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俺の戦記  作者: かな河
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36話 占領(7)

 私は兵とともに捕虜にした敵兵を拷問し情報を聞き出した。敵兵によると今回の戦は5人の支配者が合同で戦いに来たものらしい。それ以上のことはいくら殴って蹴ってを繰り返しても知らないというだけでついに死んでしまったので実際に何も知らなかったのだろう。仕方がないので砦の中に残してある黒田を呼び出し聞いたところ、この町は大きく分けて三つの陣営に分かれていたらしい。一つ目はここの砦にもともといた連中で2つ目は町の中心部にある大清帝国時代の王宮にねぐらを構えている連中、最後に今私たちのいる砦は南側にあるものだがその反対側つまり北側にある砦を拠点にしている集団が中心となって陣営を組んでいたらしい。しかしそのことはあまり知られていないらしく、一般兵である拷問した兵が何も知らないのは当たり前で指揮官級の黒田でさえ陣営の詳しいことはわからないらしい。しかしとりあえず考えられるのは私が何も知らず陣営の中心的なグループを壊滅させそこに居座っているものだから、力関係が崩れその空白につけ込みどちらこの陣営が私の支配地に攻め込んできたのだろう。それはそうと私がいない間のこの城の留守番を務めさせていた男は中野 涼介(なかの 涼介)といいこいつを副官にすることにした。中野には兵50人を預け、現在飛び地となっている黒田の指示でとった支配地の防衛と支配を任せた。次の日の夕方まで待ち、中野は飛び地のほうに向かい、それから向こうで待機している兵のうち50人を私のほうに返すように指示させた。そして次の日の朝になるころに私の手元には何事もなく兵30人が来た。兵たちに話を聞いたところ私のいない間特に飛び地のほうでは何も起こらなかったらしい。



 俺たちが三日くらい休んだ後くらいに松本家は戦後処理に来た。驚いたことに松本響自身が軍の指揮をしているのを見つけたので声をかけた。

 「松本、遅かったじゃないか。三日もこの人数の兵で捕虜の見張りと城の防衛をやるのは相当きつかったぞ。」

 松本が返す。

 「悪かったな。各国がすぐに落ちそうな小城から落とし始めるものだから戦後処理班の仕事が多くてな。こっちも人手不足なんだよ。」

 「それなら仕方ないのか。確かにあなた自身が兵の指揮をしているところを見ると相当忙しのかな。」

 「そりゃそうだ。戦後処理のほうがやることは多いからな。前線で戦っている人間にはわからないだろうが。」

 「まあ、確かにそうだな。さっきの発言は謝る。」

 「わかった。それはおいておくとしてそっちの国の遠藤殿から城を一つ落としたと聞いた。さらに戦後処理はいらないとの報告も受けたのだがこれはなぜかはわかるか」

 まじか。すでに遠藤は城を一つとっていたのか。兵を一人も与えていないはずなのに。しかしここで遠藤から報告を受けていないことが松本にばれると信用を失いかねないので知っているふりをして話を進めよう。

 「遠藤は軍人としてよりも文官としての能力のほうが優れているので国内の兵や警察などの諸々をうまく利用して何とかしたのでしょう。なんの問題もありませんよ。」

 松本が返す。

 「なら何も問題はないか。いきなり口調が変わったのは少し怪しい気もするが。まあ主人なしで七ヶ国同盟を作り上げた遠藤殿ならそのくらいなんとかできるのかな」

 なんも知らん事ばれたかな、これ。しかし遠藤の評価結構高いな。絶対これ俺よりも高い気がする。実際俺よりも能力が高いのだから仕方がないが。松本が話をつづけた。

 「とりあえずこの後のことは我が家がどうにかする。かえってもらっても構わないよ。」

 「そうか。一つ質問いいか。ここにいる捕虜たちはこの後どうする予定なのか。」

 「こちらの軍に加わりたいものは混ぜるが後のものはしばらく放っておいてこのことがすべて終わってから決める。」

 「わかった。うちの軍は、いや、全体にいえることかもしれないが兵力不足が深刻だから加わりたいものが出てきたらすぐにうちの軍に送ってくれ。」

 「わかったよ。」

 こうして松本との会話が終わると俺は生き残っている兵とともに自分の領地にと引き返した。

しばらくぶりに大野を出すことができました。今さら気が付いたのですが松本と岩田の下の名前かぶっていましたね。下の名前はほとんど使わないし気にしないでいいですかね。

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