番外編 天蓋事件後日譚⑥ 支配 ~butterfly effect paradox~
コロッゾ・ハスカヴィルはひどく困惑している。
己は複数の手下に護られた屋敷で酒を呑んでいたはずだ。
そのはずだったのだが、なんの騒ぎが起きたという記憶もないままに、突然意識が今の瞬間に繋がっているからだ。
本人にしてみれば、一瞬で自分の屋敷からこの場へ転移させられたようにしか思えない。
にしては結構呑んでいたはずだが、酒気が完全に抜けている。
困惑の次に訪れるモノは恐怖だ。
コロッゾは自分がアーガス島において、それなりの立ち位置にいるという自覚がある。
ただしそれは表向きのものではない。裏の社会においてである。
表向きには安娼館の主人に過ぎず、この島の総督や冒険者ギルドの支部長など、コロッゾの顔はもちろん名前さえ記憶にはないだろう。
だが一歩でも日のあたる明るい場所から仄暗い路地裏に入れば、コロッゾはアーガス島でも三本の指に入る実力者である。
コロッゾが扱っている商品はヒト。
ラ・ナ大陸のあらゆる場所からあらゆる手段で本部が集めてきた商品を、王都に次いで需要の高いこのアーガス島で大量に売り捌くのがコロッゾの本当の仕事である。
顧客はいくらでもいる。
承認されていないもぐりの娼館から使い潰せる娼婦として。
個人的な嗜好を満足させるための玩具として。
中には怪しげな儀式の生贄として買っていく、どう考えても真っ当ではない組織まで。
ラ・ナ大陸の多くの国家において奴隷制度が廃止されてから、もうずいぶんと時が経っている。
だが足のつかない生きたヒトという商品は、ある程度の若ささえ確保されていれば男女の差別なく相当な高値で捌ける良い商品なのだ。
違法となればなおのこと、コロッゾたちの組織の独占市場となる。
違法であることなど百も承知の顧客と接するのは部下たち、中でも強面の者たちであり、コロッゾが直接かかわることは絶対にない。
そうやって商品を表に出すことなく必ず使い潰すことを絶対的な条件として、一度でも顧客となった相手を恐怖と利益で縛り付けて商売を円滑に行うのがコロッゾの役目である。
そんな立ち位置にいる自分を苦も無く攫い、監禁できる存在。
それは同格の商売敵か。
だがコロッゾの属する組織はウィンダリオン中央王国においては最大のものであり、おいそれと他の有象無象共が手を出せる相手ではない。
万が一下剋上を望んだどこかの間抜けな組織であった場合、コロッゾには切れる札が何枚もある。
それが他国に軸足を置く、同等以上の組織であった場合でもだ。
苦もなく攫われた点は気になるとはいえ、裏の社会でこの歳まで生き延び、この位置まで成り上がってきたコロッゾを恐怖させるには些か足りない。
ではコロッゾが今恐怖に囚われている理由はなにか。
それは身内による粛清の可能性である。
そうであった場合、苦も無く自分が身柄を押さえられたことにも得心が行く。
護衛の連中は本部から派遣されている者だけではなく、己の私財で雇った世界最強級の冒険者崩れが何人もいた。
だが組織が本気になればそんなものは気休めにもならないことを、コロッゾこそが誰よりもよくわかっている。
冒険者という存在は1対1はもちろんのこと、頭のねじがぶっ飛んだ程度のならず者が複数で囲んだところでどうにかなる相手ではない。
それも最強級ともなれば、たった一人で二桁の兵士を無効化することは当然で、なかには一騎当千という言葉が与太ではないと感じさせるほどの強者もいる。
だがそれはわかりやすい力比べ、戦闘という場においてはというだけだ。
冒険者とてヒトである以上、生活というものが必ず存在する。
常在戦場などという言葉を実践できる者などほんの一握りであり、それとてもいつどこで襲われるか分かったものではない状態でもつのは、せいぜい数か月。
