20.悪の組織と免許
丁京都フリーヶ丘。
住みたい街ランキング常連・スイーツの聖地として知られるこの街には──
今日も恐ろしい(?)悪の組織が存在していた。
そして双子玉川には教習所が存在していた。
今回はブエルが免許を取りに行く話です。
ごゆるりとお楽しみください。
ブエルは一人、双子玉川の教習所へと来ていた。
もうすぐ十六歳になるブエルは、通学のためにバイク免許を取ろうとしていた。
「あら?したむら君じゃありませんこと」
「本当だ、こんなところに何の用?」
聞き覚えのある声が二人分、聞こえてきた。
そちらを見ると、Nico×Jumeauxの二人がいた。……ジャージ姿の。
「……一瞬わからなかったけど、お前たちかよ。教習所に来てるんだから免許取りにきたに決まってんだろ!あとしたむら言うな!」
「ダッサイ方の名前なんて覚えるつもりありませんわ」
「失礼だな!お前たちのジャージのほうがダサいだろ!」
「わかってないな、このジャージはお前の服の五倍の値段はするんだぞ」
「……それで、なんでそっちはこんなところにいるの?ここまでロリィタで染め上げる気?」
そうブエルが尋ねると、二人は胸を張って答える。
「僕らは大型免許の最終実技試験を受けにきたのさ!」
「これで双子玉川に可愛いデコトラを走らせる夢にまた一歩近づきましたわ!」
デコトラは可愛いのか否か。ブエルは考えを放棄した。
「え?ってか大型免許……?」
「僕たちはゴールド免許ですのよ!」
「見るがいい、この輝きを……!」
そうして二人は免許証を見せてくる。二人の免許証は中型免許だった。
そして━━
「え、お前たちってにじゅう」
「年齢を指摘したら殺しますわよこのクソガキ」
「僕らの心は永遠の少年少女だ」
「あ、すみません」
これ以上ツッコんだら労災も効かずに死ぬことになる。ブエルは黙ることにした。
「まあいいや、俺、バイクの免許取りに来たんだけど受付ってどこかわかる?」
「あそこの窓口ですわ」
「あ、ありがとうございます、じゃ、試験頑張ってください」
そう言いそそくさと窓口へと向かう。
そして一通りの手続きを終え、双子玉川ライスでショッピングをしたのちにフリーヶ丘へと帰るのであった。
後日。
免許講義を受けに再び双子玉川へと向かったブエル。信号待ちをしていると、目の前を豪華なトラックが横切る。
(渋山とかじゃないのに……珍しいな……)
そう思いトラックを見ると━━見覚えのある二人、Nico×Jumeauxの顔写真がデカデカと貼られていた。
横には「双子玉川をロリィタの街に」とスローガンも書かれていた。
「……いいんだ、あれ」
街の景観破壊も悪事の一種かもしれない。でも、合法なのだ。
ブエルはそう思いながら教習所へと向かうのであった。
にこじゅわのジャージ、幾らするんでしょうか。
考えただけでも恐ろしいですね。
双子玉川に走るデコトラ。
合法ながらも外観破壊という恐ろしい悪事です。
次回もお楽しみに!




