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俺の戦記  作者: かな河
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32話 占領(2)

 私が思っていたよりも複雑にことは入り組んでいるらしい。そう思わされることにすぐになった。なぜなら次の日に私が支配者になったことがあちこちに伝わり、ほかの犯罪者集団などから同盟などなどの誘い,討伐軍が送られてきた。討伐軍はもともとここを治めていた支配者の同盟先がここを強奪する口実として派遣したものだろう。同盟に関してはほとんどが一方的に従属するように命令してくるものだった。しかしその際にあちこちの有力な領主の名前を出してきたのには驚いた。半分ほどははったりだろうが中には本当につながっているものもいるだろう。完全には支配権を手放さず裏から支配を企んでいるといったところだろうか。最初に複雑だといった主な理由だ。下手すればこれは正規の兵もいるかもしれないわけだし、下手しなくても武器の供給がしっかりとしていることは間違いない。しかしここでほかのところに同盟を結ぶわけのはいかない。結べばあっという間に元の一家臣に戻りかねない。それと私の支配地に来た討伐軍は50人ぐらいの比較的小規模な軍であった。少ない支配地から軍を絞り出したことを考えるとかなりの数であるといえるだろう。なにせ元首都のため人口密集地帯であることを鑑みても七か国同盟の一国を2倍と少しといったくらいの土地に何人もの支配者がいると考えればかなりの人数であろう。戦自体については一つのどうでもいいようなことを除いて取り立てて言うこともないくらいにあっけないものだった。そして今日は兵を休めることにした。これまで野宿ばかりで兵の間に疲労がかなりたまっている。今日は久しぶりに建物の中で休むことはできたがそれでも明け方に入りそのあとに一戦したのだから今日と明日は休みにしようと思ったわけだ。さらに支配地に住んでいる住民を落ち着かせたり支配の体制を整えなければならない。明後日に関してはある約束で攻めなければならないところがある。その約束とは戦の時に一つのどうでもよいことといった所にある。そのこととは討伐軍の50人のうち10人が裏切ってこっちに来たのだ。なぜ裏切ったか聞いたところ驚いたことに上官と喧嘩してとてもやっていけないと思いこっちに来たとのこと。部隊を指揮官曰く

 「ここらではよくあることですよ。基本みんなドライな契約関係ですからね。」

とのことだ。しかし契約関係といった通り私にもただでつくのでなく明日にでも自分の出身地周辺の支配をすることと給料を求められた。このことについてはどうも裏切らないための人質として出身地を支配するという意味や逆に裏切ったときに出身地を保護することで新たに配下に加わる人にたいして支配者がそのことを認めるという意味を持つらしい。もちろん裏切ってきた部隊の指揮官がいうことだから騙されている可能性は捨てきれないがそのことについては考えないようにしよう。とにかくどこかをせめる名分を手に入れたわけだ。裏切ってきた部隊の指揮官には今日中に攻めてくれと頼まれたが兵の疲労を考えて何とか明後日まで待ってくれるように頼みこんだのだ。ちなみに部隊の指揮官の名前は黒田 太一というらしい。しかしまあ偽名であろう。よくは聞こえなかったものの副官らしいものと話しているときに別の名前を言われているのが聞こえてしまったのだ。しかし契約関係にあると向こうは言っているのだから働いてくれさえすればいい。たぶんこの地に捨てていくことになるのだろうからな。給料は金ではなく米で求められた。黒田は

 「ここらでは金よりも実際に使うことができる米のほうが喜ばれますから。兵の給料も今は支払いは米ですよ。」

 ここはちゃんとした支配者がいないせいで地方よりもよっぽど荒廃が進んでいるらしい。私としては手持ちの金が少ないので米での支払いはありがたいくらいだ。しかしそこに付け加えて兵糧の配給は別で求められたのには驚いた。この日はそんな話をして終わり休みにつくとした。

 大清帝国の首都であるこの街に来て3日目にあたる次の日は支配地を見て回ることにした。腹心の部下5人と黒田を連れてあちこちをまわった。黒田に案内させたもののここらについては私たちよりも少し詳しいくらいでありあまり役に立ったとは言えない。残念だ。黒田がここらのことについて詳しい人として集めたい人材の一人になるかと期待したもののそうはならなさそうだ。それは置いておくとして支配地をまわった感じかなりの治安の悪化が見て取れる。警備に人をかなり割かなければならなさそうだ。我々の軍の数は昨日数えたところ173人と最初に比べると行軍した際に巻き込まれた戦闘のせいで少し数を減らした。さらにそのうち62人は今すぐに戦闘に出せないような状態だ。このことを考えると100人は遠征軍として怪我人と11人の休息組で警察と支配地の防衛をやってもらおう。だいたい支配地内にいる人口が500人であることを考えると少し多い気もするがあちこちで死体と盗みを働いているものが見えるこの街でなら構わないだろう。法律は盗みと殺人は死刑というものでいいだろう。ほかの犯罪は取り締まっている暇はないしさらにこの土地にいるのはそこまで長くないと思う。裁判はしている暇もない。明日、兵に支配地中に伝えさせて明後日から執行といこう。その間に私は黒田の出身地の占領をすればよい。今後の方針はこれで行こう

来週は休まさせていただきます。申し訳ございません。なので次の投稿は7月5日以降になると思います。

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