34話 占領(5)
反転したらすぐさま私は攻撃態勢に入った。今度の突撃はこの部隊を二つに分け、一つは敵の中に取り残してしまった味方の救出、もう一つは敵の中に入らず敵との衝突地点に前線を作り敵の数を削る。味方の救出が終わったもう片方の兵たちの蹴りの場所となる。もちろんその間に敵の兵力を削らせる。このことは反転した後陣形を整えている際に兵に伝えた。私の合図で駆け出すと敵と思っていたよりも早くぶつかる。どうやら私が反転して戻ってくることを予想して立ち直りのは早い部隊が私たちのことを迎え撃ちに来たのだろう。このことからかなり多くの部隊が集合していることがうかがえる。しかし問題は一切ない。敵は今まで戦場に立つことも考えたこともなかったような町人の寄せ集めに過ぎない。こちらは常に戦場を想定してきた本物の軍隊だ。同数であれば負けるわけはない。さらに言えばさらに言えば指揮官の判断ミスであろう。敵は敵の本軍と離れてしまっている。これでは数の利を使うことができない。予想通りあっという間に勝負はつき敵の本軍に向かい敵を追撃しつつ突撃した。私は二つに分けたうちの救出のほうではなく留守番のほうにまわった。どこで軍を止めて前線を作るかは難しくこれを兵に任せる気は起きないからだ。まずは私の指示のも向かって突撃する。敵を少しくらいは混乱させなければおかなければ救出の任務が不可能になる。そのためにとにかく突撃したのだ。次に10人ほどしかいないが少し後ろに下がり隊を左右に薄く広げる。そもそも道幅が狭いので何とか広げきれる。道の端よりも真ん中のほうが敵から受ける圧力は強いので少しずつ真ん中が反りだす形に組ませる。それでも全体的に後ろに下がることになるだろうが端に比べて後ろに下がる割合は多くなると予想されるのでこの形で組むことにする。この状態で耐えられる時間は10分が限界と考えている。それ以上の時間この形をとるのは救出される数よりも失う数のほうが大きくなってしまう。10分が経つまでひたすら目の前の敵を切らせる。10分たたないうちにもう一つの部隊は5人ほどの兵を救い出し後ろに戻ってきた。戻ってきたのを確認したら先ほどまで敵の中に孤立していたものを中心にして密集させる。さっきまでは囲まれて身動きが取れなくなる可能性があるため薄く線を作っていたが今度は自由に動くことができるのでまとまって行動することができる。まとまって行動するほうが損害をすくなくすることができる。次にとることは今すぐに少しずつ後ろに下がりながら撤退していくことだ。今度こそだれ一人取り残さず戦場を離脱する。私は注意深く全体を見渡しつつ少しでも兵がばらついたら止める。そして陣形を整えさせる。それから少しずつまた下がるを繰り返した。敵は追いかける側になり勢いずいてきているので総崩れになってしまうと取り返しのつかないことになってしまう。しかし敵の進行方向とは逆向きに撤退しているのであまり深追いせずに進路を変えるはずである。ゆっくりでも少しずつ下がる。たまに少し攻撃に出るふりをして敵をひるませる。そしてまた少し後ろに下がる。ひたすらこの行動を繰り返していると徐々にこちらに来る敵の勢いが落ちてくる。疲れと上官の制止のためだろうか。そんなことはきずかないふりをしながらひたすら少し下がって陣を整えてを繰り返す。10分くらいたっただろうか。戦場での体感時間なのであてにはならない。しかしそれくらいたったと思われる頃になると明らかに俺らを執拗に攻撃してくる敵と敵の本隊の間にかなりの距離ができ始めた。それを見て私は自分の兵に突撃させる。敵は突撃の振りをしてもひるませるためのもので実際には攻撃してこないだろうと少し前から気にずいていたのだ。そこに実際に攻撃をかける。敵は油断していたところに攻撃をかけられる状態になりあっという間に蹴散らかされた。少し離れたところにいる敵があわてて助けに来ようとしたが私は軍を反転させ逃げ出す。すると敵はそれ以上追ってこず逃げ切ることができた。
遅くなってすいません。今週はもう一回投稿します。それから話数がずれていたので今回から直しておきました。




