第115話 親子の再会?
シーズ帝国の帝都『八竜の泉』の全機能を掌握していたはずの皇帝執務室、およびその補助を行う隣の魔導管制室は今、未曽有と言っていい混乱の渦に叩き込まれている。
早朝から帝都中に響きわたる警告音と、脳内に直接語りかけられるようなメッセージに叩き起こされた臣民たちよりも、その混乱の度合いは深刻である。
皇城を職場とする者たちは当然、それぞれの職権職責における専門家ばかりだ。
彼等は地平まで埋め尽くすような魔物の群れが大海嘯の如く押し寄せようが、軍事力では格上と見做されている『世界連盟』の宗主国、ウィンダリオン中央王国の最大戦力『九柱天蓋』が旗艦も含めてすべて攻め寄せてこようが、撃退できると確信していた。
外敵など薙ぎ払える。
どんな戦力であれ、それは所詮この世にはじめからあったモノ。
その程度の存在が、伝説のはじまりと共に、その伝説そのものから賜ったとされる『時代錯誤遺物』によって守護されたこの帝都を脅かし得るはずがない。
それは信仰と言っても、そう外れてはいないだろう。
その想いは選良中の選良として栄達し、皇城『竜の心臓』に勤める官僚たちほど強い。
操作方法を知り覚え、実際に扱い、その力で稀に発生する「厄介ごと」をすべて問題なく粉砕してきた実績があるだけに、なおさらである。
己の手で、意志で、直接『力』に触れている経験がそうさせる。
魔力をはらんだ大台風の直撃を、そよ風一つ感じさせることなくやり過ごせる。
『預言の書』に記されていない巨大魔物の発生を、何処から発射されているのかすら知らない天からの雷撃で撃破する。
シーズ帝国に属する臣民であれば、「帝都に居を構える」ことは己の人生の成功の証であり、「絶対の安全」を手に入れることと同義でもあると見做されているほどだ。
およそ明確な「敵」を捉えさえすれば、それを無力化できることを関わった者みなが疑ってさえいない。
そしてその発動には『支配者の子供達』直系の許可が必須となれば、悪用してどうのこうのを考える輩も現れない。
それが今初めて、自分たちの制御から離れた。
制御できないだけであればまだしも、その上あたかも最終決戦直前でもあるかのような戒厳体制に自律移行されたとなれば、混乱もむべなるかな。
「帝都外壁、制御受け付けません! 設定上限値を超えて防御魔法陣を多重展開中! ただし魔力炉との連結は確認されておりません! 魔力の供給源は不明! こんな桁外れな魔力、何処から……」
「上空に転移してきた空中要塞、ウィンダリオン中央王国の『九柱天蓋』と確認! 登録№は2、3、5、7――すべて『封印』要塞です! 魔力反応膨大! 全力稼働しているものとみられます!」
「『天之雷』全砲門の起動を確認! 魔力充填70……75――止まりません! 射撃可能まであと30秒!」
「皇城内の制限結界、すべて解除されました! 監視魔法道具すべて停止! 別系統の発掘魔法道具系もすべて停止しています!」
「帝都中央転移陣から皇城『竜の心臓』までの空中魔力回廊、形成されていきます! すごい、記録以外で初めて見た……」
報告というよりも、悲痛な叫び、絶叫、怒号といった方がしっくりくる声が飛び交っている。
ある者は驚愕、ある者は狼狽、ある者は興味に強く支配されているが、共通しているのはおそらく「恐怖」だろう。
――まあそうなるよの。
この空間においてただ一人落ち着いている、というよりは諦観の表情を浮かべているヴィルヘルム七世である。
もはや皇帝としての顔というよりは、物心ついて以降に「親の何でもあり」を目の当たりにした時に浮かべていた、アルとしての顔になっている。
――まあよいわ。御本人が此処に現れればみな黙るしか無かろうし……
ここで自分が落ち着けと大喝したところで意味はない。
表面上静かになったところで、誰一人本当に落ち着けるものなど居るはずもない。
状況だけ見れば、強大な敵が接近しているようにしか思えない状況ではまあ仕方がないとも言える。
直接『我が主』と下僕たちに呼ばれていたヴィルヘルム七世の父を知らねば、こうなるのが当然だ。
まさか帝都を護る全機能が、その主を安全に迎えるために張り切っているなどとは思えまい。
人の制御などを受け付けている場合ではないのだ、『天空城』の一部である存在にとって、父の来訪というものは。
――絶対服従、というよりおもいきり好かれておられたというか、懐かれておられたからなあ、御父上……
己の父を『我が主』と呼ぶ者たちの忠誠たるや、王家や皇室に対する家臣、臣民たちのそれとは根っこが違った。
忠誠を誓われる者には、それに足る存在であることが求められる。
