閑話休題2.アレプトと悪役令嬢
丁京都フリーヶ丘。
住みたい街ランキング常連・スイーツの聖地として知られるこの街には──
今日も恐ろしい(?)悪の組織が存在していた。
……はずだった。
そんなわけで(?)今回はアレプトが異世界で悪役令嬢になる話です。
ごゆるりとお楽しみください。
私は悪の組織「超悪い子軍団」のリーダー、アレプト……のはずだった。
気がついたら、中世ヨーロッパ風の世界にいたのだった!
「なによここ!コルセット苦しいわね!」
「アレプト様、どうかしましたか?」
侍女らしき人間が聞いてくる。記憶によれば……名前は確か「ウラギ・ルー」だったか。絶対裏切るじゃないの!
「いえ、なんともないわ。それよりこのあとはどういう予定だったかしら」
「このあとは婚約者の『メチャ・モテ・マクリー』様との婚約披露パーティーですよ」
「もう名前で出オチじゃない!」
頭を抱える。思い出した。この婚約者は令嬢どころかメイドにまでモテまくりなのだ。
「アレプト!」
確か友人の「ゼン・リョーデス」が部屋に入ってくる。……絶対に裏切らないわね。
「あのね、アレプト……私見ちゃったの、庭園で、メチャ様が男爵令嬢の『ジッハ・コウキー』と逢引きしているところを……!」
「絶対男爵の地位じゃないわね!」
「そうなの、ジッハは実は伯爵家の隠し子じゃないかって噂がたっているのよ……」
「やっぱりそうだったわね!」
……つまり私は流行りの悪役令嬢ってことか。
このあと想像できるのは二パターンだ。
悪役令嬢である私が断罪されるか、私が反旗を翻しざまあ展開をするかだ。
でもそんな世界のルールに乗ってられない。
「任せなさい、この世界のルール、破ってやるわ……!」
そう、やるべきことは──メチャ・モテ・マクリーの断罪よ!
「そう、私はここで婚約者のアレプトとの婚約破棄を宣言する!」
「きたわね!」
そう答えると、会場はざわつく。
「国王、ここに証人を呼ぶわ。……みんな、出番よ!」
そう言うと沢山の令嬢、メイドが出てくる。
「私の婚約者、メチャ・モテ・マクリーはこの子達に手を出していたわ!身分をタテにね!」
そう、短い時間で行ったこと。それは婚約者の不貞の証拠入手だった。
最初は全員言い淀んだものの、金をチラつかせればみんな証言した。ほら、私は悪役令嬢らしいし。実家も太いみたいだからね。
「なっ……!」
「みんな、あとは好きにしていいわよ」
全員が「おー!」と言うとヒールのついた靴でメチャをボコボコにする。いい気味ね。
「じゃ、私は帰るから。あとはよろしくね」
「っていう夢を見たのよ」
「女ってこえー」
「女じゃないわ、私が怖いのよ」
悪役令嬢になっても、アレプトはアレプトでした。
世界線が変わっても性格はそのままです。
次回もお楽しみに!




