設定資料『T.O.T(Theatrum Orbis Terrarum)――世界の舞台』
物語世界の前提となるゲーム。
2031年普及初期のウェアラブルコンピューター『サード・アイ・コネクタ』専用ゲームとしてリリースされた、ネット要素を多分に含みながらも基本的にはスタンドアローンで楽しむシミュレーションPRG。
メーカーである「TERAMOTO」は「拠点運営+世界干渉ゲーム」と表現した。
ユーザーからは「アジトゲー」「やりたい放題ゲー」などと呼ばれている。
作り込まれたシステムと世界観、多岐にわたる展開は過去のゲームと一線を画すが、サービススタイルはそれまでの多くのソーシャルゲームと同じくして開始された。
→基本無料+各種課金。
・基本コンセプト
ゲームの基本コンセプトはメーカーの示す通り「拠点運営+世界干渉」
最初に与えられる「拠点」に仲間を集め、自身も含めて強化し、その力をもって世界へ干渉することがゲームの目的であり、その「干渉」に対して可能な限り自由度を持たせたのが「T.O.T」の特徴と言える。
「世界初の近代地図」の名をゲームに冠した通り、架空の「世界の舞台」が運営により用意されており、プレイヤーとその組織は最初決められた場所に出現する。
そこからはお約束通り、周りのフィールドや迷宮を攻略して自身と仲間を強化して行く流れとなる。
「T.O.T」が決定的にこれまでのM.M.OやM.O、スタンドアローンのゲームと一線を画したのは、此処からである。
運営管理により「T.O.T」の世界は時間経過する。これはプレイヤーがインしていようがいなかろうが、レベル上げをしていようがいなかろうが、世界に干渉していようがいなかろうが現実時間1時間が「T.O.T」世界1日として粛々と流れる。
そして53の国々からなる「T.O.T」の世界は、独自の歴史を辿り始める。
それらはプレイヤーが初期に配置される人の手が入っていない辺境を無視して、それぞれの世界の物語を紡いでゆく。
そこには英雄譚もあれば悲劇も喜劇もあり、強大化する国があれば没落する国もあり、勃興する国があれば滅びゆく国もある。人の善意がカタチを為したような奇蹟も起これば、人の悪意がカタチを為したような悲劇・惨劇も起きる。
それらの「物語」はゲーム中で組織として「情報収集」すれば詳しく知ることができるし、「歴史的な大きな出来事」であれば「報告」としてゲーム中に知らされるスタイルを取っていた。
これが運営をして「世界干渉ゲーム」と言わしめる理由であり、これら世界中で発生する出来事に、プレイヤーは己と己の構築した組織をもって干渉することが可能なのである。
一切の干渉を行わなければ、世界は運営が定めたとおりの歴史を辿る。
だがその流れにプレイヤーが己の力で介入することによって、己の望んだ、己だけの世界を構築することが可能なのである。
たとえば滅びるしかなかった小国に肩入れし、支配するはずであった大国を滅ぼすこともできるし、和平を取り持つこともできるし、極端双方とも滅ぼしてプレイヤーの組織が君臨することも可能なのだ。
プレイヤーとその組織に力さえあれば、だが。
そうしたプレイヤーの介入により、世界はそのプレイヤーだけが歩む歴史を紡いでゆく。
世界を統一することも、バランスを取ることも、世界を滅ぼすことすら可能なこのシステムが大いに受けた。
そのシステムを一歩進めたものが『世界再起動』システム。
これは運営呼称『世界変革事象』の第一回目に全プレイヤーに配布され、その後は課金アイテムとして販売開始された「T.O.T」の特徴の筆頭である。
運営による固定された大きな歴史の流れはプレイヤーが干渉しなければ不変である。
そのプレイヤーが干渉していてもしていなくても発生する『世界変革事象』と、プレイヤーが干渉したからこそ発生する『因果事象』にもランダム要素は存在しない。
『世界変革事象』は世界の都合関係なくあるタイミングが来れば必ず発生するし、『因果事象』は同じ干渉の仕方をすれば必ず発生する。
それ等の答え合わせを見てから、世界をやり直すことが可能とするのが『世界再起動』という仕組みだ。
『世界再起動』を使用したプレイヤーはその時点での自勢力から何も失わないまま「T.O.T」開始時点へと戻る。
先に何が起き、どう干渉すれば結果がどうなるかをある程度知った上でやり直しをすることが可能となるのである。
※この場合、一度到達した時間までは、プレイヤーの任意で早送り可能である。『世界変革事象』もしくは『因果事象』が発生した時点で一旦早送りは停止し、プレイヤーの判断を要求してくるカタチ。
この仕組みにより、プレイヤーは己の理想とする世界を実現するまで、最強部隊を率いてくるくるやり直すことが基本となった。
また『世界変革事象』や『因果事象』は経験値効率や入手アイテムが有利なこともあり、自勢力を育成するために『世界再起動』を繰り返すものも重課金者の中には多く居た。
