35話 占領(6)
私は少し兵に休みを与えるのと同時に兵の総数を数え始めた。18人に減っていた。何人かの兵が自分たちのせいで死んだと泣いてるのを見るとどうやら救出する際に払った犠牲なのだろう。しかしあれだけ長時間戦っていて二人しか死んでいないと考えると被害の数はかなり抑えれたのだろう。敵の被害はわからなかったがこちらの攻撃でかなりの数を失っているはずだ。敵の軍は全体の総数としては70人にはいかないくらいの軍であった。少し多めに数えての70人だから偵察はかなり正確に行われていたのだろう。この後は急いで砦のほうに敵とは別の道を使って帰る。ほんとなら敵とつかず離れずの位置を動きながら飛び具でも使いながら戦力を削りながら帰りたいところではあるのだが市街地の中であるから飛び具は使うのを控えなければならない。敵も飛び具の使用はないことからここでの暗黙の了解のようなものでもあるのだろう。たとえ違ったとしてもそのことを確かめてみようという気も起きないのでここで少しの休憩を取り、急いで砦のほうに戻らないといけない。急いで戻らないと大した戦力もない砦は落ちてしまう。もちろん簡単に落ちないように砦の中にはいろいろと仕掛けを作っていたり飛び具の用意をしているのだができれば飛び具を使いたくない。とにかく急いで戻らないといけない。帰りの道は町の外を回って急いで走る。これが予定なのだが相手よりも距離が多いので相当急がないといけない。この作戦を始める前に黒田と万が一のことを想定してどうやって町の中から自分の砦に戻るかを考えていた。結局のところ町の外に出てそこから急いで砦に戻るのが一番安全であるというのが結論だった。しかし距離は長いので少し休憩をはさんでおかないと帰ることできないというのが私の予想である。それから少し経つと急いで私は軍話率いて町の外のほうに走り出した。練兵の際にかなりの体力をつけさせているが今回はさすがに兵を酷使しすぎている。兵がつぶれないような速度を気にかけながらしかし敵よりも早く戻らなければいけないのはかなりきつい。それでも何とか砦まで引き返すと急いで砦の中に入り中に残っていた兵から情報を聞き出す。どうやら話によるとすでに戦闘は開始されているらしい。動けるものはとりあえず前に出て飛び具を使っているらしい。これではいきなり敷いた法体制のこともかんがみて民衆の心はかなり私たちから離れていったと思われる。しかしこのことは今はおいておいて後々ゆっくり考えるとしよう。今は目の前の敵を倒さなければそもそも我々の足場がなくなる。できれば有能な文官の部下を手に入れたいのだがこのことはさすがに自分の軍の中にいる人間で済ませられるわけもないので松島家についてから考えるとしよう。とりあえずは目のまえの敵をかたずけることから始めなければならない。私は少し考えた後、飛び具の使用をやめさせ敵を砦の真下まで来させる。砦の下に真下に向かって飛び具を使用するように指示を出す。これならば一般人への被害が少なくなり今までの使い方よりも反感を買わずに済むようになるだろう。しかしこれでは簡単に砦の中に敵が入れるようになってしまう。だから次にさっき一緒に砦に戻ってきた部隊を半分に分け片側は門が破られた時に備え残しておきもう半分は塀をよじ登りやってくる敵を殺す役割を担わせた。そのれから10分くらいするとついに門が破られ砦内での戦闘が始まった。しかし門を破るまでにかなりの兵力を失っていたこともあってか、それから10分も経たずに敵は去っていった。追い打ちをかければかなりの被害を敵に負わせることができただろうに我々の兵も限界がきておりとても追うわけにはいかなかった。しかし何人かの敵兵を捕虜にすることができた。




