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ダストワールド ~全宇宙のゴミ箱と呼ばれる世界の物語~  作者: 灰色
第2話 エロトラップダンジョンの意義
14/16

ダンジョン プロローグ

※本編に過度な性描写などはありません※


******


 ある日、リセイユ国転移物対策組織第1支部の司令部は、新しく転移してきた建造物の調査をする調査隊のサポートをしていた。

 どの国の転移物対策支部も、支部長が総司令官を兼務しているが、現場に立つ事が多いため、司令部の職員が代わりをしている。

 トップがいなくなる、あるいは独断専行などが起きても、混乱を最小限を抑える為の処置であり、それぞれが自分の成すべき事を考える体制が作られていた。


『こちら所定の位置に着いた。転移物は山の中に埋まっている模様。入口を発見』


 その建造物は大きい為、普段使われる転移場から少し離れた山に転移していた。

 調査に向かったのは男女二人ずつ四人の隊で、何かあった時のために救助隊と医療隊も離れて待機している。


「司令部了解。カメラを付けて記録しながら、注意して進んで下さい」

『あー……。一応言っておくが、見ても驚かないように』


 調査隊の隊長である男性の声が、妙に戸惑っている。

 そしてカメラがオンになると、司令室にいた職員全員が目を疑った。


『ようこそ、エロトラップダンジョンへ。種族繁栄こそ、未来へ繋がる架け橋! さぁ、恐れずレッツ子作り!!』


 司令室の大きなモニターに打つし出されたのは、そんな文言が書かれ、極彩色の看板をデカデカと掲げた大きな門だった。

 さらにそこには開店準備中とも書かれている。


「……はい?」


 司令室に居た職員たちが目を丸くして、間抜けな声を上げた。


『言いたい事は分かるが、何も聞くなよ? それでどうする? 準備中だとよ』

「あ……そうですね。建物だけの場合、開店する事もないでしょうし、注意して中を確認して下さい」

『了解。おい、行くぞ。陣形を乱さないよう注意しろ』


 門は鍵などは掛かっておらず、隊員が押すと簡単に開く。

 中には受付ロビーのようになっていた。

 カウンターがあり、奥へと続くドアが一つあった。

 そして、職員が奥へ続く扉を開ける。

 そこで広がっていたのは、山の中とは思えないほど、整地され迷路になっている場所だった。


『どうやら看板通り、中は入り組んでるな。迷路みたいになっている』

「そのまま中へ進んでください。何がある分からない以上、細心の注意を」

『了解した。みんな、慎重に進むぞ』


 職員たちが、注意しながらゆっくりとさらに奥へと進んでいく。

 モニターは入り組んだ道を歩く職員たちを映し出していた。

 その時、軽快な音楽と共にアナウンスが流れる。


『ようこそ、明るい未来計画。人は宝、宝は人。労働力こそ、新たな世界を築きます。滅亡にひんした世界を今こそみんなで救いましょう』


 合成された機械音声が迷路中に響く。

 その時、迷路に入った職員の一人が叫んだ。


『た、隊長さっきまであった道がありません!?』

『なんだと! 他の道は?』

『それが……我々が歩いた道が無くなっています!』

『くそっ、罠か!!』

「すぐにその場からの退避を! 救助隊も準備が終わり次第、突入して下さい!」


 司令部が指示を飛ばしたその時だった。


『な、なんだこれは! 壁から複数の触手が!!』


 と、カメラに壁から生える触手が映し出されたが、その時に触手が当たったのか映像が途切れ、音声だけが司令室に流れる。


『何これネバネバした液体が天井から……きゃあぁあ! ふ、服! 服が溶ける!!」

『この触手さっきからなんで変な絡み方して来るんだ! そんなとこ触んな!』

『おい! ガスだ、全員気を付けろ!』

『このガス……なんだか甘い匂いがする。か、身体……熱い……』


 音声だけで切羽詰まった状況が知らされる。


「救助隊! そっちはどう!?」

『こちら救助隊、建物内の扉を開けたら壁だった。本当に道が無くなっている』

「中に入った職員の位置は?」

『それはそう遠くない』

「魔法でも道具でも何でもいいから、掘り進んで救出を。すぐに応援をそちらに送ります」

『了解した』


 一方、侵入した職員たちは不気味なほど静かだった。


「調査隊、大丈夫? 返事をして下さい!」

『……熱い、凄く熱い……うずく』

「?」


 とりあえず返事は帰って来たが、どうもその声は熱を帯びているようだった。

 そして調査隊四人からは、妙な発言が聞こえて来る。


『隊長……私、隊長を見ていると、身体が疼いて仕方ないんです……」

『俺もだ……お前は綺麗だな』

『俺さ、お前の事、好きだったんだ……』

『わ、私も……この身体の熱を一緒に冷まさない?』


 司令室に居る職員全員が怪訝な表情を浮かべる。


『俺の子を産んでくれ……』

『もちろんよ、ダーリン』

『お前は俺の天使だ……』

『そんな、恥ずかしい……でも、嬉しい。一緒に天国へ行きましょう』


 そんな会話を皮切りに、とてもお子様には聞かせられない音声が、司令室中に響き始めた。


「……」


 絶句し、静かな司令室に何とも言えない音と声が響き渡る……。

 やがて何かが終えて、静かになった。


『こちら救助隊。急に道ができて調査隊の四名を発見、これから救助に……』

「こ、こちら司令部。四人状態は!?」

『あー、そのなんていうか。軽く調べた結果、命に別状はなく、怪我も擦り傷程度。ただ……』

「ただ?」

『全員なぜか裸で抱き合って気絶している模様。とりあえず、回収して近くの病院へ移送する。以上』

「り、了解です。何か分かり次第、至急連絡して下さい」


 そこで、通信が終わりモニターも消される。


「これ、どうする? 何か凄い面倒くさそうな感じがするんだけど?」


 司令室に居た一人の男性が言った。


「確かにそうね。こういう時は……」

「レウル支部長に任せましょうか。あの人、こういうの好きそうだし」

「そうだな。率先して調査してくれるかもしれない」

「じゃあ、この件は支部長にお願いするという事で」


 司令室に居た全員が納得したように頷く。

 優秀な理解ある職員のお陰で、レウルに仕事が与えられる事になった。


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