ちなみに「T.O.T」開始後、ゲーム世界では300年経過(現実世界で約13年)しており、今なお歴史は続いている。
→この辺の設定は少し変更しています。
・プレイヤー・アバター
プレイヤーはゲームを開始するとプレイヤー・アバターの作成をまず行う。
プレイヤー・アバターに種族設定はされておらず、男女の選択を行うのみ。
※両性や無性も選択可能にしようという動きもあったが、諸処問題を鑑みて男女のみに。
ただし無課金でも膨大なカスタマイズパーツが準備されており、意図しなければ同じ見た目になることはないとまで言われた。
※カスタマイズにより、ファンタジー世界で有名な種族はほぼ再現可能、そればかりか神族や魔族、機械めいた姿や魔物そのもののような姿も選択可能。
ほとんどのプレイヤーが「カスタマイズ制限解除」の課金をしたといわれている。
※カスタマイズ制限解除は500円。
初期選択可能なジョブは2種のみ。
戦士か魔法使い。
そこから「剣」であれば無手を含めたあらゆる武器を使用可能に、「魔」であれば治癒やバフ・デバフを含めたあらゆる術を使用可能に派生する。
ジョブレベルと装備した武器によって決められるスキルレベルの組み合わせによって無数のジョブが派生し、その派生条件を探ることも人気の理由の一端であった。
現時点で判明しているジョブは500を超える。
※厳しい条件が課された上位ジョブなども相当数存在する。
レベル100を超えたプレイヤーは、分身体を一つ作成可能になる。
※レベル1から開始できる、完全な新キャラのようなもの。同時操作も可能だが、プレイヤーが一人しかいない以上実際は困難。→同じパーティーに入れてレベル上げなどはできる。
・対人要素
サーバー管理とはいえ基本的には一人用ゲームであることもあり、難易度自体はそう高いものではない。
対人的な要素としては組織間戦争と協力があるが、どちらも重きを置かれてはいなかった。
称号やちょっとしたアイテムを得るための御遊び要素程度。
組織間戦争はプレイヤー不在で自動処理される。
戦争を仕掛けた側は勝利すれば経験値と称号ポイントを得、負けた場合失うものはない。
戦争を仕掛けられた側は撃退すれば経験値と称号ポイントを得、負けた場合失うものはない。
完全勝利や完全敗北はよっぽど彼我の兵力差がなければ発生せず、それだけ彼我の兵力差があった場合は得られる経験値も称号ポイントもスズメの涙なため、大概は優勢、劣勢程度での決着であった。
・課金要素
アバター制限解除 500円
キャラガチャ 1回300円 10連3000円 10連の場合はSR保障
スタートダッシュやイベント、特別など、SSRを保証する特殊ガチャ3000円は定期的にされていた。
拠点拡張関連 効果は永久
仲間保持数 100単位で500円 (初期300 最終解放で1500:12段階)
武器保持数 250単位で500円 (初期500 最終解放で5000;18段階)
拠点階層 1階層1000円 (初期3層 最終解放で13層:10段階)
魔力回復 1段階100円 (初期1%/10秒 最終解放で30%/10秒:29段階)
※現実世界基準なのでゲーム世界でいえば4分でどれだけ回復するかに相当
MP1000あれば、最大まで解放していればゲーム世界で毎秒1以上回復する。
成長限界突破 100単位で100円(初期100 最終解放で無限:9段階 キャラごと)
世界再起動 1回1000円 イベントなどで配布あり
この辺もかなり変更しています。
期間限定で「その冒険者」スタート前に作っていた設定の一部を公開します。
かなり変わったところもありますが、骨子はこのままです。
来月あたりから新章開始予定です。
よろしくお願いします。
現在
『カルネアデス・パラドクス ~残酷な現実とやらを蹴り飛ばすためにこそチートは行使される~』
https://ncode.syosetu.com/n0631gt/
を投稿しております。
最初の着地点までもうすぐなので、できればそちらも読んでいただければ嬉しいです。
また先日「シン・エヴァンゲリオン劇場版」を見たオタクとしての魂の叫びを
『【ネタばれアリ感想】四半世紀エヴァンゲリオン ~草臥れたおっさんの慟哭~』
https://ncode.syosetu.com/n4911gv/
として投稿しております。
すでに観られた方は覗いていただければありがたいです。
同好の士とは、酒でも呑んだくれながら、あーだこーだと語り合いたい気持ちです。
よろしくお願いいたします。
※まだ観ておられない方はご注意ください。クリティカルなネタバレが含まれております!
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