第129話 ギルドの矜持
沈黙を守ったまま、アレックスが静かに手を挙げる。
「『発言を許可します』」
それを受けて銀が許可を与えた。
まるで授業中に騒いだ生徒たちを叱ったあとの、怖い先生と委員長のようである。
実際にはそれ以上、彼我の立ち位置に差があることをアレックスは理解している。
総長付とはいえ一副長と支部長であれば、本来は支部長であるアレックスのほうが冒険者ギルドという組織における席次は上である。
だが、たかが人間の作り上げた組織の中間管理職と、世界を統べる組織直属の侍女式自動人形。
その視点で見た場合、絶対者がどちらを大事にするかなど問うまでもない。
にもかかわらず、強制的に黙らされている支部長たちの多くは不満に留まらず、その目に強い怒りを湛えてさえいる。
銀が絶対者の身内であることには気付けずとも、強制的に黙らされている時点で「強者」であることくらいは理解できているはずだ。
理解できていてもなお、反射的にそんな態度をとってしまうくらいにみな己の身分を誤認している。
お偉いお偉い冒険者ギルドの支部長様ともなれば、単純な力で上回った程度の者が無礼をはたらいてもよい相手ではないと思い上がっているのだ。
どのようなカタチを取っていようと、力は力。
そのなかでも最もわかりやすいカタチで力を行使されながら、己が身の危険も実感できないほどにぬるま湯に慣れきっている者が多くを占める。
残念ながらそれこそが、世界規模の組織である冒険者ギルドの現状。
己の生殺与奪を握っている目の前の強者に対して、「俺には冒険者ギルドっていう後ろ盾があるんだぞ、あぁ!?」と凄んでいるような滑稽さ。
いや凄めてもいない分、それ以下か。
しかもその相手は冒険者ギルドどころか、人の世界すべてが敵に回っても、敵とも認識せぬままに踏み潰すことが可能ときている。
さすがにアレックスも、あまりのシチュエーションにちょっと笑いそうになる。
人間というものは笑ってはいけない状況に追い込まれるほど、笑ってしまいそうになるものらしい。
だがアレックスは必死で耐える。
ここで吹いて処分でもされた日には、さすがに化けて出るくらいに未練が残る。
「皆さん、これで理解できましたよね?」
許可を得たアレックスだけが言葉を発することができる。
そんな力を、児戯にも等しいといわんばかりに行使できる存在など、この世界で一つしかあるまい。
「この総会は新たな利益の分配とか、なぜか御せると思い込んでおられる方が多い、『支配者の子供達』直系の方々が立ち上げた新鋭ギルドをどうするかとか、そういうことではないのです」
だからアレックスは、ここにいるみながわかっている態でものを言う。
何よりも、少なくとも自分だけはわかっているということをアッピルするために。
多くの者が沈黙を強いられながら、「なに言い出してんだこいつ?」という表情をすることにもめげずに言葉を続ける。
「この世界の主は誰かを思い出せ、ってことです。それと反省会、ですかね」
だが内心思う。
人を馬鹿扱いしている暇があったら、さっさと気付けよと。
「私は私の反省すべき点はすべて取りまとめてここへ来ました。嘘偽りなく、委細漏らさず、すべてを、です。それでお赦しをいただけるかはわかりませんが……」
――この状況でもまだ気付けないとなったら、ほんとに「要らない」ってされても知りませんよ?