いくら刺客を返り討ちにされても目的を果たすまで決してあきらめず、その本体がどこにあるのかを絶対に悟らせない組織にかかれば、ただ強いだけの冒険者では最終的に磨り潰されるしかない。
よしんば個人が不落であっても、しがらみ、付き合いというのはどうしたって生まれるものだ。
組織が最も恐ろしいのは常識も道徳も倫理も知ったことではなく、そういう目標の周辺のヒトたちにも容赦なく手を下すところである。
ヒトが社会性生物である以上、その社会に溶け込むようにして機能する悪意に個で対峙することは不可能なのだ。
それこそヒトの域をはるかに超越した、社会そのものを叩き潰せるほどの力を持ちでもしない限りは。
ヒトである以上逃れようのない恐怖を以て他人を支配する。
それが法から逸脱し、それでも世界に根を張る裏の組織というものの在り方なのだ。
その組織でそれなりの位置にいるコロッゾはもちろん恐ろしい。
だがその組織そのものがコロッゾを粛清する決定を下し、それをコロッゾ以外の全員に通達されたらそれまでだ。
コロッゾの与える恐怖は、本人の資質によるところももちろん大きい。
残忍で狡猾、他人の苦痛を苦にするどころか愉悦にでき、己が利益のためであれば身内でも平気で切り捨てる。
なによりも頭が切れ、その狡猾を以てこれまで競争相手を蹴落として今の地位まで昇ってきたのである。
だがその個の資質を支えているのはやはり組織であり、それを失えば冒険者ですらないコロッゾなど、ただ狡知に長けた人倫から外れた異常者でしかない。
だからこそ組織には重宝がられるように、細心の注意を払ってきたつもりであった。
高価な椅子に座っている者ほど、より高価な椅子に座っている者への敬意と警戒は強い。
組織においてはその時々の分を弁えられる者だけが、高い椅子に座ることを赦されるのだ。
――どこかでやりすぎたか?
当然コロッゾには後ろ暗い、思い当たる件などいくつもある。
ただそれは組織にもたらす最大利益を己の才で確保したうえで、その余禄を頂戴していたに過ぎないというのがコロッゾの認識だ。
組織も度が過ぎなければ、そのあたりは役得として黙認してきていたはずだ。
それこそこの歳、地位に至るまで組織の中で生きてきたコロッゾである。
そのあたりの分水嶺は、他のどんなことよりも敏感に肌感覚で読めているつもりだった。
だがこの地位について長くなり、王都に次ぐどころか近年では勝りかねない金が集まる場所であるアーガス島を任されている全能感から慢心してしまったか。
それともうまくやりすぎて危機感を持った本部に、適当な理由を並べられて粛清されることになったのか。
本部への根回しも抜かりなくやっていたつもりのコロッゾには解せない点も多いが、一番可能性が高いのはどうしてもそれしか考えられない。
であればまだぎりぎり、なんとかなる可能性も残されている。
恐怖も強いが、自身の有用性を盾に何とか生き延びる可能性は絶無とまではいかないはずだ。
一時的に今の地位から陥落するのは仕方がないとしても、生きてさえいればいくらでも再逆転の好機など巡ってくる。
今一度組織への忠誠を示すために、片目や片腕程度を犠牲にすることも視野に入れて、まずは生き残ることを最優先事項とする。
コロッゾが恐怖と混乱の中でそこまで考えた時点で、手を打ち鳴らす音が響いた。
それと同時に灯りが燈され、暗闇に奪われていた視界が回復する。
「さて。自分が置かれた状況の把握と、それを前提とした対処方法の考案は終了しましたか?」
コロッゾの肚の中を正確に見抜いたようなことを美しく響く声で語るのは、その声よりも美しい容姿を持った若い男性。
両の目を閉じたまま、それでも盲であることを感じさせない空気をその身に纏っている。
天空城の序列№0002。
万魔の遣い手、エレア・クセノファネスである。
だが手を打ち鳴らされたと同時、なぜか出せなかった声も出せるようになっているコロッゾは言葉を紡ぐこともできない。
