第5話 パーティ結成
「黒いウルフ……ですか?」
「はい、仲間が殺された瞬間に戦わずに引いていきました。普通のウルフと違い不利な状況を察しての潔い逃げ方といい知性があるような動き方でしたね。」
無事に町に帰って来た一行はエミリアが怪我をしていたのでギルドの医務室に連れて行った後、クエスト達成の報告と魔物についての報告をしていた。
「町の近くに魔物が出るだけでも珍しいのにウルフの変異種ですか・・・これは近々タイレンの森を調査しに行った方が良いかもしれませんね。」
「確かに警戒は必要だと思ったので報告しましたけど、調査まで必要な段階とは思えないのですが?」
町の近くに魔物が出てくることがあまりないとは言え、全く出ないということはないのだ。
「実はここ最近魔物の目撃とそれによる魔物の被害が多くなってきているんです。」
「魔王でも復活したんだったりしてな。」
「魔王なんて神話の中の存在だろ?存在するわけがない。」
「まぁ何はともあれお疲れ様でした。エミリアさんを助けていただいたこともありがとうございます。そしてウルフの討伐に成功したことよりギルドランクのアップをさせて頂きます。」
「ランクアップできるのですか?ウルフ3匹しか討伐していないのですが……」
「本来Fランクというのは採取や雑用をこなしてEランクにランクアップするのですが、リュカさん達の場合その過程をすっ飛ばしました。さらに本来であればイノシシなどの動物の狩りによってEランクからDランクになります。そしてやっとDランクになって魔物の討伐に挑戦するのが普通なのですがいきなり魔物を討伐してしまったため、ランクをFからEにあげさしてもらいます。」
「おお!ラッキーだな。いきなりランクアップできるとは。でも魔物の討伐がDランクなら何でDランクじゃないんだ?」
「おそらく技術、知識、経験のあたりを考慮してのランクアップだろうね。」
「リュカさんのおっしゃる通りです。いきなりランクアップすると依頼の難易度も上がり、依頼の難易度も上がり人数的にもきつくなってきますのでパーティを作ることをオススメします。」
「パーティか確かに便利ですね……考えておきます。」
「是非とも考えておいてくださいね。」
話を終え宿に引き上げようとした時エミリアがロビーに入ってきた。
「おお!エミリアだっけ?怪我は大丈夫なのか?」
「はい!大丈夫です。ご心配をおかけしました。」
エミリアは頬を赤く染めながらフランツに向かって言った。
「そうだ!リュカよエミリアにパーティ参加を頼んでみないか?ウルフ4匹の攻撃を防いでいたし、ある程度は戦えるだろう。」
「え?まぁ僕は構わないが……エミリアさんどうかな?」
「わ、私がパーティにですか?こちらこそ是非お願いしたいぐらいですが。」
「よし!なら決定だ。これから仲間として一緒に頑張ろう!」
「はい!」
パーティに誘われたときのエミリアの表情が一瞬狩り人のように見えたのはきっとリュカの気のせいだろう。
「エミリアさんは盾と片手剣だったね。両手剣使いのフランツが前衛でエミリアさんも前線よりでフランツをサポートしつつ敵の攻撃をうまく防御、そして僕が後衛からの魔法を放つ……か、まぁまぁバランスが良いね。後1人くらい中距離からの攻撃が出来たらいいんだけどね。」
「そうだ!パーティ名を決めよう。」
「パーティ名?僕はそういうのを考えるのは苦手だから任せるよ。」
「英雄紅蓮隊とかどうだ?」
「却下だ!なんでそんなバカみたいなチーム名にしなきゃならないんだよ!却下だ却下!却下以外の選択肢があるだろうか、いやない!」
「そこまで言わなくていいじゃないか……」
「あの、アンダンテというのはどうでしょうか?」
「アンダンテか音楽用語だね。意味は歩くような速さでだったよね。良いね!それにしよう。」
「俺の時とは反応が違うけど……まぁ悪くないんじゃないか?」
こうしてリュカ達はエミリアを仲間に加えパーティ「アンダンテ」を結成したのである。
書けない!書けないんだ!長い文がヽ(´o`;
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