その「要らない」は個人に対してではない可能性すらある。
大国家ですら好き勝手にはできない、すでにこの世界を回す両輪の一方とまでなっている『冒険者ギルド』という組織そのものを、「要らん」と判断される恐れすらあるのだ。
ヒイロをまだよく知らないアレックスは、資料と今自分の手にある情報から判断するしかない。
彼らは別に人の世界なんかなくても生きていけて、自分たちは要らないと判断されたら今日にも滅ぶのだという、絶対的な事実を。
思い出すべきなのだ。
今、自分たちが謳歌している繁栄は、誰が築いた土台の上に成り立っているのかを。
その誰かさんの不興を買えば、過去空を埋め尽くした天使と同じ目にあってもおかしくないのだということを。
冒険者ギルドは――いや世界はあれから何も変わることなく、俎板の上にのせられたままなのだ。
「私は次の総会に欠席したくはありませんので」
だがアレックスは、自分と自分の大切な人たちが救われればまずはいい。
なんとしてでも世界中を救おうなどと、勇者や英雄みたいなことを考えてもいなければ、望んでもいない。
ましてやこの場に出席している元競争相手、現状を当然として自身の能力を個利のためにしか使えない、そうすることを当然と思っている連中など正直どうなっても知らん。
自分が欠席するようなことにさえならなければ、それでいいのだ。
欠席はおそらく、そのままこの世界からの退場と同義。
やりすぎた者が時に「お掃除」されていたのでは? という過去の文献に目を通してさえいれば、その可能性は充分にありえる。
よって自分の発言に対して、わずかに銀が頷いた時点で自分のやるべきことは終了。
迷宮都市『墜ちた方舟』の冒険者ギルド支部に残っている副長には「まあ大丈夫でしょう」とは言われていたが、今現在支配者付の侍女式自動人形――銀の承認を得られたとなれば、まずはセーフと見ていいだろう。
少なくとも、自分が支部長を務める迷宮都市だけは。
アレックスは長い息を吐きつつ、挙げていた手を下ろして自分の席へとへたり込む。
安心したのだ。
「『自由な発言を許可します』」
その銀の宣言をきっかけに、はじめは静かに、だが徐々に再び怒号の応酬に近い状況へと場は荒れてゆく。
アレックスが何を言っているのかを理解できた幾人かはそれに加わることなく、今から己の示すことが可能な誠意や謝罪について、考えをめぐらせているのだろう。
みな一様に真っ青な顔をしているということは、遅ればせながらでも現状の深刻さを理解できたのだ。
ここに至ってなお理解できず、利益だ権利だと騒いでいる連中はホントにもう知らん。
頭がいいだけの阿呆は、責任者と呼ばれるポジションにつくべきではないのだ。
必要に応じてバカになれなければ務まらないという、矛盾もはらんでいるのだが。
「わりとわかりやすく言ったつもりだったんですけど、駄目でしたか?」
「言い方が回りくどいわ、要らん格好つけよってからに。あと貴様のことをよく知らん相手にとっては若造が過ぎたか」
ため息交じりで元老院のご老人たちに問うアレックスに、白髭をたくわえた一人が答える。
たしかにアレックスが今のポジションについてから、まだ三年も経過していない。
逆に言えば、アレックスをある程度以上知っている者たちは今、黙してやるべきことをやろうとしている。
「若いことはいいことじゃないですか。だいたい絶対者が再臨した今、人としての能力の差なんて誤差でしょう」
「下僕の方々と比べられてはな。とはいえポルッカ・カペー・エクルズという例外もおられたが?」
今度は禿頭の、子供のような顔をした元老院の一人がアレックスをからかう。
元老院の御老人たちは、『天空城』に属する下僕たちの力をよく知っている。
接する機会も多かった侍女式自動人形たちの実務処理能力など、ある意味迷宮における戦闘力以上の差があったことを正しく認識している。
人工知能搭載の最新コンピューターみたいな侍女式自動人形に、人が実務処理能力で敵うはずもない。