それは恐怖を超える絶望に支配されたからだ。
理由は自分でもわからない。
ただ目の前にいる、これまで見たどんな男よりも美しく見えるその存在が、今まで恐れていた組織なんかよりもずっと恐ろしいとなぜか感じてしまう。
そしてそれが間違いではないことを、悪意の世界で生きてきたコロッゾの本能が大声でがなり立てている。
今この場ですぐ死ぬことこそが、最もマシな結末だぞと。
生き汚いことについては自他ともに認めていたコロッゾが、その瞬間に舌を噛んだ。
舌を噛んで死ねるかどうかなど、実験したことなどあるはずもないので知るわけがない。
だが椅子に後ろ手で縛られ、死ぬためにとれる行動がそれしかなかったからそうしたまでだ。
この場に囚われていたのが自分だけでなかったことにも、コロッゾは驚いていた。
しかもそいつらは二人とも、コロッゾに劣らぬアーガス島における闇の世界の大物どもだ。
麻薬を牛耳っている組織にアーガス島を任されているファビオ・カステリト。
暗殺を請け負っている組織にアーガス島を任されているユエ・リン・シェイ。
二人ともコロッゾと同じように椅子に縛り付けられている状態で、突然自決をはかったコロッゾを驚愕の表情で凝視している。
悪名でいえばコロッゾのほうが格上であることは確かなので、そんな人間が囚われたからと突然死を選べば驚くのも当然とは言える。
だが噛み切った舌が痙攣し喉を塞ぎ、溢れ出た血が呼吸を阻害するという、死に方の中ではかなり苦しい部類に入るであろう状況でコロッゾは内心で嗤う。
――死んだほうがマシな目に遭わせる術など、この世に溢れかえっている。
――貴様らならそんなことくらい、知っていように。
光が燈った瞬間に、コロッゾは悟ったのだ。
自分たちをここへ攫った当人がエレアであること。
そのエレアが顔を隠していない以上、ここからコロッゾたちを生かして返すつもりなどはじめからまるでないこと。
そして他組織の重要人物も同時に苦も無く攫えていることから、自分の手持ちの札などクソの役にもたたないであろうこと。
今日まで自分たちが知らなかった、組織など及びもつかない超越者の尻尾を自分たちは我知らず踏んだのだ。
そのことをエレアという存在がいやでもコロッゾに理解させてしまう。
すべてを単純な暴力で踏み躙ることが可能な存在を縛れる鎖など、この世に存在しない。
そして自分たちであれば、踏んではならない尻尾を踏んだ相手にどんなことをするかを、コロッゾは熟知している。
絶対者の尻尾を踏んだ者がどうなるか、その見せしめとなった物がどれだけ凄惨な目にあわされるのか。
今どれだけ苦しかろうが、これから先の人生が中断されようが、数分の苦痛でそれから逃れられるのであれば安いものだ。
今まで自分がやってきたことに比べれば、勝ち逃げということさえできるだろう。
だが。
「やれやれ、妙に勘の鋭いヒトもいたものですね。ですが残念ながら勝ち逃げは許しません」
エレアが呆れたように発言すると同時、無詠唱で発動された治癒魔法がコロッゾにかかり、溢れ出た唾液と血を除いてすべてを元に戻す。
そればかりかのたうち回って倒れた椅子も、不可視の力で元通りの位置に固定された。
そこには絶望に目を見開き、奥歯をガチガチと鳴らしているコロッゾが生きたまま座らされている。
「最初に言っておきましょう。貴方たちがこの場で死ねることは絶対にありません」
美しい笑顔を浮かべ、死よりも恐ろしい罰の執行者が宣言する。
その言葉にほっとした表情を浮かべているファビオとユエを、心の底から愚か者だとコロッゾは力なく思う。
自殺すら許さぬこの男が、これから自分たちになにをするつもりなのかすら想像がつかないとは。
コロッゾは諦めた。
諦めるしかない。
自死すら許されないのであれば、俎板の上の鯉というのも生温い状況だ。
そして死を赦さないということは、自分たちを自身の手駒として使うつもりなのはもう間違いがない。
