プロローグ
「狂人になろう」
そうすれば、
たくさんの人と仲良くできるはず……
「……ここは?」
夢から目が覚めると同時に、いつもは起きるのが遅い頭が異常を感じてフル回転する。
病院のベットのようなとこで寝かされ、首輪をつけられ、謎の管に繋がれて、なぜか体が女性に……
「おはよう勇者様」
声の主を見ると目の赤い、色白で細身の男がこちらに手を振っている。
これはもしかして異世界転生とかいうやつでは?
「おはようございます」
とりあえず挨拶は大事。
「あー、まあここは対勇者のための研究施設で俺はブラインという者だ」
うーん、嫌な予感がする。
「ぼくの名前は佐京 玲です」
とりあえず自己紹介は大事。
「レイちゃんか、なら検体番号のとこ0号にしちゃうか」
「え、いいんですか?」
「大丈夫、大丈夫、被らないし」
「ありがとうございます、一生ついていきます」
検体番号0号……いい響きだ。
「お前……もしかして状況分かってないだろ」
「そうですね」
なんか状況はよく分からないけど、わざわざ0号をぼくにくれる人に悪い人はいないはずだ。
「はあ……」
なぜかため息をつかれる。
「説明不足なのが悪いです」
「確かに……?まあ結論から言うとお前を対勇者兵器に改造させてもらう」
こうして、転生直後に即拉致監禁された勇者と勇者を研究する吸血鬼の日常が幕を開けた。
何かだめなとこあったらお気軽に