だが複数名の彼女らを天空城から借り受け、自在に使いこなすだけではなく、敬意を払われていた「ただの人」も確かにいたのだ。
若き日の自分たちにとっての、尊敬すべき上司。
なんの超常能力も持たぬくせに、当たり前のように世界を統べる集団の一員として受け入れられていた、ある意味においては人の頂点を極めた存在。
かの存在を見てきたからこそ、戦う力も持てなかった自分たちは元老院などと呼ばれるこの歳になるまで、冒険者ギルド職員としてできる限りのことをやってこられたのだ。
『天空城』が表舞台から姿を消し、尊敬する上司も、その上司を友人と呼んだ絶対者も表舞台から退場しても、ずっとだ。
恐怖による拘束がなくなったことで、多くの者は人たる本性を再び表に出し始め、冒険者ギルドが変質していった。
そんな状況の中であっても、自分たちができることで手を抜いたことなどない。
腐り始めた冒険者ギルドを憂えど、絶望も悲嘆もしない。
自分たちは絶対者ではないのだ、自分の力でできる限りのことをする以外の何ができるというのか。
人の本性は唾棄すべき邪悪なのかもしれない。
だが全員がそれに振り回されるばかりではないことくらいは証明してやる、己の人生をかけて。
本性なんぞ、生まれた後に手に入れた矜持を以って制御できることを実証してみせる。
だからこそ彼らは、こうなってもなお、状況を笑ってみていられる。
よく持ちこたえたなと称賛されようが、無能者がと断罪されようが、己のできることは何一つサボらずにやってきたと、それだけは胸を張って言えるからだ。
なんなら「文句言うくらいなら常駐しておいてくださいよ」程度であれば、あの恐るべき絶対者たちに言ってやれるとすら思っている。
己の才に溺れていた若い頃、ちょっとズルもしていたがゆえに要らん脂汗をかいている若造とは違うのだ。
「私に『鉄血』の真似なんて無理ですよ。賢しらに真似れば不興をこうむるだけでしょう。私はそうですね……そこそこ使えるギルド総長アタリを目指します」
「ふん、相変わらず貴様は度し難い。しかし分をわきまえてもおるな」
だがこの若造は面白い、と元老院の五人は思っている。
尊敬する元上司、『鉄血の総長』ポルッカ・カペー・エクルズとは違うカタチで、あのとんでもない集団と付き合えるのではないかと期待している。
アレックスの言うとおり、ポルッカ・カペー・エクルズの紛い物などを、かの絶対者が喜ぶことはないだろう。
ポルッカがよく言っていたのだ。
「この世界も捨てたもんじゃねえと、ヒイロの旦那が思えるようにしてりゃ大丈夫だろ」
と。
そのあとに「……たぶん」とつけるアタリも、あの人は面白い人だったと元老院に属する今は長老になってしまった元部下たちは思う。
奥さん自慢に関しては、正直うらやましいしうっとおしかったので、声に出して「はげろ」といったことも幾度かはあるが。
それでも人の世界が拡大してゆく黎明期に、その中心近くで己の才をぶん回せたことに心の底から感謝している。
死ぬほど忙しくて、大変だったのは間違いない。
それでもクッソ楽しかったと、死ぬ直前に思い出しても間違いなく言える日々だった。
その日々があったから、『天空城』が姿を消し、支配者が絶対の力をわざと行使しなくなってからでも腐らずに今日までぶん回し続けてこれたのだ。
若い頃より洗練はされど、ずいぶんと頼りなくなってしまった己の能力を。
そして長老と呼ばれるようになってから見つけた癖の強い現代の才人にも、できれば自分たちと同じような充足感を得てほしいと思うのだ。
いや自分たちをも超えて、あの方々と酒飲んで騒げた尊敬する上司の位置まで届いてほしい。
真に才ある者が、己の才だけではどうにもならない現状に厭いて、現実なんてこんなものさと斜に構えて生きていくキツさは、老人たちも知っている。
それに比べれば己の理想を、妄想を、現実にできる人生の如何にすばらしいことか。
もちろん大変でもあるのだが。