その際に絶対に裏切らないようにする方法というものを、コロッゾは予想できている。
だからこそ諦めてはいても、歯が鳴ることを止めることができない。
もう一度自ら死を選ぶことも、阻止されることがわかっていればただ苦しみを増やすだけに過ぎない。
すべてはもう遅いのだ、使える駒として選ばれた時点で。
「なんでも言うことを訊く。絶対に裏切らない。だから……」
エレアはコロッゾに興味を持ったのか、「殺さないでくれ」だの「なんでもする」だの喚き出したファビオとユエ、二人の口を再び封じた。
その上で項垂れたコロッゾの前に立ち、祈るような、懇願するようなその言葉を耳にする。
「ダメです」
だがエレアの答えは無慈悲なものだ。
元はヒトであるエレアであればこそ、ヒトの汚さと弱さを天空城勢の誰よりもよく理解している。
このような手合いを完全な支配下に置くためには、絶対的な恐怖と苦痛を一度与える必要が絶対にあるのだ。
裏切りを働くどころか、与えられた仕事を十全にこなせないだけでどんな目に遭わされるのかを心と躰に刻み込む。
敵対勢力の力によって殺されることを恐れるどころか、それが救いだと心の底から思えるほどに。
「因果応報……か」
だが、コロッゾは肝心なところを勘違いしている。
いや今から自分が間違いなく遭わされる、想像を絶する責め苦を曲がりなりにも納得するためには、そう思うのが一番精神衛生上マシということなのかもしれない。
今まで自分が力なき者に嗤いながらやっていた行為を、その報いとして受けるのだと。
「因果応報などない、すべては塞翁が馬である。我が主から教えていただいた、神の唄だそうです。私は貴方たちが行った悪行を断罪するつもりもなければ、興味もありません」
それをエレアはあっさりと否定する。
そんな高尚な理由で今から魂を圧し折られ、舐めろと言われれば犬の糞でも舐めるような奴隷にされるわけではない。
それはただ、天空城にとって都合がいいからだということに過ぎない。
当然だろう。
ほんの一周前にはコロッゾが今まで殺めた人数など足元にも及ばないほどのヒトを、老若男女、善人悪人を問わず無慈悲に蹂躙してきたのが天空城という存在なのだから。
自分たちの都合でヒトを壊すことに今更なんの罪悪感を覚えもしないし、ましてやヒト同士がやっただの、やられただのなどに興味などあるはずもない。
「ですが……そうですね、自分たちがやった報いを受ける形が一番わかりやすいかもしれませんね」
腕を組んだエレアが、それはいいアイデアですと言わんばかりに一つ頷く。
ヒトの魂を圧し折る術などいくらでも持っているエレアだが、そうされる当人が望んでいるというのであれば、今までしてきた自分の悪行に応じた苦痛を与えるのも悪くはないだろう。
「呪怨顕現」
そう言ってエレアは、主である黒の王も得意とする暗黒系魔法を発動させる。
ゲーム時は受けたダメージを増幅してそれを与えた敵に返すというよくある魔法の一種だったが、現実化したこの世界ではより悍ましいものへと変じている。
対象者が今まで殺してきた相手の呪詛が具現化し、自分たちが遭わされた目に数倍する苦痛を対象者に与えるのだ。
それまで対象者は死ぬことすらも許されない。
本来はあまりエレアが好む魔法ではない。
術者の力を借りなければ実現できない因果応報など、なんの価値もない。
呪詛など虚仮脅しで、本来は何の力も持たない脆弱なものに過ぎない。
なまじ「呪怨顕現」などという魔法があるがために、殺された者たちの呪詛というものが現存しているというのがなおさら度し難い。
力を伴わぬ想いなど、寝言ほどの価値もないとエレアは断じている。
エレアは天空城の一員となるまでの自分を嫌っているし、恥じてもいる。
毎周訪れる自分との対峙を任せてもらえることが、黒の王に忠誠を誓ううえで最も大きな褒美だと思えるほどに。
エレアは弱者が嫌いなのだ。
