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俺が勇者?あいつが勇者?  作者: タツヤ
9/13

三人の思い

お、重い

目が覚めると体が重かった、何かが俺の体の上に乗っている様だった

覗き込むとレキが裸で寝ていた

「うあー」びっくりした

避けようと横を向くとキュアが添い寝していた

「やっぱり、もう一人いたー」

とりあえず落ち着いて反対から逃げようと反対を向くとエメラルドまで横に寝ていた

俺のベッドは三人の包囲網に完全に囲まれていた

どうにか逃げねば

体を少し動かすと「あ、あん…」上に乗ってるレキが声を出した

やばい、やばい、やばい

何でレキ裸なんだよ?

するとさっきの衝撃でそのままレキが目を覚ました

「マスター、おはようございます」

「あのー、レキさん?どうしてここにいるのですか?」

「はい、マスターが寒くて眠れないかもしれないと重い暖めてました」

「そうですかーじゃあもう起きましたのでそろそろどいて貰っていいかな?」

「それは、断ります、マスターもう少しだけ一緒にいたいです」

えー、断るの?

その話をしていると今度は

「ふぅあーよく寝たー」

キュアが目を覚ました

「あれー?りゅうのすけおはようー」

「おはよう、キュアさん、キュアさんも何故ここに?」

「りゅうのすけと一緒に寝たかったの…」顔を赤らめて言った

「だめですよ、マスターは私と一緒に寝たいのです」

レキが布団から顔を出していった

「あ、あなたもいたの?りゅうのすけから離れなさいー」

キュアがレキを突き飛ばした、その拍子にレキがしっかり俺にしがみついていたので俺もレキと一緒にベッドから落とされた

「うわっ」

「うわー」

「え?きゃっ!」

三人落ちた、もう一人は反対側に寝ていたエメラルドである

「いててて」

落ちると俺の顔の左右に柔らかなものが2つ当たっていた

ひとつは少し小ぶりであったが肌を感じ温かかったもうひとつは申し分ない大きさで柔らかい胸であった

顔を動かすと「あっ…///」二人の声がハモっていた

キュアがベッドの上から見下ろすと

「こらー二人とも抜け駆けしてずるいー」

「レキは何ではだかなのよー、それにエメラルドまで何してるのよ?」

俺はすくっと立ち上がり

「お、俺は自分の部屋でただ寝てただけだぞ」

「私は常にマスターと共にいるため終始一緒です」

レキが立ち上がり真剣に言った

「はぁー」今目覚めたのかエメラルドも起き上がり

「私はりゅうのすけ様に全てを捧げたいと誓いましたのでご一緒させていただきました」

とエメラルドも少し顔を赤らめて言った

「だめーりゅうのすけは私のものだもん」

とキュアが抱きついてきた

「だめです、マスターは私のものです」

「ずるいですわ、りゅうのすけ様は私と一緒です」

三人が俺を取り合っていた

このメンバーでこの先大丈夫なのか?