国の繁栄や、己の栄達の保証、それこそ人それぞれ千差万別であるものの、無償の忠誠など存在しない。
シーズ皇帝家に生まれたアルは、そのことをよく理解して今まで生きてきた。
だからこそ幼い頃に垣間見た、下僕と呼ばれていた超越者たちが己の父へ向けるなにかに、歳を経るごとに強く憧れざるを得なかった。
アルの知る忠誠ではなく、恋や愛といったモノともどこか違う。
見返りの一切を己からは求めず、ただ父が存在するだけで己が全存在を捧げることを一切厭わない、滅私の極致――無期待献身。
そんな人であるからには絶対不可能な、文字だけでしか存在できないはずの理想、お為ごかしの具現。
そうでありながら、父にかまってもらいたくてじゃれつき、それを下僕同士で競うような無邪気さもときおり垣間見せる。
それは強大な化生であろうが、『天空城』そのものを含む、人には理解できない存在であろうが関係なくそうであったのだ。
この世界の人に、意志持つ城だの防衛装置だのを理解せよという方が無理というものだっただろう。魔獣と呼ばれる、人語を解する魔物ですらお伽噺でしか知らなかったのだ。
アルと呼ばれていた頃の自分よりも、そんな関係を母が何処か羨ましそうにみていたのを何故だか強く覚えている。
――まあ待つしかないのう。儂が最初から会話をすれば、うっかり御父上と知らぬ者が暴言を吐くこともなかろう……
主たる皇帝の言を遮ってまで、己の言葉を優先するものなど居ない。
『天空城』の鉄の掟には及ばなくとも、シーズの中枢もそれくらいは徹底できている……ハズだ。
そうでなければ自分も含めて、キッツいことになりかねない。
『天空城勢』は己が主に無礼を働くモノに対して、一切の容赦をしないのだ。
帝都の一つや二つ、眉一つ動かさずに消し飛ばしてのけるだろう。
さすがにいきなり帝都ごと消し飛ばすことまではしなくとも、主の制止が遅れれば発言者の首くらいは普通に飛びかねない。
更迭という意味ではなく、物理的な意味で。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「はー……すごいね。シーズの皇室って過保護なの?」
頑張って早起きして、迷宮都市アルク・ヴィラの公共転移陣でシーズ帝国の帝都『八竜の泉』へ跳んだ直後である。
今、俺たちの周囲には数えきれないほどの『表示枠』が展開され、ものすごい勢いで何らかの文字が表示されては流れていっている。
それにあわせて、早朝の帝都では大騒ぎが開始されている。
外壁から巨大な球形魔法陣が展開されはじめるわ、その上空、おそらくは東西南北に巨大としか言えない空中要塞が転移してくるわ、遠くにそびえる皇城『竜の心臓』、その最上部へ向けて自動走路のような魔力回廊が形成されるわ、何のイベント開始だという有り様である。
ゲームが土台だけあって、今展開されているこの光景は幻想というより、頭にSが付いた方がしっくりくる感じだ。
「ち、違いますよ! こ、こんなの私も初めてです」
俺の言葉に遠慮でも謙遜でもなさそうな、本気で慌てた表情でクリスタさんが答えてくれる。
素であわあわしていて、ちょっと可愛らしい。
早朝ゆえに人影はほとんどないとはいえ、公共転移陣があるのは帝都メイン通りのど真ん中である。
帝都全域でこれだけのことが起こっており、そんな場所で無数の転移陣に囲まれていれば嫌でも目立つ。
それに――
「いやだって、なんか全力絶好調って感じで胸元光ってますけど」
転移終了後から、クリスタさんの胸元に輝く『支配者の叡智』がちょっと尋常ではない光を発し始めて、今に至っているのだ。
今なおめっちゃ光ってる。
「そ、それはそうなんですけど」
よってこれは、可愛い孫娘に対する皇帝陛下の過保護なのかと思ったのだが、本人曰くそうではないらしい。
嘘をつくようなことでもなかろうし、確かに皇族とはいえ帰国の度にこんな騒ぎが起こっていては臣民たちも身が持つまい。
ということは、今起こっているこれは何らかのイレギュラーということだろう。
となると――
「誰のせいだ?」
「ヒイロ様。誰のせいかと言えばこれはヒイロ様のせいですが」
思わずこぼれた俺の一言に、至極落ち着いた声で銀が苦笑い気味に応えてくれる。
ちなみにこれだけの騒ぎが起こっているのでレヴィさんは口を開けたまま呆然としている。色っぽさがデフォルトの人がこういう表情するとけっこ可愛いな。
千の獣を統べる黒は豪の者なのか、朝が早すぎたせいでまだおねむらしい。
俺の肩で器用に寝ている。なんで落ちないんだろうな、コイツ。どんな仕組みだ。
剛の者というより、銀と同じでこういう光景に慣れていると言った方が正解かも知れないな、千の獣を統べる黒は。
