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俺の戦記  作者: かな河
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33話 占領(3)

 私の今回の作戦目的の黒田の出身地は首都の町の西側にあるところだ。少し離れた場所にあるので飛び地になってしまうのだがそこはうまいこと支配しつつのちにつなげるとしよう。あまり深く考える過ぎる必要はない。なにせ人口は多いが面積自体は少ないのだから無理ではないだろう。どうやってその土地に行くかという問題は夜中に敵領をばれないように通過するしかない。ばれた場合はその場で殺して進む。本当なら通過する領主との交渉を済ませておきたいのだが多少の荒事が起きても切り抜けるだけの戦力はあるだろうしすべてのことを1年以内に済ませることを考えれば構わないだろう。今のところは特に問題も起きていない。次に黒田の出身地についてだがこれは思っていたよりも簡単に占領することができそうだ。というのも特にこれといった特徴もない戦略的価値のない土地であるからだ。ただし俺が今治めている場所とは違い中流階級の人が集まっているらしい。そのためか犯罪者の組織とも傭兵とも縁がなかったため無政府状態にうまく適応できずあっという間にほかの場所の支配下に置かれることになってしまったらしい。そんな中、少しでも自分たちの権利を上げるために地区の人間が話し合い、若い黒田などを兵として差し出したらしい。黒田達も町の治安が悪化してきたことが理由で仕事を解雇されたばかりだったので特に抵抗することもなく兵になったらしい。

 もう少しで目的地に着く。

 「岩田様、報告します。兵の数はだいたい20人ほどが5か所ほどに散らばって治安維持に努めています。」

 「そうか、わかった。」

 黒田の報告とここまではだいたい同じだな。しかしもう少しでわかることだがたぶん黒田が我々がついたことでここの占領を我々が行うことを見越してどこかに敵が潜んでいるだろう。そのことについてはもう少しすればわかる。この地区の隣の部分までに偵察の兵を出している。

 「岩田様、隣の地区の兵は20人ほどでした。」

 「そうか、わかった。」

 どこに潜んでいるのか発見できなかったか。手短に済ませたかったがそういうわけにはいかなさそうだ。いないという可能性もあるがもし黒田の言うように本当に慣習として我々が本当に占領を行わないといけない場合や黒田の裏切りが嘘で罠である場合は敵兵は必ずいると思ったのだが。もちろん敵が現在我々の支配下にある土地のほうに先に主力軍がいない間に攻勢をかけているとしたら話は別だ。もちろんその可能性もあるのだがそれなら何も問題はない。一晩くらいはもつ。伝令の兵に向かって指示を伝える。

 「第二作戦で行く。第一部隊を送れ。第二部隊に準備をさせろ。」

 やはりすべてが思っていたようにはいかないようだ。40人の第一部隊が現在所在がわかっている敵を倒しに行く。第二部隊は第一部隊で敵を誘い出したところを後ろからたたく。しかし一向に敵は現れずついに第一部隊の作戦が完了したという伝令の兵の報告が来た。どうやら本拠地のほうが攻められているような気がしてくる。

 「第二部隊から兵を20人集めろ。残りの兵は第一部隊の元に行け」

 ここからは作戦とは変わってくるがしかしぼんやりしているわけにもいかない。本拠地のほうが攻められている可能性が高い。とにかく今はまっすぐ戻るべきだ。取られることはないとしても急いで戻らなければ被害が大きくなる。被害を最小限に食い止めるべく私はひたすら兵とかけぬいた。

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