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俺が勇者?あいつが勇者?  作者: タツヤ
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ドラゴン王国

結局一睡もできないまま俺たちは町を後にしてドラゴンがいる西に向かっていた

「キュア、まだ着かないのか?」

「もうそろそろ着くはずだけど」

「ドラゴンとは西の何処に住んでいるのですか?」

「そう言えば俺も知らなかったな、キュアどこなんだ?」

「ドラゴン達は西の谷にあるドラゴン王国にいるの」

そうキュアがいうと濃い霧が出てきた

「この霧はドラゴン王国の特有の霧、位置を知らない者はドラゴン王国を攻めてもたどり着くことさえ出来ないと言われているドラゴン王国を守っている霧よ」

「大丈夫なのか?キュア、本当に場所知ってるのか?」

「とりあえずこの霧が出てきたということはもうドラゴン王国が近いはずよ、ちなみに私は場所は知らないよ」

「え?じゃあどうやってたどり着くんだ?」

「それなら大丈夫!はぁーあ!」

そういうとキュアは空に炎の魔法を放った、その魔法は上空高く飛び上がると花火のように飛び散って消えた

「こうすると、私の友達がくるのよ」

「え?友達?」

そういうと上空から誰が降りてきた

「おーい!エメラルドー!」

そうキュアが叫んだ

「久しぶりですね、キュア」

そういって降りてきたのは何とも美しい少女であった、名前の通りまるで宝石のエメラルドの様な少女で目は深い緑色、髪は透き通るような緑色、そしてドラゴンらしい強そうな羽を羽ばたかせていた

「あ、りゅうのすけ、紹介するね!こちらはエメラルド、私の昔からの友達でドラゴン王国の姫なんだ」

「これは姫様、わざわざご足労ありがとうございました、俺はりゅうのすけといいます」

「ご丁寧にどうもありがとう、私の事はエメラルドと呼んで下さい、それとかしこまらなくていいのですよ」

「とりあえず自己紹介も終わったし、エメラルド王国まで案内して、頼みたいことがあるの」

「ちょっと待って、私の紹介は?」そうレキが言った

「あ、忘れてた」

「忘れてたじゃないわよ、ちゃんと紹介して」

「この子はレキで何か分からないけど、くっついてきた子」

「なっ、そんなざっくりした説明ないわよ」

また、始まった、何故かキュアとレキは話し出すと喧嘩がはじまってしまう

「まあまあ、キュア、同じ仲間の人をそんな扱いしてはいけませんよ、それで頼みたい事とはなんですの?」

「そうだった、私達は魔王を倒したいの、だけど魔王軍はかなりの勢力を有しているわ、だから魔王軍に匹敵するぐらいの勢力のあるドラゴン王国の力が必要なのよ」

「キュア、やはり両親の復讐を決意したのね、魔王軍の幹部はやめたの?」

「そうなの、それに私にはりゅうのすけがついているからね、りゅうのすけと一緒なら出来そうな気がするの」

「両親を魔王に殺され、魔王軍の幹部になって誰も信用しないと言っていたあなたがそんなに人を信用するとは珍しいわね、そのりゅうのすけ様がそんなにも頼りになるお方なのね」

