21.三人衆と出られない部屋
丁京都フリーヶ丘。
住みたい街ランキング常連・スイーツの聖地として知られるこの街には──
今日も恐ろしい(?)悪の組織が存在していた。
そして今回、グシオンの恐ろしい発明が牙を剥こうとしていた。
アレプト不在。
男三人衆がなにやらやらかす回です。
一体どうなってしまうのか。
ごゆるりとお楽しみください。
「できました、アレプト様の指示がなくても僕らがきちんと悪事を働けるかどうかの判断装置━━『○○しないと出られない部屋』です!」
「雑なエロ漫画の導入みたいな発言だなあ」
「僕の発明を大衆娯楽と一緒にしないでください!」
「アレプト様から許可は得ているのか」
「勿論です!ということで開始しますね」
グシオンはボタンを押す。すると部屋にロックがかかった。
「それで、アレプト様はどこで見てるの?」
「え?見てませんよ。許可だけ取ったら好きにしろって言われました」
流れる沈黙。
「アレプト様は結果を提示しろと言っていました!まず最初のお題です!」
グシオンがボタンを押す。すると壁に文字が投影された。
「……『お互いの長所を言う』、か」
「合コンの話題作りじゃないんだからさあ」
「なんですか!お互いのことを知ることは仲間意識の繋がりの強化になるんですよ!」
「長所か」
オティスは一旦悩んだのち、口を開く。
「ブエルは咄嗟の判断力がある、グシオンの発明品は一級品だ」
「そうそう、そんな感じです!そうですね、オティスは剣捌きが一流、ブエルは手数が多くて器用、ですかね」
「案外ノリノリだね。え?あと俺ぇ?うーん……オティスは顔がいい、グシオンは……メガネが似合う」
「そうでしょう、メガネが一番似合うのは僕ですからね!これでオーケーなはずです!」
壁を見ると、そこには大きな丸が描かれていた。
「ということで次のお題です!」
「本当に合コンみたいになってきた」
デデン!と音がすると壁にはこう書いてあった。
『アレプトの嫌なところ』
「……なんでこんなの入れたの?」
「あれ、おかしいですね、こんな質問入れた記憶ないんですけど……」
グシオンが不思議そうな顔をする。
「アレプト様が弄ったんじゃないのか」
「それもそうですね!……で、どうします?」
「暴君」
「ヒステリック」
「研究に口出ししてくるところ」
全員一斉に口を開く。壁には大きな丸が再び描かれる。
「……これ、アレプト様が知ったらキレるんじゃないの?」
「その時はその時だ」
「……まあ大丈夫でしょう!」
グシオンは再度ボタンを押す。壁にはこう書かれていた。
『アレプトが天使セラより優れているところ』
「ねえこれ絶対アレプト様が質問弄ってるよね?!」
「こんなこと……今まで聞いてきたことないぞ……!」
「ふむ、アレプト様のコンプレックスはこんなにも拗れていたんですね……」
重い空気が場を支配する。三人は目線を合わせない。
「……人の心があるところ」
「なっ……それは私が言おうとしていたことだぞ!」
「はいはいはい!僕を認めてくれたところ!」
「それも私が言おうとしていたことだ!」
三人は殴り合いの喧嘩を始める。もはや部屋の意図を忘れ、殴り、蹴る。
「それで、十時間もかかったっていうの?バカじゃないの?」
結果を受け取りながらボロボロの三人を前にアレプトは言う。
「ふーん、……なかなかいいじゃない。って何よこの質問群!」
「え?アレプト様が設定したんじゃないんですか……?」
「するわけないじゃない、自分の評価なんて。あんたたちがついてきていることが私が優れていることの証拠でしょ」
三人は呆然とする。
「じゃあ一体誰が……?」
ブエルのつぶやきは、虚空へと消え去った。
「第二部になってから出番がないからね、こういう粋なサプライズは必要だろ?」
「アイちゃんもそう思います!いやー、ガバガバセキュリティでした!」
チートとは、何をやっても許されるものなのかもしれません。
そんな回でした。
より一層(?)結束が高まった超悪い子軍団を、
これからもよろしくお願いします。
次回もお楽しみに!