以前の自身のような。
「やれやれ、やはり私がせねばなりませんね。セヴァス殿ですら弱者に対してはお甘い」
顕現した呪詛の塊にのみ込まれ、苦悶とも喜悦ともわからぬ叫びをあげ始めた三人を見下しながらエレアが呟く。
エレアにしてみれば取るに足りぬくだらぬ存在として、悪しきヒトをあっさり始末するセヴァスたち人外の考え方もわからなくもないのだ。
自分とて、忌むべき行為を喜んで繰り返してきた俗物どもなど、苦しめる価値もないままに殺すことができれば一番すっとするだろうとも思う。
だが天空城の利益を考えるとなれば話は別となる。
――今周の我が主は、ヒトを守護する側に立つおつもりらしい。
となれば絶対者たる黒の王であるがゆえにこそ想像もつかないだろうが、最も厄介なのはヒトという種そのものが内に抱える邪悪となるのは、エレアに言わせれば自明の理である。
『世界変革事象』であれ、『因果事象』であれ、黒の王がその気であれば天空城の総力を以てほとんど被害を出さぬ結果を実現させることはそう難しいことではない。
岐より来しモノどもなど、今更敵ではない。
だがその絶対的な力に護られた平和という微睡の中で、どれだけヒトが腐るのかをエレアが一番よく理解している。
エレアとて、それがヒトのすべてだと思っているわけではない。
自身も元はヒトであり、その域をはるかに超えてからでもその思考の基礎がヒトのものであることは変わっていない。
天空城の守護によって生まれるであろうヒトの大躍進時代において、多くのヒトは健全に、費やした努力に応じて報われるいわゆる「良い世界」を全身で享受するだろう。
だがそのような光の強い世界にこそ、わずかに差す影はその濃さと深さを増すことになる。
極一部の運が悪いというだけの善人たちが、良い世界においてさえ最悪の境遇に堕とされるのだ。
それを成す悪を、天空城の圧倒的な力で片っ端から断罪していったところで絶対に悪意そのものはなくなったりはしない。
巨悪が消えた隙間に小悪党が滑り込み、時間を経てそれが再び巨悪となるだけだ。
ヒトがヒトである以上、種としての宿痾からは逃れようなどない。
自己満足で悪即滅殺を繰り返すのであればそれでもよかろうが、黒の王が望む「良い世界」がそんな紛い物であっていいはずもない。
ゆえにエレアは、巨悪こそを飼いならすのだ。
悪として成り上がり、世界に潜んで甘い汁を吸えるような「有能な悪人」を恐怖と苦痛で支配し、その能力を以て世界の裏を飼いならす。
それが最も効率的だ。
善人は善人であるが故、純然たる悪を使いこなすことなどできない。
「毒を以て毒を制す」とは至言であるのだ。
だからこそ徹底的に、その手駒の魂は圧し折っておかなければならない。
いずれ許される死こそが、己にとってのもっともの褒美だと思わせるほどに。
「まあ表の世界はヒトに任せればよいでしょう。我が主がご執心の王女殿は、根は善人ではあるようですしね」
天空城の絶対の力があってこそ成せることではある。
だが世界を滅ぼせるほどの力を以てしても、完全にヒトの悪性と、その犠牲者を根絶することはおそらくは不可能なのだ。
ヒトがヒトであるかぎりは。
だからこそエレアはよりマシな世界を目指す。
その道具となる、ヒトの悪性の代表たちを自身の悪意で完全に支配することによって。
善性を信じて、悪意が個利を貪り善意が嘲笑われる世界が出来上がるというのであれば。
悪性を支配して偽善が成立するほうがいくらかはマシではあろうから。
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満月シオン先生の素晴らしい絵によって、凍りの白鯨との対決、その決着が美しく表現されております。
できましたらそちらもぜひよろしくお願いします。
原作2巻も徐々に進捗しております。
今回の表紙もすごくいいです! M.Bさんの空最高!