もしもアレックスがそうなれば、自分たちはポルッカ・カペー・エクルズに終ぞ並ぶことはできなかったとしても、それに近い人材を見出し、育て、絶対者の隣に立たせ得た誉れを持ってあの世にいけるだろう。
あの世というものがもしあるのであれば、自慢のひとつくらいはしてみせたいのだ。
美しい奥さんと聡明な子供たちにまでも恵まれた、敬愛する元上司に。
小僧、小僧と呼ばれていた俺たちも、そう捨てたもんでもなかったでしょうと。
「人が相手であれば、元老院の賢老方であろうが、王族の方々であろうが後れをとるつもりはありませんけれど……私は私の副長にすら及びませんからね」
アレックスが早期に軌道修正――自分も含めて馬鹿しかいないのであれば、どこまで好き勝手できるのか試してやろうじゃないか、という幼稚な不貞腐れにも似た自暴自棄から脱することができたのは、その存在に気付けたからだ。
各冒険者ギルドに配属されている、侍女式自動人形たち。
それはきちんと老いを重ねて時に引退し、新人として再びギルド職員として働き出したりしながら、常に支部に一人は継続して存在する。
アレックスの運がよかったのは、同期として侍女式自動人形である『翡翠』を知ることができたからだ。
最初は出世の強敵として、わりと早い段階で処理能力では絶対に勝てない天才として認識し、仲良くしようと――要は惚れた時点で人ではないと気付けた。
その想いは未だ叶っていない、というよりもまったく相手にされてすらいない。
だが自分がトップに立つことを避ける侍女式自動人形として、優秀な支部長が存在することは執事長、ひいては我が主の命令と合致するので、副長として支えてくれている。
よってアレックスは優秀であり続ける必要がある。
惚れた相手に「コイツはまあ要る」と思い続けてもらうためには。
アレックスが超越者――天空城に妙に詳しく、今回の一連の騒動の裏をいちはやく理解できたのは、そういう事情があるからだ。
今のところは男として見做されなくとも、優秀な支部長と見做されることでよしとしている。
本人としては「あくまでも今のところ」のつもりなのだが。
その想いが報われる日がくるかどうかを知る者は、誰もいない。
なぜなら――
「侍女式自動人形の方々は聡明が過ぎる。それにお美しい」
少し遠い、少年のような目をして元老院の一人がつぶやく。
当然アレックスのような者は過去にも多くおり、だが誰一人その想いを遂げられた者などいないからだ。
古式であれど、新型の有機型であれど、彼女らはみな執事長に仕え、我が主のためだけに存在している。
その命令ないしは許可もなしに、人とそうなる可能性など皆無。
だからといって諦めきれぬのもまた人だ。
アレックスの恋路がどうなるかも、自分は届かなかった御老人としては興味深いものではあるのだろう。
アレックスにしてみれば、自分が枯れる前にその許可を出せる存在が再臨してくれたことは僥倖でもあるのだ。
「見抜いただけたいしたものよ。その慧眼を評価したからこそ、我ら元老院は貴様をアーガス島に次ぐ巨大迷宮都市『墜ちた方舟』の支部長に据えたのだからな」
当然それだけではない。
見抜けるだけの能力を持っているからこそ、アレックスは実際に優秀な支部長である。
総長を目指すと宣言しても、笑い飛ばされない程度には。
持って生まれた能力を錆付かせることなく、慢心せず研ぎ続けるためにはいくつか必要なものがある。
そのうちの二つ、どうやっても敵わない相手と、いいところを見せたい相手を同時に得られたこともまた、アレックスにとっては幸運だったのかもしれない。
結末しだいともいえるのだが。
さてアレックスを待っているのははたして、幸福な結末か、不幸な結末か。
あるいは元老院たちのような、普通の結末か。
「それはどうも。で、みえられましたよ、その長たる方が」
そう言うアレックスの言葉にも、あきらかな緊張が宿っている。
今までどこか飄々とした空気を漂わせていた元老院の五人も、さすがに老いた躰を強張らせている。
さきの銀とは違い、その存在が入室しただけで、会議室は再び水を打ったような静寂に包まれた。
