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ダストワールド ~全宇宙のゴミ箱と呼ばれる世界の物語~  作者: 灰色
第2話 エロトラップダンジョンの意義
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3 それぞれのワガママ

 ロスパーの力で足元の魔法陣が作動し、レウルたちは光に包まれた。

 気付くと三人は最初の入口へと戻されている。


「振り出しですね」

「最初の注意を、もっと良く聞くべきでしたわ」


 ケイとエニが溜め息を吐きながら言った。

 そして二人がレウルに意見を聞こうとした時、何かが地面へ倒れる音が周囲に響く。

 そこには大粒の汗を掻き、呼吸を荒くして倒れているレウルの姿があった。


「レウル様!?」

「レウル!!」


 ケイとエニが慌てて駆け寄り、二人の声を聞いた他の職員もやって来る。

 そこで一旦調査は中止となり、レウルは急遽病院へ運ばれる事になった。


******


 その日の夜。とある病院にある個室の病室。

 大き目のベッドでは、レウルが息を荒くして苦し気な表情で横になっていた。

 その様子をケイとエニ、そして駆けつけたジンが心配そうに見ている。


「検査結果から言うと、大量の媚薬を浴びた影響だ。死にはしないが、発散しない限り、数時間から数日は薬が抜けるまで苦しみ続けるだとさ」


 ジンがレウルの状況をケイとエニに伝えた。

 左手の人差し指は、刀の柄を軽く叩いている。

 それは不機嫌な時のジンの癖だった。


「単刀直入に聞く。あんたら何のために着いて行ったんだ? この媚薬の効果は知っていたはずだ」

『……』


 静かなジンの問いかけに、エニとケイは沈黙で答えた。

 やがてジンが大きく溜め息を吐く。


「すまない。八つ当たりだった。どうせこのバカがさせなかったんだろう? 変な所で潔癖だからな、コイツは」


 ジンの刀の柄を叩く音が止まる。


「正直、今あんたら異性が居るだけでも、コイツの負担になる。同性でもキツイかもな。面会謝絶だ」


 そう言うとジンは歩き出し、ドアに手を掛けて口を開いた。


「あんたらが居る間は、部屋の監視カメラを切って人払いもしておく。その気が無いなら部屋から出て行けばいい」


 ジンがレウルを見つめているケイとエニを一瞥する。


「……レウル支部長の事を頼む」


 最後にそれだけ言うと、ジンは部屋を出て行った。

 残されたケイとエニは微動だにせず、レウルを相変わらず見つめている。

 その時、レウルの身体からリトが現れてベッドに座った。


「二人共、ジンが言った通り見ているだけなら出て行って。私がするから」

「リト様……」

「リトさん……」


 リトが、苦悶の表情を浮かべているレウルの頭を撫でながら言った。

 その手を止める事なく、リトはケイとエニをその青い瞳で見つめる。


「二人がどうして何もしないか分かるよ。レウルの意志を尊重しているからだよね?」


 リトの問いに、ケイとエニは頷いて答えた。


「ありがとう。それはとても嬉しい。でもね……彼、バカだからね。自分が傷付いても大丈夫っていうバカだから」


 リトがレウルを見ながら微笑む。


「無理に彼のわがままに付き合わなくていいんだよ? だって、こっちばかり我慢するのは、なんだか腹が立つからね」


 寝ているレウルの頬を、ほんの少しだけ弱くリトはつねった。


「二人がしたい事は何? このまま去る事? それとも今のレウルを助ける事? 好きな事をしていいんだよ」

『……』


 ケイとエニはお互いを見て頷くと、立ち上がる。

 ケイは自分の上着のボタンを外し、エニはカーディガンを脱いでレウルに近寄った。


「じゃあ、後は任せるね。レウルこと、よろしく」


 最後にリトはレウルに軽くキスをすると、レウルの身体の中へと消えた。

 そしてレウルが気が付く。


「……なんだお前ら、まだ居たのか。早く部屋から出て行けって。これぐらい大丈夫だ。すぐに良くなる」


 力無くレウルが笑う。

 そんな姿に、ケイとエニは小さい溜め息を吐いた。


「リトさんの言う通りですわね」

「付き合いの長いリト様には敵いませんね」


 二人はお互いを見て笑い合い、レウルだけは眉をしかめる。

 そしてレウルを見て微笑むと、その服に手を掛けていった。


「お、おい。何してんだ? だからそういうのは……」

「黙りなさい」

「もう、レウル様は静かにしていて下さい」


 ハッキリと拒絶され、レウルが驚いた表情になる。


「本当、我慢ばかりしていたこっちがバカバカしくなってきましたわ」

「最初からこうすれば早かったですね。振り出しに戻る必要もありませんでした」


 言いながら二人は器用にレウルの服を脱がしていった。

 抗おうとしたレウルだが、薬の影響で上手く力が入らず諦める。

 やがて覚悟したように口を開いた。


「今の俺は薬の影響でまともじゃないぞ……それでも良いのか?」

「問題ありませんわ。むしろそっちの方が楽しめるというもの」

「たまには三人というも、趣があって良いでしょう」

「……そうか。遠慮はできないから、覚悟しろよ」


 レウルが上半身を起こし、ケイとエニを見つめる。

 そんなレウルに二人は微笑んで抱きしめた……。


******


 レウルが入院した翌日の朝。

 レウル、ケイ、エニたちはロスパーが管理している施設のロビーへと来ていた。

 他にも待機している職員が何人か居る。


「いやぁ、実に気持ちの良い日だ」


 無事に退院できたレウルは、背伸びをして活き活きとしていた。

 一方、ケイとエニはどこか少し疲れたような顔をしている。


「さて……じゃあ、いっちょやり返すか。俺たちなりのやり方で、な」


 そんなケイとエニに、レウルはニヤっと笑った。


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