「え? 僕?」
「はい」
疑問形で問い返してはみたものの、言われてみれば意外でもなんでもない。
というかクリスタさんが身の潔白を主張している以上、この面子で「誰のせいか?」と問われれば確かに俺のせいとしか考えられまい。
レヴィさんは巻き込まれた人だし、千の獣を統べる黒と銀は俺にまつわる存在だもんな。
なるほど俺のせいか。
解せんが仕方がない。
銀が言うならきっとそうなんだろう。
「ってことは、銀は止められるの、これ?」
「私には無理ですね。私が所属する近衛である『軍団』よりも上位から下された命令に従っていますので、側付権限を得たとはいえ一侍女式自動人形の制御など受け付けません。ですが……」
無理らしい。
「ですが?」
「ヒイロ様の御命令であれば、間違いなく従うと思われます」
なるほどそりゃそうだ。
いやその理屈はわかるけど、手段がわからない。
銀が合流してくれても、今なお俺には「ステータス・オープン」は不可能だ。
おそらく例の場所へ行って、ある物を入手するまでできないのだろう。
それはまあいいのだが、現状でこんな都市規模の動きを制御する方法が思いつかない。
無数に表示され続けている『表示枠』には干渉できないっぽいしな……
「どうすればいいの?」
「ただ御命じになればよろしいかと」
素直に聞いたら、言葉で言えばいいらしい。
確かにここまでの超技術っぽい感じなら、本人確認されていれば音声命令で行けるのか。
いっそ思考追跡してくれれば楽かもしれないが、その辺は私的情報や主従の在り方など、いろいろあるのだろう。
なんか思考が筒抜けの存在が一人? 一つ? いた気もするけど……
まあいいか。
「おーい?」
とりあえず絶好調発光中の『支配者の叡智』さんに向かって声をかける。
とはいえ「おーい」じゃどうしていいかわからないよな、と思ったがそうでもないようで、光が若干収まった。
「心配いらないから、通常モードに戻してくれていいよ。あ、できるだけ静かに」
試しに言ってみたら効果覿面、『表示枠』がすべて消え、警告音もメッセージも停止、城壁から展開されていた防御魔法陣は消えてゆき、空中回廊も朧に霞んでゆく。
忠実か。
しかしさすがに上空に現れた四つの空中要塞は、そのまま浮かんでいる。
どうするんだろう、あのデカブツ。
まさか俺たちの行く先々に、空中でついてくるんじゃなかろうな……
「あの、私の胸にお願いしているような体勢は、その……」
顔を赤らめてクリスタさんがもじもじしている。
あ、すみません。
なんかこう、話しかけるとなったら近づいてしまいません?
確かに傍から見たら、俺がクリスタさんの胸元に顔を近づけている絵面である。
俺の方が背が低く、少年と言っていい年頃だからか犯罪臭はまだ少ない。はずだ。
視線をまっすぐ向けるとほぼ胸の位置になるから、ほんとに胸と話してるっぽいのがなんか笑える。
もう少し俺の背が背が低かったら、下から見上げる構図になったんだろうか。
そうなったら『支配者の叡智』も見えないだろうし、余計おかしな絵面だな。
いや、別にやましい意味があって胸に顔を近づけたわけではなくてですね、その、何と言えばいいか……
「管制管理おっぱい?」
「『支配者の叡智』です!」
言い訳をしようと思っていたら、思わずとんでもない思いつきを口にしてしまった。
クリスタさんは真っ赤に茹で上がり、茫然としていたレヴィさんもさすがに笑う。
銀は呆れた半目でこっちを見るかと思ったら、「なんてとんでもないことを!」と言わんばかりの狼狽した表情をしている。
なんか拙かったかな、銀のこんな表情はまだ付き合いは短いとはいえ初めて見た。
セクハラ発言には厳しいんだろうか。いや厳しくて当然か。
「い、いえ、今『支配者の叡智』は通信機というだけです」
己の狼狽を誤魔化すわけでもなかろうが、クリスタさんが大声で否定した声に対して答えている。
「ヒイロ君の声が、すべてを支配して、る?」
「そうです」
さすがに驚いた表情を浮かべながら問うクリスタさんに対して、何かおかしなことが? と、いつもの表情に戻った銀が肯定する。
というか、帝都を管制管理している意識体への端末の役割をしているってだけだな。
俺の言葉に従って、それがこの帝都に備わる全ての機能を制御しているというわけか。
ならば話ははやい。
「じゃ、皇帝陛下のところへ頼む」
俺の言葉と同時、足元に転移魔法陣が人数分現われ、俺たちを跳ばしてくれた。
あの大袈裟な魔力展開はいったいなんだったんだ……
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「あ、お爺様……」