俺は少し不安になった


旅館を出て少し行くと町に着いた

「ここがゴルドンシティなの?」

「いいえ、違いますわ、ここは商業が発展してできた遊園地の町、ドリームランドですわ」

「わぁー楽しそう、ねぇりゅうのすけ一緒にまわりましょう!」

「いいえ、マスターは私と一緒に行きます」

「りゅうのすけ様、私と一緒にまわりませんか?」

三人が各々の意見を言っていた

「分かった分かった、とりあえず息抜きしようか3時間自由行動で」

「りゅうのすけと二人きりがいいー」

「私もマスターだけで」

「りゅうのすけ様と一緒がいいですわ」

「うーん、じゃあ一人一時間で交代しようよ」

キュアが言った

「いいよね?りゅうのすけ?」

「うーん、じゃあそうしようか」

「やったー!」

何か俺は息抜きどころか疲れそうな予感だった


一人目はキュアだった

「りゅうのすけと二人きりになるの久しぶりだね」

「そうだね、懐かしいな最初はキュアに助けられてそれから一緒に旅に出てからレキが来てエメラルドも仲間になって今じゃ賑やかになったよな」

「わたしはりゅうのすけと二人きりで旅するだけでも良かったのにな」小さな声で言った

「え?なんて?」

「あー!あれ乗りたい!」

キュアが指差したのは観覧車のような遊具であった

どこの世界でも娯楽の乗り物は変わらないんだな

とりあえずキュアと乗った


「すごい高いねー空飛べるけどこの乗り物は新鮮だー」

キュアはおおはしゃぎであった

「ねぇ、りゅうのすけ」

いつの間にかキュアは顔を下に向けてもじもじとしていた

「どうしたの?」

「わたしの事好き?」

「え?」

「ずっと聞きたかったの、わたしはりゅうのすけが好き、前からずっと、でもりゅうのすけから聞いたことない」

「お、俺は…」

何を言っていいのか分からなかったキュアの事は大切だと思う、そして俺なんかが勿体ないぐらいかわいい、キュアの気持ちを知りながらそんな事は一切考えてなかった

「俺は…キュアの事が…」

「はい、二人の時間は終わりです、次はわたしの番ですマスター」

いつの間にか観覧車は下まで降り、レキが待っていた

そのままレキは俺の腕を引っ張り連れていった

「りゅうのすけ…」キュアがぼそっと言ったのがかすかに聞こえた

俺は何て言えば良かったんだろ

今の自分の気持ちが分からなかった


二人目はレキであった

「マスター、初めて二人きりになりましたね」

確かにレキと二人きりになることはあまりなかったな

「今日はマスターと二人きりでデート出来て嬉しいです」

いつも無表情なレキが少し微笑んだような気がした

その時、今まで美人だと思っていたがいつもの雰囲気で考えてこなかったが不意にレキがすごくかわいいと心の底から思ってしまった

「さぁここに入りましょう、マスター」

「こ、これは!?」明らかに違った意味で遊園地なピンク色のホテルの様な建物に連れられた

「ここに入るのですか?レキさん?」

俺は恐る恐る聞いた

「はい、マスター、ここで二人の愛を育みましょう」

少し頬が赤らめていたが両手で押さえていた

「そ、それは勘弁してください」

俺はとりあえず逃げた


はぁはぁはー

大分逃げた、後ろを振り向くと誰もいなかった

ふー疲れたと油断していると

「マスター」

そう言ってレキが後ろから抱きついてきた

そのままレキが言った

「マスターは私の事、嫌いなんですか?いつも私の事を避けて、逃げて、私の気持ちを無視してます」

小さな手が震えていた

そうか、こんなに小さな手をしていたんだな

いつも元気で積極的な子だったと思ってたけど、やっぱり女の子だったんだな、気付かなかった

俺はレキの手を握って言った

「レキの気持ちは正直、嬉しい、だけど俺には女の子との恋愛的な経験は一切なくてどうして接していいかわからないんだ」

「ただ、今言えることはレキの事嫌いって考えた事は一度もないよ」

「私の一族は感情があまり表に出ないのに、嫌われてないとわかったとたんこんなに嬉しいはずなのにどうして涙がこんなに溢れるのでしょうか?」

俺はレキと向き合い、レキの涙を拭った

「それは多分嬉しいからでる涙だよ」

「そんな涙もあったんですね、私初めてです」

そしてレキは俺の手をとり、背伸びをして不覚にも俺のほっぺにキスをした

「わからないでしたら、少しずつ私を知って私の事を好きになってくださいね」

「ずっと好きですよ、マスターりゅうのすけ」

涙で潤んだ瞳と赤くなった顔がレキをより一層かわいいと俺に思わせた


レキとはそれからはなれて次はエメラルドと一緒になった

「りゅうのすけ様、私こういった遊園地に来るの初めてなのです、だから今日は本当に楽しめそうです!」

いつも、おしとやかで物静かなエメラルドも今日は少しいつもよりテンションが高いみたいだ

「あ、りゅうのすけ様あれ乗りましょう」

「次はこれ、この次はあれに」

エメラルドはテンションが高いまま俺の腕を引っ張り次々と一緒に乗り物に乗った

さすがに疲れた、俺がふらふらしていると俺の腕をとって支えてくれた

む、胸が当たってるー

「りゅうのすけ様、少しあそこで休憩しますか?」

「うん、ありがとう」

座っている俺に飲み物を買ってきてくれた

「はい、りゅうのすけ様」

飲み物を手渡してくれたのを飲んだ

「りゅうのすけ様美味しいですか?」

「ふー、美味しいよありがとう」

「じゃあ私にもください」

そう言ってエメラルドは俺が飲んだ飲み物を飲んだ

「間接キスしちゃいましたね」

「あ、」

そう無邪気に言ったエメラルドは可愛く不覚を疲れ俺は顔が赤くなったのを感じた

辺りは少しずつ暗くなってきた

「この夢の様な時間ももう終わりなのですね、楽しい時間はすぐに過ぎてしまう」

「ずっとこのままいられたらいいのに」

するとドーンと大きな音がなった、花火だ

「きれい、今日は初めての事ばかりでした、それは全部楽しい事ばっかりでした」

「これも全てりゅうのすけ様のおかげです」

「え?俺は何もしてないよ?」

「私は王国からこんなにはなれた場所には一度も来たことがありませんでした。それにあまり王国の外の世界に興味もなかったのです」

「しかし、あの日りゅうのすけ様に会ってりゅうのすけ様が気になり知りたくなりました。そして、りゅうのすけ様に着いてきて冒険をして外の世界がこんなにも楽しくて綺麗であることを知りました。これからもりゅうのすけ様と一緒に旅をしてりゅうのすけ様と一緒に色々な楽しい事、綺麗な物を見たいです」

エメラルドは小さな声で続けて言った

「それにこんなに人を愛しせると言う事を知れたのもりゅうのすけ様のおかげです」

「エメラルド…」

ドーン

花火が散った

「本当に綺麗ですね」

そう花火をみながら言っていたエメラルドの横顔は花火の光で名前の通り、宝石のエメラルドの様に髪も目も輝いていた


三人と今日は一緒に過ごして、三人の思いを知れて良かったと俺は後になって思った

そして、三人は俺にとってかけがえのない存在となり絶対に守りたいと誓った

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