第4話 選択と宿命
…あれ?俺は死んだのか?…
「ぶ、無事か?ポンコッティン…。俺としたことが油断してしまった…」
ポンコッティンが目を開けると黒い服の男が血をだらだらと流しながら、ポンコッティンを上から覆い敵の攻撃を背中で受けていた。
ポンコッティンは彼にかばってもらっていたのである。
「なんで?なんで私をかばった…?あの一瞬で私をかばうことのできる君なら、逃げれたはずだ!なのにどうして今日初めてあった私なんかを…」
「いいから早く逃げろ。今の俺じゃこいつを長く食い止めきれねぇ。このままじゃ二人ともいや、この町の人達もみんな殺されちまうぞ。」
「君を一人残して逃げれるわけがないだ」
「いいから早く行けっていってんだ!おまえはヒーローだろ?それならこの町の人達の命を守るのがお前の役目だろ!お前が今動けば、たくさんのひとの命を守ることができるんだぞ!」
……確かに彼の言う通りだ。私なんかが加勢しても、足を引っ張るだけだ。今の私に出来ることは町の人達を避難させること、ただそれだけだ……
「…くそぉぉー!本当にすまない…すぐに町のひとを避難させて応援を呼んで戻ってくる。だからそれまで耐えてくれ。必ず…必ずだぞ!」
ポンコッティンの目からは涙が溢れ出ていた。
彼にとってとても辛い選択だったのは言うまでもない。だが彼は町の人達を避難させるため振り向かずに走り出した。
「そうだ、それでいいんだ…」
黒い服の男が笑みを浮かべた。
「いかせるわけないだろ!」
そういうと化け物はもう一方の手でポンコッティンを潰そうとした。
黒い服の男はすさまじいスピードでその手とポンコッティンの間に入り、両手でその手を受け止めた。
「させるわけねーだろ。この化け物が!」




