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俺の戦記  作者: かな河
120/131

120話 南

 僕は藤田に言われほかの幹部とともに集められる。前回、集められたときは今後の勢力の拡大についての相談であった。その後は僕には関係のないところで勢力が拡大されている。藤田によって反乱が農民の蜂起が促され、その中でも重要な土地では吉田の正規軍が支援しているらしい。その後に内政担当の野村が支配地域の中に入り、内政を敷く。それを繰り返していると聞く。法律担当の僕にはほとんど出番がないのだ。野村の話では最近はことの進みが遅くなっているそうで、大きな要因は領地の西にいる統制派の連中がこちらに攻めてきているため吉田の正規軍がそちらから動けないためらしい。話は戻る。会議に来た幹部の顔を見ると吉田がかなりやつれている。最後に部屋に入っ野村が椅子に座るのを見ると藤田が言った。

 「今回集めってもらったのはこれから始まる間者の粛清について先に説明するためだ。」

 背筋に寒気を感じる。さすがに顔には出ていないと思う。藤田は言葉を続ける。

 「今まで隠してきたが今回ここですべて話す。大清帝国の滅亡は皇道派と統制派の権力争いを直接の原因として滅んだ。しかしその二派の争いは最近起こった問題ではないし、そもそもそこまで大きな事案ではなかったのだ。その小さな火種を大きなものに仕立て上げたのは第三の機関だった。」

 ここで藤田は言葉を一度切ると全員の顔を見渡す。僕は目をそらさないように必死になりながら藤田の顔を見返す。

 「国が滅びた時点ではそんなことは全くわからなかったよ。でも吉田とともにこっちに持ってくることができた資料を読み解いていくうちに少しづつわかることが増えてきた。そうやっているうちこの宮殿を奪還し追加で多くの資料を手に入れることができ、敵の存在をようやく捉えることができた。その他にも同盟関係を結んだ領主が持っていた資料をいただくことでその組織についての情報を増やすことができた。そしてその組織の現状を調べていくとこの国にもかなり間者が入り込んでいることがわかり、吉田が詳細を調べ上げ、今回の粛清を決行することになった。」

 藤田は何か質問がある奴はいるかという目線で僕たちのほうを見る。塚田が口を開いた。

 「いろいろと伺いたいことは在りますがまずは敵の名前を教えてもらってもいいでしょうか。」

 藤田が言った。

 「林家林家(はやしけ)だ。」

 「林家というと諜報系の仕事を担っていたあの林家ですか。」

 「そうだ。やつらの仕事は情報系の全てだ。内輪揉めを起こすこともその内輪もめを俺に伝えないで置くことも簡単に行える立場にあるのだ。不思議はなかろう。」

 「しかし林家は皇帝家との繋がりも深く、そのようなことをするとは思えないのですが。」

 塚田はそういうと野村と目を合わせる。僕は大清帝国の内部事情を詳しくは知らないので蚊帳の外である。しかし話の流れと野村、塚田の反応を見る限り不思議な話であるのだろう。藤田が言った。

 「俺の母は庶民である。それに父は早いうちに死んでしまっているし、林家の流れをくむ異母兄弟達は病死している。問題の多いあの政府で権力をまた新たに握りなおすより戦乱を起こし国を作り直した方が楽だと踏んでもおかしくはないだろう。」

 今度は野村が言った。

 「しかし確実に次の国でも権力を握れるとは限らないのにそのような大博打を討つとは思えません。」

 「いや、あまり知られていないことだが林家は国全体に情報網を張り巡らせている。有力な領主の元には林家がすでに入り込んでいる。そして入り込んだやつを通じ領主たちは情報を得ているとみて間違いない。」

 ここまで聞き敵の大きさをこの会議に参加している全員が理解した。今、我々が敵に回しているものはこの大陸中の領主に情報を提供できる立場にいてうまいことやれば領主を操ることも可能だということだ。藤田は言った。

 「この国に入り込んだ林家の間者を粛清する理由は分かっただろうな。それから佐藤、お前についても面白いことが分かった。」

お久しぶりです。最近は物語の進みが早いので書くのに苦労しています。(うっかり間違えると修正が聞かない状態に陥ってしまいそうなので)もともと書くのが遅い作者がさらに遅くなうわけですが辛抱強く付き合ってくだされば幸いです。今後も俺の戦記をよろしくお願いします!

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