一言も言葉を発してはいない。
ただコツコツと、硬質な靴の音が室内に響く。
大きな音ではない、歩けば普通に発する些細な音にすぎない。
だがその微かな響きが、それがこの巨大な会議室に集う数百名すべての耳に、ただ静かなままに届いている。
そのまま歩を進め、銀の隣に立ち、落ち着いた声で宣言する。
銀はそれにあわせ、静かに頭を下げる。
二人に挟まれた席に座る現総長アブドゥルの顔色は、もはや白。
「我が主は再誕なさいました。よって以後、我が主と初代総長ポルッカ・カペー・エクルズ様が定められた冒険者ギルドの規律に反する者は私が許しません」
執事長、セヴァスチャン・C・ドルネーゼ。
天空城序列№0005にして近衛統括。
それがそこに存在するだけで、人を黙らせるには充分な威を放っている。
能力などで縛られたわけではなく、誰一人として今宣言された内容に異を唱えられる者などいない。
「今出席している者たちについては、これまでについて弁明の機会を与えます。我が軍団の侍女式自動人形たちに許否の判断をゆだねる許可は我が主から得ています」
それだけ告げて、己の仕事は終わったとばかりに銀をつれて退出する。
だが扉のところで歩みを止め、振り返って笑顔で告げる。
「ああ、あと。今回出席していない者たちの処分はすでに済んでいますので、規律に従って早急に次を決めるように」
そう言った後、ふと気付いたように元老院の五人へと軽く会釈をしてから扉が閉まる。
誰もが体感時間を狂わされて、セヴァス――伝説の中からそのままの姿で突然現れた天空城の下僕――が退室してから、どれだけ時間がたったのかが判然としない。
数秒なのか、数分なのか、それとももっとか――
「こわいですねえ」
そうしてようやっと大きなため息とともに声を出せたのは、アレックスだ。
その声で、こちらもさすがに凍り付いていた元老院の五人も時の経過を取り戻す。
アレックスが怖いといったのは、欠席の四人が予想通りの結末を迎えていたことばかりではない。
最後の会釈ひとつで、冒険者ギルドという巨大組織の決定権を今後持つのが元老院だということを、これ以上ないくらい明確に示して去っていったのだ。
さすがにあれを理解できないほどの愚者はこの場にはいない。
セヴァスが誰で、何なのかということも。
以後、迷宮都市としての格だの規模だのは意味を喪失した。
ただの老害だと嘯いていた者さえいる元老院が、当面は冒険者ギルドの最高意思決定機関だと定められたのだ。
「ギルド総長になれば、あの方々のお側で仕事じゃ」
「やめておきましょうかね?」
「貴様の所の副長が上奏するじゃろうからあきらめろ」
「はい」
未だ凍りついたまま声も出せない支部長たちを前に、気の抜けた会話を交わすアレックスと元老院の五人。
これとてもポーズだ。
会話の内容ほど、彼らも余裕綽々というわけではない。
彼らをよく知るからこそ、より恐ろしくもある。
「まあ我ら冒険者ギルドはまだマシよ。好き勝手やっておる国の長に比べれば、この程度で済んだ我々は恵まれとるじゃろうよ」
「違いありませんね」
元老院筆頭の溢した本音に、心の底から同意するアレックスである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
徐々に各所で時間を取り戻し始めた者たちが騒がしくなってくる。
アレックスと元老院の五人の新体制における初仕事は、この場を納めることになるだろう。
自分がもうすでに元冒険者ギルド総長であることを誰よりも理解しているアブドゥルが、自分の総長としての最後の仕事とばかりに宣言する。
「あとはお任せしましたぞ、元老院の方々……と、その秘蔵っ子。できれば私が許されるように口添えいただければありがたい」
これでアレックスが次の総長になることは決定した。
元老院が推し、それを元総長が全面的に支えることを表明したようなものだからだ。
世界は再び、天空城を軸にして動き出している。