「そうだよ!りゅうのすけは唯一魔王を倒せる勇者なんだから」

だから、俺は勇者じゃないって

「そうです、我がマスターは最強です」レキも一緒に言った

「分かりました、あなた達の目は本気みたいですね、私もりゅうのすけ様を信じてみましょう、お父様も私から話しておきますわ」

そういうとエメラルドは笛を吹いた

空高くから何か大きな羽の音が近づいてきた

「とりあえず、城まではまだ結構距離がありますのでドラゴンを呼んだのでそれに乗って下さい」

ドーンと地響きとともに巨大なドラゴンが降りてきた

うわー、本物のドラゴンだ、カッコいいな、前の世界では絶対会えなかっただろうな

「さぁ、皆さま参りましょうか」

俺たちはドラゴンの背に乗った、ドラゴンは飛び上がりかなりの速さで飛んでいった


「なんて大きな城なんだ」

思わず俺は心の声が出ていた

「ここがドラゴン王国の城ですわ、さぁ皆さまお父様はこの中です」

そびえたつ大きな城の中へと俺たちは入っていった

中に入ると無数のドラゴン達が両端に並んでいた

「お出迎え、ご苦労様です」

なるほど、流石姫様、すごいお出迎えである

それにこのドラゴンの大きさを考えるとこの城も丁度よい大きさなんだな

そんな事を考えながらエメラルドの案内についていくとひときわ他のドラゴンより威圧的なオーラを放つドラゴンが玉座に座っていた

「お帰り、エメラルド」

「只今帰りました、お父様」

「その方々はお前の友人か?」

「そうです、今回はこの方々がお父様にお願いがあって来たそうです」

「お願い?」

「そうなんです、実は…」

「キュア、俺から話すよ」キュアばっかりに頼ってばかりではいけないと思った俺は話そうとするキュアに割って入った

「陛下、実は我々はあの魔王を倒すために集いました。しかし、魔王軍は大勢力でこの人数では消耗戦に持ち越されたら確実に負けてしまいます。なのでどうかお力添えをしていただきたいと思っております」

「ほほう、お前はあの魔王を討てると?」

「必ず打ちます」

「小僧、口だけならいくらでもいえるわ、お前の様な信用ならん奴に我が兵を貸し与えるほどわしは甘くはない」

そうドラゴンの王は言った、口からは息を吐くのと同時に炎が漏れていた

「ならば我々の力で納得して頂いたらいいのですね?」

「自信だけはあるようじゃな、面白い、ならばここから北にある町、ゴルドンシティのゴルドンを倒して来い、そうすればお前達を認めてやろう」

「ゴ、ゴルドン!?」キュアが驚いて言った

「いつかは倒さなければならないと思ってたけど」

「キュア、ゴルドンを知ってるのか?」

「うん、ゴルドンは魔王軍の幹部にして魔王の右腕よ」

「なるほど、魔王軍で魔王の次に強いのね、でもマスターなら楽勝」レキが頷いていた

「ゴルドンを倒せば俺たちを信用してくれるのですね?」

「そうじゃな、ゴルドンほどの強者を倒せば認めてやろう」

「分かりました、ゴルドンは必ず倒します」俺はそういって立ち去ろうとすると

「ちょっと待て」ドラゴン王が引き留めた

「自信と度胸がある者よ、主の名を聞こう」

「りゅうのすけといいます」

「りゅうのすけか、気に入った、特にりゅうというところが良いの、いい名じゃ」

「ありがとうございます」

「おい、エメラルド、この者は見ればろくな装備をしてないようだ」

悪かったな、今まではバンパイアの力で素手と魔法だけで戦ってきたんだよ、このドラゴン、人が下手に出てたらちょっと言いたい放題だな、と心で呟いていると

「だからエメラルド、この者に我が国最強の宝剣を与えてやれ」

前言撤回、ドラゴン最高!!

「お父様、いいのですか?」

「いいじゃろ、ドラゴンのわしらにあの剣はどうも持ちにくい、唯一、人の姿にもなれるエメラルドも剣は似合わないとわしは思う、どうせあっても宝の持ち腐れじゃ、りゅうのすけにくれてやれ」

「分かりました」そういってエメラルドは奥の部屋から一本の剣を持ってきた、しかしそれは剣というより刀に近かった

「宝剣、ドラブレイドです」エメラルドから剣を渡された

その剣は俺の本の世界の刀に似ていた、少し抜くと切れ味抜群そうな刃は光輝き、刀の背の部分は赤く何か脈を打っているように濃い赤と薄い赤の色が交互に出ていた

ドラブレイドを腰に刺した

「お主、それを腰に差すとよくわかったな、その剣を知っておるのか?」

「そうだよーりゅうのすけー、みんな剣は背中に剣を差すのにどうして腰なの?」キュアも不思議そうに見ていた

「俺の故郷ではこの形の剣は腰に差しているのでこれでいいと思ったんだ」

「へぇーそうなんだー今度りゅうのすけや故郷の話聞かせてよ」

「マスター、私も興味あります」

「わかったわかった」

元の世界で時代劇をよく見てた俺は刀は迷わず腰に差していたけどこの世界は剣しかないからみんな背中に差していたんだな、みんなが驚いていたのに納得していた

「お主なら、もしかして本当に魔王を討てるかもな」ドラゴン王が小さな声でそう言っていたのをかすかに俺は聞いていた

「さぁ行け、りゅうのすけ、わしを信用させてみろ」

「はい!」こうして俺たちはドラブレイドを手に入れてドラゴン王国を後にした


しかし、王国を出てから誰かが俺たちを着けているような気配を俺は感じていた

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