斜陽
冬の空は灰色の雲に覆われて薄曇り
冷気が肌を刺す寒さと恐ろしく早い日暮れ
真っ暗な闇夜が世界を遮断する
冬の景色が
赤い斜陽が
心の底からどうしようもなく不安な気持ちにさせた
鬱を患っている人や神経症気味の人ならわかると思う
目に映る景色に心の影のフィルターがかかる
感傷的になる、淋しげな風景に見える
極度の不安が襲ってくる
何でもない殺風景な冬の眺め
他人から見たら、悲劇のヒロインに浸って可笑しいかもしれない
克服できた今、自分の心がどれだけ痛んでいたのか実感する
冬が来るのが怖かった
夕暮れ時が悲しかった
何もかもが不安で、人の目が恐ろしくて
自分が頼り無くて、全てが不確かだった
PMDDで酷い鬱状態だった時の自分を思い出す
常に不安で脅えていたから
怒りっぽくてイライラして
八つ当たりして言動は乱暴
毎月、排卵日頃からどんどんコントロールが効かなくなる感情
子どもを産んでからより一層悪化していた
正気でなんかいられなかった
女性であるからしょうがない、では済まない
死にたくなる衝動は常時起きる
PMSとは比べものにならない
絶望的に、悲観的で、排他的で、刹那的
全部破壊して世界を終わらせたい気持ち
完全に頭がおかしいし、狂気の沙汰
涙が止まらない、締め付けられる心
そんな状態で、普通に暮らせる?
普段通り、生活を送れる?
そんな訳ないに決まってる
死ぬのを思いとどまって生きてるだけで精一杯
フィルターは視覚だけじゃない
聴覚も嗅覚も感覚は全てが異常になる
何気ない人の言葉が突き刺さる
いつもなら感じない匂いを感じる
怖い
自分が自分じゃなくなる
世界が全く違って見える
体が重くてダルくて苦しくて動かせない
本来の自分が楽観的で穏やかだから落差が激しすぎて別人格のようだった
以前にも書いたPMDDという病気
(過去の作品『知ってほしいこと』)
月経前不快気分障害という精神疾患
まだ世間の認知度は低い
冬という季節をゆったりと迎えられる
毎日の夕焼けを何気なく眺められる
当たり前のことが当たり前になれた
過去の私は病気だったと認識できる
心療内科で飲み薬を処方してもらえば、症状は治療できる
どうしてこんな気持ちになるのか
何でこんな自分なのか
何十年も苦しんだ
女性特有の病気だから
女だから感情的、更年期で片付けられていた
違う
我慢しないで
皆一緒じゃない
女同士でもわからない
この病気は気づいて認めるまでが一番困難
思い当たる自分自身や知人がいるなら幸い
治療できるよ
自分を取り戻せる
冬の空だって美しいとわかる
夕焼けをずっと見ていられる
幸せな毎日を送ることができるようになる
月の半分以上、人間やめなくて済むようになる
どうか、泣いてる女性に届いて
あなたは何も悪くない




