修羅の道
「あ!りゅうのすけいた!どこ行っていたのよー」
路地裏から出た俺をキュアが見つけて手を降っていた
「え!?どうしたのその子?ちょっと私のりゅうのすけから離れなさいよー」そういってキュアも俺の腕にしがみついた、キュアの方がかなり大きく心地よい柔らかな感触を腕に感じた
「マスターは私のマスターです、あなたこそ離れなさい」
女の子二人が俺を取り合ってる、前の世界じゃ絶対無いことだ
しかし、俺はいつからどちらかのものになったんだ?本当に女の子は思い込みが激しくそしていつでもテンションが高いななどと考えている間ずっと二人は言い争いをしているのでとりあえず仲裁する事にした
「まぁまぁ、とりあえず君はなんて名前なの?」
「はいマスター、自己紹介が遅れました」
「私の名前はレキです、マスターの好きなロリ体型です」
それを聞いたキュアがじぃーっと疑いの目でこっちを見ている
「誰がロリ体型が好きっていったんだよー」俺は全力でツッコミを入れた
「あやしー」キュアがじぃーっと俺を見ていた
「怪しくないー!」
「ところで何で俺がマスターなの?レキとは初対面だよね?」と俺は話題を本題に移した
「そうですね、説明不足でしたね、私は星占いができるのです、その占いの結果運命の人、つまりはマスターはりゅうのすけ様、あなただと出たのです」
「まぁとりあえず答えを聞いてもあまり納得出来た様な出来なかった様な、つまり占いを信じて俺に近づいたんだね」
「そうです、後結婚相手もマスターが一番だとも出てました」そう言った彼女のローブがピンク色に変わった
「こらー!さっきから聞いてたら運命の人だの、結婚相手だのと言って!りゅうのすけと結婚するのは私よ!」キュアは頬を膨らませながら言った
「まぁまぁ、そんな事よりレキ、さっきローブの色が変わったんだけど、どういう作りなんだい?」
「はい、マスター、このローブは我が一族の家宝で代々我が一族の賢者達を守ってきた防御性が極めて高いローブです」
「それと一族の者全て感情が表情として現れないのでローブが感情を色であらわしているのです」
「なるほど、ちなみに今のピンクはどういう感情なんだい?」
「羞恥と恋心でピンクになっているのだと思います」
それを言ったとたん更にローブはピンクを増した気がした
レキと出会ってから何か違和感を感じていたがなるほど、会話の内容が明るいのに表情が全然変わらないのに違和感を感じていたのか
「ありがとう、レキ」
「とりあえず、俺は魔王を倒したいからレキの様な賢者がいると本当に助かるよ、だから仲間になって欲しいけどこの戦いは多分厳しい戦いになると思うけど大丈夫かい?」
「はい、心の準備はいつでも出来てます」
「それにレキは強いですよ、マスター」
レキのローブは燃え盛る炎の様な赤い色になり強い信念を感じた
「そういう訳だからキュア、機嫌なおしてレキと一緒に旅しような」
「りゅうのすけがいいなら私はいいよ」
「とりあえず、レキよろしくね、りゅうのすけは譲らないけどこれからは仲間だよ!」
「こちらこそよろしくお願いいたします」
二人はかたく握手していた
良かった、少しは仲良くなれたかな?とりあえず心強い仲間が出来たな
それから俺たち三人はこの町の宿屋を探しやっとの思いで泊まれた
ちなみに自慢じゃないが俺は金がなく、レキも聞けば金がないみたいだったのでキュアの支払いである
キュアは元魔王軍の幹部だけあって当面は金銭面では困らないぐらいある、キュアがいて本当に助かったと思った
その夜、俺たち三人は食堂で食事をしていた
「これ、おいしいー」
「本当にうまいな!」
ここに来るまで長いようで短かったな、クリスを倒してからも、途中途中魔王の手下が来て戦わざるおえなくていっぱいいっぱいだった
力を手にして少しずつ戦いに馴れてきたがやっぱりこうやって平穏な日々、みんなで仲良く戦いの無い生活を送りたいと俺が思っていると
「辛いの、そこの若いの」黒いフードを深々とかぶり大きな水晶を持った怪しげな老婆が話しかけてきた
「えっと?どういうことですか?」俺は老婆に率直に聞いた
「お主の未来はただ厳しく、生ぬるいものではな、お主は耐えられるかな?修羅の道を」
そういって老婆は去っていった
「どういう意味なの?」とキュアもレキも口をかしげていた
しかし俺は老婆がこれからの道は甘くないと言われているように感じた
だがこの時の意味を今の俺に知るよしもなかった
各自、自分たちの部屋に帰って寝ることにした
眠れなかった、老婆の台詞が気になっていた
バンパイアとしての血のおかげでほとんど眠らなくては良かったがそれでもいつもは少しは寝れているのに眠くならなかった
気にしても仕方ないと思った俺はとりあえず目を閉じた
ガチャと扉の開いた音が聞こえた
誰が入ってきた、俺はこのまま寝たふりをすると
「マスター」レキが小声で言って抱きついてきた
ヤバい、風呂上がりのいい香りがする
「マスター、マスター」布団に潜り込み俺の体に自分の体を絡ませてきた、柔らかい
するとまたガチャと扉の開いた音が聞こえた
「りゅうのすけー」と小声でいいながら今度はキュアが近づいてきた
そして俺の布団に潜り込んできた
「あー、何してるのよ!あんたー」
「何って、私はマスターにご奉仕をしようと思いまして布団に入らせて頂いたまでです」
「ずるい、じゃなかったそんな事淫らなことしたらいけないよ!」
「じゃあ、お聞きしますけどあなたは何をしようとマスターの布団に入られたのですか?」
「っ…!!」
「答えられないところをみますとどうせ夜這いでもしようとおもったのでしょう、なんといかがわしい」
「あんたに言われたくないわよー!」
「頼むからもう夜だから静かにしてくれー他のお客さんに迷惑だぞ」
「あれ?起こしちゃった?」
「こんな近くで騒いだら誰だって起きるよ」起きてたけど
「まぁとりあえず夜も遅いから部屋に帰ってもう寝よう」
「はーい」「はい」と言って二人はしぶしぶ帰って行こうとしたら外は明るくなっていた
「あっ」三人の息はぴったりハモっていた
もう夜は明けていた