表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

お題シリーズ6

偽物の仲間だった

作者: リィズ・ブランディシュカ



 俺はそいつを指さして「偽物だ」と声を張り上げた。


 指をさされたそいつが緊張する。


 こいつは俺達の仲間じゃない。


 今までは感覚的におかしいと思っていたが、今確かにそう思った。


 俺達勇者パーティーはとある森の中を歩いていた。


 けれど、その森には物騒な噂があった。


 そこでは、人が一人消えて、代わりに偽物があらわれるという。


 だから警戒していたのだが。


 まんまとやられてしまったようだ。


「本物を返せ!」


 俺は偽物にそうどなりつける。


 すると偽物は首をかしげて「私が本物よ」と言ってきた。


 嘘だ。


 俺は騙されない。


 他の仲間は騙されても、俺だけは騙されない。


 俺の背後にいる仲間達は「何が変なのかよく分からない」という顔をして混乱している。


 無理もないか。俺とあいつは古い付き合いだが、他のメンバーはそうじゃない。


「偽物って、どうみたって本物じゃないか」

「そうよ、かわいそうよ。ひどい事言わないであげてよ」


 俺は仲間達の言葉に耳をかさずに、そいつに剣をつきつけた。


 すると相手は警戒するように、一歩さがった。


「他の誰が見間違えても、俺の目はごまかせない、正体をあらわさなければこのまま倒すぞ」


 逆に言えば、正体を現せば、見逃してやると言った。


 そしたら、目の前の仲間面していた何かは、体を淡く光らせた。


「ふふふ、どうして分かったの?」


 幽霊モンスターだ。


 半透明に人魂の形をしたモンスターは面白そうに問いかけてきた。


「お前に教える義理はない」

「つれないわね。本物はこの森の位置口に転がしてあるわよ、じゃあね」


 人魂モンスターはつまらなさそうな顔をしてその場から去っていった。


 言われた通り、森の入口へ戻ると気絶した仲間を回収する事ができた。


 すやすやと気持ちよさそうに眠っている。


 よくモンスターに襲われなかったものだ。


 そこで仲間達が感心したように問いかけてくる。


「やっぱり瓜二つだよ、どうして見分ける事が出来たんだ?」

「本当、偽物も本物のようにしか見えなかったのに、どうやって?」


 俺は本物の姿を指さして答える。


「普段のあいつはいつも、気を抜いている。俺が剣を向けても緊張したりはしないだろう」


 緊張感が死滅してるんだ。と言った。


 すると仲間は「ああなるほど」と納得した。


「つまり最初は、かまをかけていたのね」


 こんな危険な森の中で危機感もなく寝ていられるようなヤツ、他にいてたまるか。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