大騒ぎの渦中である皇帝執務室へ、突然現れた一同。
その中でこの場にいるみなが唯一よく知っている皇帝の孫娘であるクリスタが、豪奢な椅子で疲れた表情をみせている敬愛する祖父に声をかける。
「クリスタか」
突然のことに慌てることもなく、老賢帝が答える。
「えーと、はい、あの……」
この場にいる全員が言葉を失っている。
クリスタでさえも、とっさに何を言っていいかわからない。
それも当然である。
ここはまがりなりにも皇帝執務室。
大国であるシーズ帝国の皇帝が執務をし、この大帝国の中枢を担う要人が一堂に会して、いわば国家をぶん回す場所である。
国家の心臓部。
そこへ何の抵抗もなく転移してこられる存在など、本来許されるはずもない。
そもそも転移陣とはそこまで万能なものではなく、跳ぶ側と跳んでくる側、双方に転移魔法陣が設置されて初めて転移が可能になる魔法道具である。
当然皇帝執務室はおろか、この皇城内に魔法陣の設置を許された場所などあるわけがない。
つまり今、こともなげにこの部屋へ転移してきた魔法の技術体系は、自分たちがよく知るそれとはまったく軸を異にするモノ。
今日この時まで、自分たちが「よく知った便利な道具」として使役していた『時代錯誤遺物』には己らも知らぬ機能があり、それをあっさりと制圧されているということだ。
もしくは支配者から賜った『時代錯誤遺物』をもってしても、対抗不可能な超越的な力。
どちらにせよ、ただの人たる身には黙り込むしかない。
いままで己らを無謬たらしめていたのはあくまでも与えられた道具であり、自身の持つ力ではないのだ。
「えと……こちら、記憶喪失のヒイロ君と、その仲間? 下僕? の銀さんとレヴィさんです。この子はシュドナイくん」
そんな空気を読むことなく、クリスタがまあ事実ではあるのだが、説明なしでは理解できるはずもないことをその報告を求めた祖父、ヴィルヘルム七世へ伝える。
空気を読めないというかあえて読まず、いつもどおり泰然自若とみえる尊敬する祖父へ端的な説明をしたつもりなのかもしれない。
「あ、そういう意味では私も今、ヒイロ君の下僕なんですけど」
ヴィルヘルム七世にとっては理解不能な赤面をしながら、己もヒイロの下僕なのだと、どこか嬉しそうにさえ見える表情で付け加える孫娘。
別にヴィルヘルム七世は、賢帝らしく泰然自若としていたわけではない。
あまりの情報に、表情が死んでいただけである。
なんとなればつい先刻とは対照的で、この場に存在する者たちの中でヴィルヘルム七世こそが今、最も動揺している。
「……はじめまして?」
そしてヴィルヘルム七世は、ばつが悪そうなヒイロのその台詞で止めを刺された。
――あらお爺様のこんなご様子、初めて見ますね……
わりと呑気なクリスタの感想である。
そのクリスタの感想どおり、ヴィルヘルム七世ことアルは額に手を当てて天を仰いでいる。
今の己の表情を、余人に見せるわけにはいかないからだ。
可愛い孫娘が下僕? になっているというのはまあいい。いやよくない。どういうことそれ? いやうんまあ、主は御父上っぽいからいいとしよう。いいのかそれ?
だがそれ以上に衝撃的な事実に、天を仰がざるを得ない。
記憶喪失? はじめまして???
どうみても伝説の一頁目と寸分たがわぬ、この世界に現れた時そのまんまなヒイロ――つまりヴィルヘルム七世の実の父であり、この世界をどうとでもできる真の支配者。
千の獣を統べる黒――なぜか子猫になっているが、『王佐の獣』が肩にいることからもそれは間違いない。
そのヒイロが自身を何者か知らぬ状況で再誕しているという事実に、『双老賢』の通り名をもつ歳経た皇帝は、全力で現実逃避をしたくなった。
――助けて母上! 兄上!! 左府鳳凰さん!!!
齢70を超え、賢帝と見做されている己の立場ではとても声に出すわけにもいかない。
だがここ数十年で、間違いなくもっとも正直な心の叫びであった。
親子の再会? はヴィルヘルム七世の予想をはるか斜め上に超えてゆく形で実現した。
この後「シーズ帝国の皇帝」として己がどうすればよいのか、本気で誰か教えてくれないかとヴィルヘルム七世は嘆いている。
世界の支配者であるという自覚が無い、しかも幼少期の自分の父親など、取り扱い注意の劇物としか思えない。
――ああ、そういえば最初に公的に出回った御父上の情報と言えば、たしか……
今なおトップギルドとして隆盛を誇る『黄金林檎』
それが発した、ヒイロに関する同業者たちへの警句である『その冒険者、取り扱い注意』
まさか己がその立場になるとは、さすがに思いもよらなかった老皇帝である。





