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第21話 出撃

 フランツ達がもたらした情報は一次町にパニックを陥った。

 しかしルーネとアースという二人のSランクとエマさんというギルドマスターにSSランクの冒険者が居るということで一応の落ち着きをもたらした。


「領主様がいないだって!?」


「はい。情報が行き渡るとすぐに兵を率いて私物の船を使って逃亡したそうです。さらに悪いことにほとんどののAランク冒険者が町から逃げ出しました。現在Aランク冒険者は三人です。」



 タイレンの町の領主は悪政を敷いていたとまでもいかないが国が決めた税よりもいくらか多めの税を納めさせそれを横領していた。

 他の町の欲深な領主とは少し違い住民の限界を見極め不満出すぎない程度にコントロールするそんなずる賢い領主であった。


 状況を見据えるのが上手かったのだろう。

 今回も早々に諦めて逃げたしたらしい。



「唯一の大型船を使われた上にAランク冒険者の逃亡・・・これで住民を避難させることが出来なくなったよ。」



 ルーネが渋い顔をしていた。



「お師匠さま。あなたが使える最高の魔法を放ってどれだけ魔物を潰せますか?」


「多く見積もっても50、60程度が限界だろうね。しかも必要魔力が高すぎて2発が限界だ。」


「二発放つのはダメですね。温存して一匹でも多くの魔物を倒してもらえないといけませんから。」


「え!?戦うつもりかい?リュカくん!無茶だ!」


「今から逃げても間に合いませんよ。補充も何も出来ていない。町の外は魔物であふれている。フランツも逃げ出そうとしないでしょう。それに町の人を見殺しになんてできません。」



 実際逃げ出したところで行くアテなどないのだ。

 それならむしろここで迎え撃った方が生存する確率は上がるとリュカは考えた。



「それに勝てば英雄ですよ。僕にだって野心くらいありますよ?」



 リュカはニヤリと笑った。



「私にとってはありがたいことです。」


「エマさんも残るのですか?」


「ギルドマスターですから。それにソウケンさんも残ってくれるそうです。」


「騎士団も残るのですか。ちなみにこちらの戦力は?」


「リュカさん達を除いて戦闘への参加を表明している方はAランク三名、Bランク六名、Cランク十名、Dランク二十二名。騎士団が十名です。」


「大体六十人程度ですか。キツイですね。」


「でもやるしかありません。SSランクの実力を見せてあげますよ。」



 エマさんは不敵に笑った。



 あっという間に二日が経った。

 その間に町の要塞化が住人たちによって突貫作業で進めれた。


 防衛に関しては西は海に囲まれているのでそちらから攻められることはない。

 防衛は冒険者による部隊を四つにわけそれぞれ指揮官にはエマ、アース、Aランク冒険者二人が選ばれた。


 北に二人、東に一人Aランク冒険者部隊を配置。

 南にエマ、東にアースが配置された。


 アース以外のアンダンテのメンバーと四名程度の冒険者は初めに敵部隊と接触し出来るだけ多くの魔物を倒す遊撃隊となった。

 隊長はフランツである。


 ソウケンによる騎士団十名も遊撃隊である。



「リュカ。」


「なんだよ?」


「絶対に生き残るぞ。」


「死ぬ気なんてさらさらないよ。フランツこそ死ぬなよ。」


「誰にむかって言ってるんだ?俺はSSSランクになる男だ!」


「そうかい。ではフランツ様号令を。」



 フランツは大きな声でフランツ隊の面々に話しかけた。



「フランツ隊出撃する!」



 おお!という掛け声が上がりフランツ隊はタイレンの町から出撃した。

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