17.悪の組織とファッションチェック
丁京都フリーヶ丘。
住みたい街ランキング常連・スイーツの聖地として知られるこの街には──
今日も恐ろしい(?)悪の組織が存在していた。
そして恐ろしい、ファッションチェックも開催されようとしていた。
そんなこんなでファッション回です。
ごゆるりとお楽しみください。
「ダッサい、ダサすぎますわ!」
「人のアジトに入ってきて早々失礼ね」
Nico×Jumeauxの二人がアジトに来たい、というので嫌々連れてきたところ、苦言を早々に呈される。
「初対面なのに失礼ですねえ!一体なんなんですかあなたたちは!」
「ああ、ダサい!ダサすぎますわ!」
「お前、なんだその格好。Yシャツにアイロンがかかってない、やる気のないスキニーに白衣だなんて。最後に洗ったのいつだ」
「失礼ですねえ?!一週間に一度は洗ってますよ!」
「極め付けはなんだその便所スリッパは」
「べっ……本当に失礼ですねえ、これが一番動きやすいんですよ!」
「グシオン、泣いていいわよ。……それで本当なにしにきたのよ」
アレプトが呆れながら言う。グシオンは早々にボロクソに言われ半泣きだ。
「勿論『超悪い子軍団』のセンスの確認ですわ!同盟相手たるもの、この『Nico×Jumeaux』と同じセンスを持ってないと!」
「そう思ったけどこのマッドサイエンティストみたいな男のセンスが最悪すぎる」
「うちはそういうの自由にしてんのよ」
そんなことのためにあんなに駄々を捏ねてたのか、とアレプトは呆れる。
「んー、そこのお方」
「……なんだ」
「素材は逸品だな、ただ服がシンプルすぎる」
「いえ、逆に素材がいいからこそシンプルに……って服の素材ペラすぎますわね」
「服など動ければそれでいいだろう」
「……なんだって?」
ノワールの眉が上がる。
「あなた、ファッション舐めてますわね?ファッションこそ思想、自己主張の要ですわ」
「それを疎かにする者が世界征服?笑わせるね、論外だ」
「いや世界征服に服は関係ないわよ」
それに対しオティスは胸を張る。
「服などただの飾りだろう。大事なのはキャラだ。この私の素晴らしい艶の髪を見るがいい」
「くっ……確かに枝毛一本もありませんわね、でも身嗜みも含めてこそのファッションですのよ?」
互いに一歩も譲らない。間に火花が散る。
「え、これ順番にやられてく感じ?」
「あなたは……したむらで十分ですわね」
「無個性すぎる」
「なっ……したむら、いいじゃんか!安いし!」
ブエルは抗議の声を上げる。
「それで最後にアレプト……君も本当に惜しすぎる。何を目指しているんだい?」
「素材はいいのに方向性が行方不明ですわ」
「じゃあ逆に聞くけど何を着ればいいのよ」
「「ロリィタ」」
アレプトは頭を抱える。
「あのねえ、あんたたちと違って私たちは戦ってるの。いざという時に動きにくいなんて論外よ」
「可愛さがいちばんの武器、だよ♡」
「ひと目見てわかる思想こそ強さだ」
「あんたたちのところの正義の味方、大変そうね……」
アレプトは遠い目をする。
「うふ♡あいつらは思想がわからない愚か者ですもの」
「ロリィタの価値がわからない野蛮人だ」
「それじゃあ次回までにセンス、磨いておいてね、アレプトちゃん♡」
「また視察に来るからな」
「二度と来ないで!」
後日、サイズぴったりのロリィタ服が届きアレプトは戦慄した。押し入れに閉まっておいた。
好きなファッションは人それぞれ。
好きなものを好きなように着ればいいと思います。
次回もお楽しみに!




