第7話 死闘
誤字脱字修正しました。
オーガとは体長3メートル程度の巨大な魔物である。
その一撃は岩をも粉砕し、巨体にもかかわらず素早い動きで獲物を狩る危険度のかなり高い魔物でAランクの冒険者が一人で戦った場合でも勝てるとかどうか五分五分の魔物である。
「エミリア危ない!」
「えッ?ガハッ」
オーガは素早くエミリアに接近しエミリアを殴りつけた。
エミリアは勢いよく吹っ飛び、気を失ったのか動かなくなった。
「エミリア!」
「フラッシュ!」
「グァッ!」
実はリュカはここに来る直前、目くらましの魔法を習得していた。
これによってオーガは目が眩んだ。
「フランツ……俺が食い止めるからエミリアを連れて逃げろ。」
「何言ってんだよ!お前死ぬ気か!絶対に嫌だ。」
「いいかフランツ、あれを見て分かったと思うがオーガというのはかなり強力な魔物で噂によるとAランクでも討伐は厳しいらしい。俺たちが戦ったとしても当然勝てない間違いなく全滅だろう。さっきの調査隊の人たちみたいにな。」
「だからって!お前を見捨てることなんて出来るか!」
「エミリアだってどんな状態か分からないし、下手すればあの勢いだ重症の可能性の方が高い。それに僕は運動能力は高くない。エミリアを助けて逃げることなんて出来ない。全滅を避けるにはフランツが連れて逃げるしかない。フランツにしたって途中魔物にでくわせば死ぬかもしれない。」
この森は魔力が高く魔物が発生しやすい。
ゆえに退却途中に魔物と遭遇する可能性が高いのだ。
「それにオーガなんて間違いなく災害レベルの魔物だこのまま町に到達したら町が壊滅というのも考えられる。ギルドに辿り着いて討伐の準備を促してくれ。それに運が良ければ持ちこたえられるさ。」
フランツは自分の運命を呪った。
幼馴染であり大切な友人を見捨てるか全滅という最悪の選択を行わなければならないという状況に気が狂いそうだった。
しかしフランツは決断した。
「必ず迎えに来る。必ずだ!だから持ちこたえてくれ。」
「あぁ……もうすぐ効果が切れる行け!」
フランツは泣きそうになりながらエミリアを背負いその場を去った。
「やっと行ったか……さて化け物よ!僕はタダでは死なない!貴様に一撃だけでも食らわせてくれる!」
「グォオ!」
目が見えるようになった途端オーガは飛びかかってきた。
「バインド!」
「グアッ」
オーガの身体を縛ることは出来なかったが、こけさせることに成功した。
「ハハ……バインドが効かないのかよ。だが隙が出来たかこの隙に逃げよう。」
魔法がはじかれるという現象を目の当たりにして呆気に取られたが動きを止めるのは危険だとすぐに思い至りリュカは逃げ出したがオーガはすぐに立ち上がり追ってくる。
リュカは突然振り向きサンダーを放った。
「サンダー!」
「グオッ」
ダメージこそあまり与えることが出来なかったがオーガは驚いて立ち止まった。
「はぁ、はぁ。魔法でもダメージが全く通らないのか。フラッシュ!」
「グェ!?」
この手は何回か使えると感じたリュカはバインドとフラッシュを駆使して逃げ回るのであった。
時が経ちリュカがどれだけ戦っているのかわからないなっていた。
少なくとも日が暮れて来たので半日は戦っているようだが。
小細工をしつつなんとかオーガから逃れていた。
フランツとエミリアを逃がして半日が過ぎ、リュカの体力も限界に近づいてきた。
木の後ろに隠れてオーガの行動を観察する。
どうやら知性自体はないようでひたすらその怪力で遮るもの全てを破壊していく化け物らしい。
今も木を殴り倒しながらリュカを探している。
そして、とうとう見つかった。
「クッ、見つかったか!バインド!な……なんで!?出ないだ!?しまった!魔力切れか!グッ!」
次の瞬間リュカはオーガの拳による一撃をくらって吹っ飛んだ。
「あぁ、終わった……だが最後に一撃だけでも!」
オーガはリュカを捕まえた。
どうやら丸呑みしようとしているらしく口を大きく開けた。
「くらいやがれ!サンダー!」
「グェアア!?」
バインドは消費魔力が大きく発動出来なかったが、初級魔法であるサンダーは発動できたのである。
「皮膚とか身体の表面は初級魔法なんて効かないかもしれないが内側は効くだろう!」
しかし、致命傷には至らず怒り狂ったオーガはリュカに拳を振り下ろした。
とうとう死ぬのか……っとリュカは諦めたがその拳を振り下ろす前にオーガは目の前で燃え尽きた。
目の前に長い黒髪でメガネをかけた美しい美女が杖を構えて立っていた。
「よく持ちこたえね。後は私が責任をもってギルドまで送り届けてあげよう。少し寝ていなさい。」
リュカは安堵から一気に力が抜け目を閉じた。
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