29話 次の動き
今回は読みにくくなってしまいました。できるだけ読みにくくならないように気を付けたのですが失敗しました。
ようやく終わった。1時間も戦っていないはずなのにものすごく疲れた。
「大野様、体の調子は大丈夫ですか。先ほどまで意識を失っていたのですからあまり無理はしないようにしてください。」
おい、最後まで戦っていたふりをする予定だったのにばれちゃったじゃん。実のところ俺はかなり早いところで気絶させられ部下に守ってもらいながら何とか生き残った。それはそうと現在ゆっくりと兵のそうすなどを確認したところ生き残りの兵が133人。しかし負傷兵67人というまともに戦える兵は56人かなりの痛手だ。ちなみに捕虜の数は400人圧倒的に俺たちよりも多い。松本家からの援軍が来るまでは何もすることができないな。
「伝令です。岩島城が大野裕也によって落とされました。その際になかにいた統制派の将校もすべて打ち取られたようです。」
「まさかその中に湯上 悠斗殿は含まれていないだろうな。」
「いえ、それが含まれているようです。岩田様、動揺なさるのはわかりますが事実です。さらに言うと佐藤家の兵も全滅したようです。」
そんなことがあるか。あの湯上だぞ。たとえ大野にどんなに軍才があったとしても湯上は殺せないと思った。なにせ軍の指揮だけでなく異常なほどの個人的な武力。この二つを兼ねそろえているのだからどうやって殺したというのだ。しかしこれで厄介な問題が解決した。今までは湯上ににらまれていることによってこの軍を抜け出すことができなかったがこれで抜けることができる。とりあえず今この城にいるのは私の軍一つだ。湯上は私が裏切ることまで見越してその時に被害を最小限にすべく単独で小城を守らせていた。さらに言えば裏切りが発覚したらすぐにでも討てるように湯上のかなり近くに配置されていた。しかしすべての元凶の湯上がいなくなったなら今すぐにでもここから立ち去るべきだ。現在のこの国の勢力図の中で最大なのはもちろん統制派だが二番手にいるのは中央から遠くにありこの内戦にほとんど干渉せずにいる松島家だ。松島家は武官がほとんどいないがしかし優秀な文官により国が崩壊しないようになっているらしい。本当に武官の数が少ないようなら私がそこに付け込み出世しさらに国を乗っ取ることもできよう。かなりの距離を行軍することになるがわが軍ならば強行すれば行けるだろう。半年分の食料さえあればいいな。今すぐに出発しよう。
「指示を出してくれ。今から半年の行軍に出るからその準備を整えるように。」
俺に伝令に来た兵に指示を出す。それから1時間後にはすべての準備を整え終え城を捨て松島領に向かい行軍を始めた。
いい加減国内をしっかりさせないと問題が大きくなりすぎる。ただでさえ大野が戦にかまけて政治に気を払わないから僕の負担がとんでもなくなっているのにこれ以上、大きくなるととてもやりきれなくなる。目下の問題はこの間の戦で焼き払ってしまった城周辺の山で土砂崩れが起きかけていることだ。そのことの対処で領土内にいるときは時間を取られてしまう。しかし大野に城をとるように命令されているのだから動くしかない。領内にいる退役した兵を使い取るように言われた城を調べたところ一城だけは外から見てもわかるほどに裏切りを警戒されている城があった。そこの城主をうまく説得すれば裏切らせることができるかもしれない。もちろん裏切りの時にばれないように気を付けなければならない。いろいろと苦労することになるだろうがやるしかない。そうと決まったらできるだけ早期にこの問題を解決するためにまずは少数の護衛とともに城に向かうことにしよう。




