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俺の戦記  作者: かな河
126/131

126話 三勢力

 俺は吉岡家に連絡を入れ、前線にいる他国の領主との会議の場を設けてもらう。遠藤とは同盟の条件に付いて詳しく話をし、その日のうちに別れた。そのため前線に俺はすぐに復帰できたので仕事を開けていたのは三日ほどであった。遠藤は俺と別れた後は町にある宿に泊まり、不必要に俺と接触しないようにしている。そんなに警戒する必要はないと思うのだが南に戻ったときのために必要なことだそうだ。しばらくたったある日、吉岡から返信がくる。小林家からも同様に全体の話し合いがしたいとのことで次の前線会議を全体会議にすると書かれていた。会議は三日後に行われる。

 全体会議の日、俺は時間よりやや早めに会議場所へと到着する。会議のために吉岡が設けた天幕にはまだ誰も来ていない。しばらくすると小林がやってくる。

 「お久しぶりですね。小林殿。お互い、仕事が仕事なので顔を合わせる機会が少なくなってしまっていますね。」

 俺が声をかけると一瞬こちらに対する警戒のような表情を見せるもすぐにいつも通りに戻る。

 「そうですね。諜報と兵站係では接点がありませんからね。」

 その後は俺と小林は雑談をしながらほかの領主の到着を待つ。しばらくすると汗とホコリにまみれた戦場からそのまま来たことがよくわかる領主たちがはいってくる。その後少し休憩を取り、全員がそろったのを確認すると吉岡が言った。

 「そろそろ会議を始めようか。最初に小林家の持ってきた事案を話、その後大野家の話を聞き、前線の話に移るとい流れで行こうと思う。まずは小林殿お願いできるか。」

 「分かりました。松島家から同盟の話を市川家との戦いの後も持続させること、松島領で正式な調印式を行いたい、それからこの同盟の話は七ヶ国同盟側から持ってきたことにしてほしいという三つの話が来ています。」

 特に問題となるような話はない。最後の同盟の話をうちから持っていったことにしてほしいというのはやや気になりはするが大国のメンツ的なものだと考えれば不思議ではないのかもしれない。他の領主の表情を見ても誰も悪くは思っていなさそうである。

 「調印式の話は市川家が完全に滅んでからでも構わないのか。」

 野村が小林に向けて聞いた。

 「そこはこちらの都合の良いときでいいそうです。向こうの文官の中には顔も見たこと者同士が同盟といっても心もとないというものもいるそうなのでので国内向けの宣伝のために一度、来てほしいとのことだそうです。」

 「そうか。」

 小林の説明に少し安堵した表情を野村は見せる。どの家も戦争中に人を遠くにやる余裕など持っていない。松本がは言った。

 「同盟の件は不戦の話だけで他に変わりはないのか。」

 「変わりません。」

 小林の答えに俺は少し安心する。他には誰もいうことがないという表情をしているので吉岡が言った。

 「これでこの話は終わりで良いかな。ないなら大野殿の話をしてくれ。」

 「南で宗教反乱がおきていることは小林家からの報告で知っていると思う。その宗教反乱の規模は今、大きくなりもはや一つの国の形を成している。そして今回、その勢力から我々に同盟の話がきた。」

 すこし周りがざわつく。なぜなら宗教反乱の実態は小林家でもつかみ切れておらず、さらに距離あるので完全に忘れ去られていたのだ。小林が言った。

 「どうやって勢力の中の情報を手に入れたのですか。もし勢力の使者が言っていることを鵜呑みにしているのだとしたら信用できませんよ。」

 「問題ない。情報をもたらしたのは遠藤だ。」

 領主たちの間に安どの表情が広がる。この同盟を作るときに一番、活躍したのが遠藤であるから他国の領主からの信頼も厚いのだろう。松本が言った。

 「とりあえず同盟の内容はなんだ。」

 「松島家と同様、不戦条約。しかしそれ以上の内容の発展も問題ないとのことでこちら側から要求してもいいとのこと。」

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