3話 遠藤 雅人
2ヶ月ぶりに戻ってきた我が領土は、以前と何も変わりなく、いや以前よりも活気がある気がする。俺は我が領土の政治の中心地兼俺の家に向かい歩いた。つくと門の前で俺の部下である遠藤 雅人が待っていた。
「遠藤お前ずっとここで待っていたのか?」
「いや違うよ。大野が帰って来るとしたらたぶん山道を通りそしてこのくらいの時間に現れるだろうから毎日ここらの時間に二時間ほどいただけだよ。更にいうと帰ってくるタイミングもだいたい当たりをつけていたから3日前から見張り始めたよ」
遠藤はそういった。さすがだ。遠藤は武術と軍事行動に関することを除いては俺をすべて上回っている。軍事に関しても俺とほとんど同様だと思う。俺が留守中の領土の政治は遠藤にすべてまかしてあった。さらに遠藤についていうと俺とは幼馴染で領主で上司にあたる俺とほとんど同等に話すことのできる人間で煙幕の開発者でもある。俺は、中に入り少し休憩を取り遠藤を呼びこういった。
「戦い終了後についてなにか情報は手に入れられたか?」
遠藤がこう返した。
「詳しことは伝わってきていない。しかし皇道派に属していた貴族の領土に近くの統制派の貴族が攻め入って領土を自由に奪っているという話は、聞こえてくる。ここらは皇道派しかいないからしばらくの間はうちは問題ない。」
「兵士の数がこちらは現状満足に動けるのは4人しかいない。徴兵したとして訓練のほうが間に合わない。遠藤なにか考えはあるか?」
「そんなことだろうと思って一応大野が出兵してから農民に訓練は施してあるよ。後はあぶれ者や失業者などを集めて50人ほどの兵を用意した。だけど今までの兵と違ってかなり弱い。」
「さすがだ遠藤。今はそれでいい。ここからさきは、城の改築と修繕だ。」
城とはこの領土内に一つだけある城、立日城のことである。立日城はちいさな山の上ある城でかなり古い。ここに大量の罠を施し城にこもろうという作戦だ。ただ一つ問題がある。籠城とは外から援軍が来る想定で行うものだ。自軍はすべて城に籠もるわけだから援軍は同盟を結ばなければ期待できない。今まで防衛ように結んでいた同盟は、この自体にとても期待できない。なぜならこないだの戦いで自軍に大きな損害を負ったためとても我々を助けてくれるとは思えない。さて一体どうしようか・・・。
第清帝国はオーストラリアのような形の島国で首都は真ん中のあたりのオーストラリアでいうとアリス・スプリングスのあたりをイメージしていただけるとありがたいです。主人公の大野裕太が持っている領土は一つの市と同じくらいです。