるのを脅したり、安心させたりするだけでことがほとんど済みそうだ。さらに言うとほとんど助けが来る見込みのない籠城戦ほど精神的に来るものはない。だからこそ簡単に敵はこちらに降伏してくるのだろう。さらに遠藤のうまいところは2つの城をほとんど降参というところまで追いつめておきながら敵はもしかすると自分たちが自分の領国まで帰れるかもしれないということを全く知らない。もちろん現状各地で戦闘が起きているらしいことを松本はつぶやいていたのであまり捕虜の後先について考える必要はあまりないのかもしれないがそれでも俺ならこうはいかなかっただろう。そして俺が領国から出てから5日もすると実際に城主二人は降伏してきた。俺はいったん国日城まで捕虜はすべて集め松本を呼んだ。松本は二日ほどしてからきて捕虜をすべてまとめそれから俺のほうに歩いてきて話しかけてきた。

 「4つの城の攻略おめでとうございます。今回もかなりの数の捕虜ですな。」

 俺は返した。

 「いやなに遠藤がうまいこと講和条約をまとめてくれたおかげですよ。おかげで今回は戦闘なしで済みましたよ。今回は相当な数がこちらの軍に着くのではないでしょうか。」

 「なんと。講和だけで城を二つ落としたのですか。本当に優秀な部下をお持ちですね。」

 「それよりもほかの領主はどのような感じなのですか。」

 「最初の勢いこそよかったものの今は停滞気味です。だいたい二つくらいの城を落としていればいい法というところです。ということで少し話は変わるのですが余裕のある大野殿に頼みがあります。今あちこちの落とした城で取り返される事態が多発しているのです」

 「そんなことが起きているのですか。」

 「とった城の管理は我が家の仕事ですので本当に面目ない。ただし城は維持しないで中の兵糧と兵だけ殺して逃げてしまうのです。ですが我が家もあちこちの城の管理に追われてしまっていてその部隊を追いかけることができない。その部隊を何とか始末してもらえないでしょうか。」

 なるほどこれが今回言いたくて来たのか。俺は少し考えてから返事をした。

 「このことは戦果には入りませんよね。ですから少し取引をさせてもらいたい。」

 「条件にもよりますができる限りのことはします。」

 「二つあります。一つ目は小林家の情報網を今回この件で利用させてもらうこと。2つ目はこの戦いがすべて終わった後に行われる領土の割譲の会議である二つの城を要求しないでもらいたいのです。」

 そういうと俺は統制派の軍によって領土を失い、俺の臣下になった元領主との約束で自分の手元にどうしてもその二つの城が必要であるといった。ちなみに領土の割譲とはこの戦で前線での働きをしない領主はのちの会議でいくつかの城をほかの領主から割譲されることになっている。松本はこの二つについて了承したので俺もこの件について引き受けることにした。しかし松本には悪いが情報が小林家からくるまでは兵の数もだいぶ減っている今は動くことはできない。ずっとほったらかしておくわけではないし少しの間は我慢してもらおう。

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