19話 防御
投稿が遅れてしまい申し訳ございません。
私が軍全体の指揮をとればこんなことにはならなかったろうに。上層部はなぜ敵の大野裕也の思惑通りに動くのだ。あの家柄、血筋だけで出世してきたような老人どもさえいなければこんなことにはならなかっただろう。私たちが本陣に追いついたのを留守番役になってしまっていた兵が見つけると駆け寄りながらこう言ってきた。
「岩田さま、おかえりなさい。お疲れだと思いますがご報告申し上げたいことが一つあります。」
「例の都市についてか。」
「はい。そのことについてです。例の食糧の保管などがなされている都市は一度陥落させられ、その後取り返したとの報告が入りました。」
「いつのことだ。」
「岩田様が大野軍の追跡に入られた日に報告を受けたので今から7日ほど前の出来事になるかと思います。」
「守備兵の半数の50名ほどが死亡、30人ほどが重傷とのことです。また取り返したといっても敵が自ら都市を捨てたらしいです。次に物質的な損害の話については保存してあった食糧すべてを略奪もしくは焼却したとのこと、また軍の利用していた施設はすべて焼かれて利用できなくなっているとのことです。」
「わかった。ありがとう。さがってよい。」
やはり私の助言通りになったというわけか。この大規模出撃を行う前に私はこうなると会議で進言したというのに。統制派軍の中の佐藤家のその中でも4番手の権力者という低すぎる身分のせいで受け入れてもらえなかったのだ。どうせこの報告を受けた会議では佐藤家の現当主の弟である1番手の権力者の手柄になるのだろう。通常誰が発言したかなどは覚えられていなく発言した人の所属している家で覚えられる。だから私がいくら発言してそしてその発言が正しかったとしても家のものになりそのことでたとえ発言権が強くなったとしてもその恩恵を受けることができるようになるのは1番手である佐藤だけなのである。そして佐藤は私に恩賞を与えることはないだろう。なにせやつはとことん私のことを嫌いぬいている。そのことは私の手元には先鋭の兵が必要数いたというのにその兵を命令で使えなくし、無理やりほとんど使い物にならない兵を率いらせ大野裕也を追わせたことからもわかるだろう。もし我が兵を率いることができればこの間、大野と向き合ったときにあのように戦場を離脱しなくても戦いそして勝つことができたかもしれないというのに。こんなところから早く独立してやる。そしてこの岩田 響の名を天下に響かせてやる。
投稿が遅れてしまい申し訳ございません。今日はまだ投稿するつもりです。小説についてですけれど主役級はこれで全員出し切りました。