表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夕陽が沈む国のレプセント  作者: violet
未来に向って
70/91

兄との再会

セリアの姿をみつけたのはレプセント軍の騎士だ。

「セリア様?」

その騎士は、後ろにいるケイトリアを見ると駆け寄って来た。

「よくぞご無事で。すぐに案内します」


セリア、ケイトリア、ルドルフの3人は騎士に連れられて隊の中を進む。

多くの騎士がケガをしている姿が目に付く。

すでに連絡が言ったのか、ユージェニーが駆けてきた。


「母上、セリア!」

ユージェニーが二人を抱きしめると、横からルドルフが声をかける。


「戦闘中の軍隊にお連れして申し訳ありません。

どうしても、至急にお伝えせねばならないことがあります」

ルドルフが礼をすると、ユージェニーは視線を動かす。

「二人を守ってくれたことに感謝する。貴殿は?」


「ルドルフ・ドワルガーと申します」

顔を上げたルドルフとユージェニーの視線が混じる。


「こちらに来るがいい」

ユージェニーが3人を会議を開いているテントに連れて行くと、チェイザレとアンセルムがいた。


「ルドルフ、セリア!」

どうしてここに、と思わず表情にでたチェイザレである。


「挨拶は後にさせていただきます。後方から敵軍が侵攻してきます。姿を確認しました」

ルドルフの言葉に、アンセルムが立ちあがる。

「予想はしていたが、思った以上に早いな」


「そして、その兵士達は麻薬を使用しています。兵士の多くが(うつ)ろな表情で僕達が忍び込んでも気がついていたかどうか・・・。以前調べた中毒状態の騎士、というものでしょう」

ルドルフはチェイザレとホルグブロウ王国で諜報していたのだ。その時に麻薬中毒者の状態は見ている。


「待ってくれ」

ユージェニーは、ルドルフの話を止め、3人を連れてきた騎士を見ると、騎士はテントの外に出て行った。

「セリアと母上にはすぐにテントを用意する。ゆっくり休んでください。

女性がいないので、安全確認をしますから、少しお待ちください」


「セリア」

チェイザレがセリアの手を取る。

「あの屋敷で待っていると思ってたが?」


「王家に見つかってしまったみたいなの」

そう言われれば、チェイザレも納得するしかない。

だが、続くセリアの言葉に驚きのあまり、立ち上がる。

「ホルグブロウの軍隊に、山で取ったキノコを食べさせようと」

「待て!! 敵軍に忍び込んだだと?」

チェイザレがルドルフを見ると、ルドルフは肩を上げた。


それから隣国で見つけた軍の話になり、キノコの事にはアンセルムが吹き出した。

「戦時中に、こんな話を聞くとは思わなかった。

たしかに、麻薬で操られていても、下痢をしていれば兵士達も動きが鈍くなるだろう」

しかも、山で適当に採取しただと?

下手すれば、下痢どころか命の危険のあるキノコもあるかもしれない。

食料庫にあるからと簡単に食すだろうか?


テントの準備ができて、セリアとケイトリアがいなくなると、それからが男達の本気の馬となった。

ルドルフも参加して、背後から来るホルグブロウ軍との交戦を考える。


数はホルグブロウ軍の方が少ない、イグデニエル軍より先にホルグブロウ軍を叩き潰すべきか。

アンセルムがイリオスから届いた手紙の内容を話す。


テントでは、セリアとケイトリアが話していた。

「お兄様、ご立派になられてましてね。

「ええ、レプセント家の当主として申し分ないわ。

セリアはチェイザレ殿下とあまりお話されなかったけど、いいの?」


「元気な姿を見れただけで十分です。

今は戦闘中なので・・・」

セリアもチェイザレと話をしたかったが、デートに来たわけではないのだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