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神の選定  作者: のすけ
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第1話

はじめまして、作者の”のすけ”です。

この物語は、中学生たちが異世界に転移し、成長していく群像ファンタジーです。

少年少女たちの葛藤・仲間との絆・壮大なバトルといった熱い展開が好きな方に届けば嬉しいです。

転移、バトル、伏線、そして最後には希望を込めた結末を目指しています。

感想・評価など、お気軽にお寄せください。

よろしくお願いします!

春の光が窓から差し込む。

西ヶ丘中学校の1年3組には、退屈な日常が流れていた。


「なあ、久賀ってさ、マジでサボテン育ててんの?」

「うるせぇな、中原。植物に謝れよ」


教室の後ろでは、久賀えいじと中原りくがくだらない口論をしている。

前列では、葉山こはるが静かにノートにメモを取っているが、明らかに退屈そうだ。


「今日、掃除当番なのに...なんで数学なんだろ」

と、北川ほのかがあくび混じりに呟く。


教壇に立つのは、白髪交じりの柴田先生。板書しながら、急にこう言った。


「“もし世界が明日終わるなら、君たちは何を選ぶか”……これは哲学だ。記述しろ」


とたんに、教室の空気が張り詰めた。

――が、それも一瞬。


「やべぇ、鉛筆落とした」「お腹鳴ったんだけど」

どこまでも、いつもと同じ。

この日常は、変わるはずがなかった。その瞬間までは。


教室の時計が、午前11時22分を示したとき。


光が、教室を包んだ。


それは雷でも太陽でもない、“青”だった。

鮮やかで、冷たく、優しくもあり、底知れない怖さもある蒼い光。


「なに……?」

「見ろ、天井が……割れて……」


空間が“めくれ”、教室の風景が崩れていく。

重力すら失ったように、生徒たちは浮き、叫び、光の渦に飲み込まれていく。


気がつくと、こはるは草原の中にいた。


「……夢? じゃない、これ、現実……!」


彼女の近くで、美波ゆいが地面に座り込んでいた。


「こはるっ!? 生きてる? ここ、どこ……?」


「ゆい……! ここ、どこ……っ」


次々に、仲間たちが集まってくる。

そうま、ななせ、りく、えいじ、ほのか、はると……そしてこはる自身。


「全員、いる……? なにこれ、夢……じゃないよね」

と、そうまが周囲を見渡しながら呟く。


見知らぬ植物、異常な空気、空には二つの月。

ここは、地球じゃない。


「これって……異世界転移……じゃね?」

と、えいじが最初に言った。

誰も笑わなかった。

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