22話 同盟、懐柔、裏切り工作(3)
遠藤と別れた後、俺は一つ目の城である岩島城に向かった。ここはこれといった産業などはないものの交通の要所にある。まだ大清帝国が生まれる前の時代からの要所でありそのせいか岩島城から半径25里以内にある大きな道はここにすべてつながっているという。だからここら一帯の支配権を確立したいのであれば岩島城を確保しなければならない。そしてだからこそ今まで国の直轄領であった。もちろん大清帝国の王たちにそのような力はなかったから有力貴族たちが持ち回りで治めていたらしい。そして今回、内乱が起きた時に治めていたのが統制派側の貴族であったため現在も統制派が支配している。つまりここを放っておくと我々の生存は脅かされるというわけだ。そのことは敵も重々承知しているわけだからたぶん守りを固めているだろう。しかしこの城は交通の要所にあるという特性上山城ではないためそこまでの防御力はない。それはそうと城の近くまで来た。いったん俺は軍をここで止め5人ぐらいの兵を連れていったん偵察に俺は出かけることにした。できれば城の構造や城下の様子をしっかりと見ておきたい。なにせこちらの兵力はいくらか増強されていき200人になったとはいえまだ少ない。だからこそ偵察や情報収集はしっかりとおこなわなければならない。しかし周りを見た感じ思っていた様子と違い強固な城であるという感じはしない。しかし城の手入れはしっかりと行き届いているし城下町でいろいろと話を聞いたり小林家からの情報をもとに考えると1000人近い敵の守備兵がいると考えて間違いない。そしてこの城の門は西門と東門の2つしかない。戦闘になればどちらかの門の死守が必要になる。強固な城でないとは言えこれはいったいどうやって落とそうか。仕方がないまた無理をするか。
その日のうちに俺の軍は城の中に入った。ここまでは簡単だ。なぜなら一番外側の城壁の内側までなら交通状況を悪くしないため誰でもはいれるようになっている。もちろん身分の検査はあるのだけれどそこに関してはばらばらに入り人数をわからなくさせたうえで金を払いごまかした。ばらばらに入ったせいでかなりの額を支払うことになってしまった。仕方ない。これは必要経費なんだと割り切ることにしよう。実際に必要経費のわけなんだし。それはそうと荷物に関しては検査されたもののひっかかることはなかった。なにせここは交通の要所であるだけあり武器商人も多く出入りする。だから俺が武器をすべて集め何人かの兵とともに武器商人として入国した。ということで輸入品の武器には別途で税金がかかった。今回の作戦やたらと金がかかるな。こんな作戦が続くようならこれ帰ったら増税しないとダメかもな。新しく得た領土からくる増収だけでは今後の活動に差支えが出る気がする。まあそのことはおいおい考えるとして作戦についてなのだけれど夜になると町中に散らばっていた兵士が少しずつ西門の近くに集まってきた。もちろんばれないように近くのあちこちの飲食店に入ったりして偽装する。兵には金をあらかじめ渡しその金で食いながら時間が来るまで粘れと言っている。酒は飲んではいけないことにしたからそこまで多い額は渡さなかったけどここでも200人分の飲食費だ。かなりかかる。ついに諸経費で俺の手持ち金額は0になった。何があってもいいように最初はだいたいこの軍の半年分の食費くらいの金額を持っていたのに。貧乏貴族にはこの出費はかなりきついぞ。また話がそれた。本題に戻すと俺は集まっている兵とは別動隊で5人くらいの兵とともに西門と東門の中間地点あたりで城の内部に向かい火矢を打ち込んだ。さらに俺とはまたもう一つ別動隊を設けておりその部隊は20人ほどだが爆竹や煙幕などを使いどのくらいの規模の部隊なのかはっきりとさせないようにしながら東門に突入して敵の注意を引く。火の手が見えてから5分後くらいには突撃せよと西門の近くにいる兵には指示をしているのでもう少ししたら突撃が始まるだろう。東門の兵には頃合いを見て引くようにといっているのでこちらの兵ももうじき撤退しそして城外に敵を引き連れつつ落ち延びてくれるだろう。俺は急いで西門の兵たちに合流した。
次話では城内での戦闘について書きます。ただ投稿がいつになるかはわかりません




